パグを飼うときの注意点、及びおすすめフード
目次
パグの基本情報
原産地:中国
毛の長さ: 短毛
成犬の大きさ:6~8kg
無駄吠え:少ない
運動量:少ない
食事量:旺盛
寿命:12~15年
価格:10万~15万円
パグの原産地と名前の由来
2400年以上も前からペットとして飼われていたとされる、とても歴史の長いワンちゃんがパグです。さすがに2400万年も前の話ですので、その起源はすでに誰にも分かりません。中国犬の代表とも言えるペキニーズに非常に似ていることと、チベット犬にパグに似た犬が多いため、パグも中国生まれだという説が有力です。
名前の由来もはっきりとは分かっていません。
・ラテン語の「握り拳」を意味するpugnus(パグナス)
・ラテン語の「斧」を意味するパグ
・中国語の「いびきをかいている王様」を意味する覇歌(パー・クー)
このように様々な説がありますが、どれが正しいかは今となっては誰にも分かりません。それくらい歴史の長いワンちゃんだということだけ覚えておきましょう。
パグの歴史
パグが中国からヨーロッパに渡ったのは、オランダの東印度会社によるものだと伝えられています。その後、オランダ王室で繁殖され、王家のシンボルにもなっています。パグの人気がさらに高まったのは、ナポレオンの妻であるジョセフィーヌがパグを飼っていたためです。
1800年代になるとパグはイギリスに渡り、そこでも王室や貴族たちの間で大切に育てられました。どこにいても上層階級の人たちに愛されるのは、可愛さだけでなくどことなく気品の高さを感じるワンちゃんだからかもしれません。
日本にパグがやってきたのは第二次世界大戦中から戦後だと言われています。お隣の国のワンちゃんなのに、なかなか日本に伝わらなかったというのはとても興味深いところです。現在、日本では4500頭を超える数のパグが登録されるほど、人気の高いワンちゃんになっています。
パグの特徴
パグの特徴は、つぶれた可愛らしい顔にあります。ブサ可愛いという言葉が流行りましたが、パグはまさにブサ可愛いワンちゃんの代表的な存在です。可愛らしいのは顔だけでなく、その表情や仕草も他の犬にはない愛さずにはいられないものを持っています。
被毛はフォーン、ブラック、シルバー、アプリコットの4種類あり、日本ではフォーンとブラックの人気が高く、子犬の価格もそれだけ高くなります。短毛種ですが寒さだけでなく、暑さにも弱いという特徴もあります。そういうところにも王室育ちのお坊ちゃんらしさが現れています。
可愛らしい顔からは想像できないくらいに、体つきはしっかりとしています。コンパクトにギュッと詰め込まれているようで、見た目よりも重たさを感じるワンちゃんです。
パグはどんな性格?
パグはとにかく陽気で明るい性格から世界中で愛されています。ただし、我を忘れてはしゃぐようなことはほとんどなく、いつも落ち着いていますので、初めてのワンちゃんとしてもとても飼いやすい性格をしています。
ところが頑固な一面もあり、しつけをきちんとしてないと手に負えない存在になってしまうこともあります。かといって、厳しいしつけをすると拗ねてしまうこともあります。根気よくやっていいことと悪いことを焦らずに教え続けることが重要です。
パグは飼い主が喜んでくれることを好みます。いつも飼い主に褒められたいと思っていますので、しつけをするときにはちょっと大げさに喜んだり、褒めてあげたりしましょう。賢いワンちゃんですので、何をすれば喜んでもらえるのかをすぐに理解してくれるはずです。
攻撃的な面はほとんどありません。散歩中に他のワンちゃんに会ったときには、すぐに仲良く遊び始めます。初めての人や、小さな子に対しても友好的ですので、マンションのような集合住宅での飼育にも向いています。反対に番犬には不向きですので、室内で育てるようにしましょう。
パグはどれくらいまで大きくなるの?
パグは犬の中で珍しく、オスでもメスでもその大きさは変わりません。平均的な体重は次のようになります。
パグの体重:6~8kg
パグは小型犬に分類されますが、一般的な小型犬と比較するとかなり重めです。でもパグは重いのが普通だと思っていると、知らない間にどんどん肥満化していくことがあります。運動量があまりないのに対して、食欲旺盛でどんどん食べてしまうのがパグの特徴のひとつです。
子犬のうちから毎日体重管理をして、成犬になったときに6~8kgの間で収まるように食事量と運動量の調整をしてください。運動量が少ないことで、ダイエットがあまり得意なワンちゃんではありません。食事制限だけでいつもお腹を空かせているのを見るのはとても可愛そうですよね。
ダイエットなんてしなくてもいいように、肥満にならないようにだけ気をつけてください。特に老犬になって、散歩の時間がさらに短くなったときには、寿命を少しでも伸ばすために、体重が増えすぎないように注意してください。
パグの平均寿命
犬は一般的に小さいほど長生きをします。パグは小型犬ですのでもちろん長生きをしやすいワンちゃんです。
パグの平均寿命:12~15歳
犬の平均寿命は12歳ですので、ほとんどのパグがそれ以上の年齢まで生きることができます。ただし、ワンちゃんの寿命は環境によって大きく変わります。例えば家の外で飼ったりすると、ストレスが大きくなるため、寿命が短くなると言われています。
もちろん食事も寿命に影響します。添加物が多く含まれた安売りされているドッグフードでは、健康面で様々な不安があります。価格は高くてもできるだけ無添加で安全性の高いフードやおやつを心がけましょう。手間はかかりますが、手作りのご飯もおすすめです。
定期検診も受けるようにしておきましょう。病気を早く見つけて治療することも、愛犬の寿命を伸ばすために重要なことです。かかりやすい病気などは後ほど紹介しますので、それらの症状が出ていないか、毎日チェックするようにしましょう。
パグの価格
パグは頭が大きいため、自然分娩ができません。そのため帝王切開で出産を行います。出産に費用がかかりますので、あまりブリーダーが多くありません。このためペットショップでの価格はやや高めに設定されています。
パグの価格:20万~40万円
価格に幅があるのは、人気の毛色や見た目の可愛らしさなどが影響します。相場としては30万円前後というのが一般的で、売れ残っていくと徐々に値下がりします。オスよりもメスのほうが高くなる傾向にありますが、それよりも個体差やペットショップによる価格設定の違いのほうが、価格に影響を与えています。
10万円台で安く購入できることもありますが、そのようなパグにはなんらかの問題がある可能性があります。体が弱かったり、血統がはっきりしていなかったりというようなこともあります。相場よりも安いからといって即決せずに、その理由をきちんと確認してください。
少しでも安く購入したいという場合は、ペットショップよりもブリーダーさんからの購入がおすすめです。ただし、ブリーダーさんでも血統にこだわっている場合には、40万円以上の値段がつくこともあります。どのようなタイプのブリーダーさんなのかきちんと調べてから購入しましょう。
元気に育つ子犬の選び方
子犬との出会いは運命のようなものもありますが、直感だけに頼ると病気がちな子犬を選んでしまう可能性があります。せっかく一緒に暮らすのだから少しでも健康なワンちゃんを迎えたいという人は、ここで紹介する選び方を参考にしてください。
目をチェックする
パグの目は色が暗いという特徴がありますが、注意したいのは暗いのではなく白く濁っているケースです。この場合は白内障や緑内障の可能性があります。目やにが多かったり、充血しているような子犬もできるだけ避けましょう。
顔つきで言うと、目は離れているほうが成長したときに可愛らしい顔つきになります。なおかつ目が大きくて突き出ている子犬を選びましょう。
体格をチェックする
パグは子犬でも健康な個体はずっしりと重さがあります。まずは抱きかかえてみましょう。重さを感じることと、骨格がしっかりしていることを確認しましょう。また、抱きかかえたときに大人しくしていることも重要です。嫌がるようですと人間に慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
立っているときの足がO脚やX脚になっていないことも重要です。立ち姿のバランスがおかしいワンちゃんは避けるようにしましょう。また歩くときに足を引きずっている個体もおすすめできません。
肛門をチェックする
パグに限らず、ワンちゃんを選ぶときには必ず肛門を確認しましょう。体調を崩しているワンちゃんはどうしても下痢気味になって、肛門周りをきれいに保つことができません。肛門周りがきれいであること、乾いた状態になっていることを確認しましょう。
パグを飼うときの注意点
パグと暮らしていると、まるで人間の家族が増えたような感覚になりますが、人間とはまた違った面で気をつけなくてはいけないことがいくつかあります。ここではパグを飼うときに注意したいポイントについて説明します。
散歩は短めに1日2回
パグはそれほど負荷の高い運動を必要としません。それでも運動が全く必要ないというわけではありません。基本的には20~30分くらいの散歩を朝と晩の2回行いましょう。ワンちゃんによってはもう少し長く歩きたがるかもしれません。その場合は時間を少し伸ばしてあげましょう。
基本的には短時間で複数回というほうがパグには向いています。ただし、夏場の暑い時期には日中の散歩は避けるようにしましょう。アスファルトの温度は50℃以上になることもありますので、暑さに弱いパグにはかなりの負担になってしまいますので、気をつけましょう。
室温管理をしっかり行う
パグは暑さにも寒さにも弱いワンちゃんです。特に夏場の暑さは命に関わります。鼻ぺちゃのワンちゃんは呼吸で体内の温度を下げるということが苦手です。夏場は必ずエアコンを使って室温を28℃くらいに保つようにしましょう。お留守番をさせるときには、エアコンが止まっても大丈夫なように、水を多めに用意して、冷却シートなども敷いておきましょう。
パグがかかりやすい病気
パグは長生きしやすいワンちゃんですが、その一方でかかりやすい病気の多いワンちゃんでもあります。健康維持には、飼い主さんが早めにその症状に気づいてあげることが必要です。ここでは特に注意したい病気について、その症状と対処方法について紹介します。
軟口蓋過長症
軟口蓋過長症はパグやブルドックのような短頭種によく見られる病気です。寝るときにいびきをかいていたり、興奮したときにガーガーと音を立てていたりしたら要注意です。鼻ぺちゃになっている分だけ、気道が圧迫されて呼吸をしにくくなります。
子犬の場合は、成長過程を見守ることもありますが、成犬の場合は手術が必要になることもあります。呼吸が苦しそうだと感じたら、まずは主治医に診てもらいましょう。
乾性角膜炎(ドライアイ)
パグは両目が飛び出していますので、涙の分泌が足りなくなると乾燥して。結膜炎や角膜炎を引き起こしますので、症状としては目に充血が見られます。また、目やにも多くなりますので、比較的気づきやすい病気のひとつです。
治療方法は症状の進行具合でかわりますので、目が充血しているなと感じたら、主治医に診てもらいましょう。その後、適切な治療を受けるようにしてください。
壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)
起こる頻度はそれほど高くありませんが、脳に炎症が起こり萎縮していくとても怖い病気です。発症するとほとんど死んでしまいます。予防方法も現段階ではありませんので、対処することもできません。このため、そのような病気があるのだということだけ覚えておきましょう。
早期に治療を開始することで寿命を少しでも伸ばすことができますので、目の動きがおかしかったり、足元がふらついたりするような症状が見られる場合は、様子見をせずにすぐに動物病院でチェックしてもらいましょう。
推奨したいフード
ワンちゃんの健康のためにどのようなものを与えればいいのか分かっても、具体的にどのフードを選んでいいのか悩んでしまう人もいるかと思います。そういう飼い主さんのために、ここでは当店で取り扱っている、おすすめのフードをいくつかご紹介します。
当店最高級の犬用ドライフード/全年齢犬用プレートスリー
当店であつかているドライフードの中で最高級のフードです。プレートワン、プレートツーにさらにプラスの栄養素としてグルコサミンとコンドロイチンを含んでいます。
グルコサミンとコンドロイチンの効果
- 体内の水分量のコントロール
- 細胞を出入りする物質の調節
- 骨の形成を助ける
- 傷をすみやかに治す
- 細菌の感染を防ぐ
- 関節組織の円滑化
- 血中脂質の改善
- 血液凝固の抑制
- 血管新生の調節
- 目の透明度を維持する
グルコサミンとコンドロイチンには上記のような効果があると一般的に言われています。
レトルト/ササミブロック
ヒューマングレードで作られたフードです。私達人間でも普通に食べることができます。ボクサーやランナーも愛用している、脂質の少ない部位を多く使ったササミです。脂質を抑えることでダイエット効果を期待できます。鶏肉のササミをそのままブロック状にしておりますので大きくて食べられない時は、少し具を割いて与えてあげてください。
レトルト/チキンオカラベジ
高品質で厳選された国産鶏肉を使っており、良質なたんぱく質を多く含んでおります。また、にんじん・グリーンピースといったビタミン豊富な野菜がたっくさん入ったレトルトが、チキンオカラベジです。
「食べやすさ」を追求し、そぼろ状に調理しています。このため、食欲がなかったり、歯が丈夫でなかったりするワンちゃんニャンちゃんでも、これ1つで心配いらずです。
まとめ
パグは中国が起源のワンちゃんですが、その可愛らしさからヨーロッパの王族や貴族に可愛がられた歴史があります。とても陽気で明るく、さらに攻撃性もないため初めてのワンちゃんにも向いていますが、頑固な性格もあるためしつけだけは慎重に行わなくてはいけません。
比較的長生きする犬種なのですが、かかりやすい病気も多いという特徴があります。ちょっとおかしいなと思われるような症状が出たときは、できるだけ早く主治医に相談して、必要に応じて診察と治療をしてください。
長生きのためには、病気の早期発見だけでなく、栄養価の高い食事も重要です。価格は高くても、できるだけ無添加で安全性の高い食事を与えましょう。そうすることで平均寿命よりも長く生きる可能性が高くなります。
とても愛らしくて、まるで人間の家族が1人増えた感覚になるのがパグというワンちゃんです。そんな時間を少しでも長く続けていくために、飼い主さんがストレスの少ない環境を整えてあげましょう。