食事が大事!ペットの糖尿病

人間のダイエットで糖質制限が注目されていますが、そもそもの糖質制限は糖尿病にかかった人の食事として考えられたものです。血糖値が上がらないように、体内の血糖値を食事でコントロールしようというものです。

人間が糖尿病になるように、犬や猫などのペットも同じように糖尿病にかかります。それぞれに特徴は違いますが、いずれの場合も人間と同じように食事コントロールで、症状を和らげることができますし、糖尿病の予防も可能です。

ここではそんなペットの糖尿病について、どのような食事が適しているのかを解説します。すでに糖尿病を発症させてしまった飼い主さんや、ペットの健康を維持したいと考えている飼い主さんはぜひ参考にしてください。

糖尿病はどんな病気?

糖尿病は尿に糖が含まれる病気ですが、尿に糖が含まれるのは糖尿病による症状のひとつでしかなく、本当に問題なのは別のところにあります。

動物は糖質(炭水化物)を摂取することで、体内にエネルギーを蓄えています。摂取した糖質は消化されてブドウ糖になり、血液を利用して体中の細胞に取り込まれます。この血液中に含まれるブドウ糖のことを血糖と呼びます。

食事などで糖質を摂取すると、血液中のブドウ糖が増えますので血糖値が上がります。反対に運動をすると、血液中のブドウ糖をエネルギーに使用するため、血糖値が下がります。

通常は血糖値が一定になるように、インスリンと呼ばれる膵臓で作られた物質が、血糖を細胞内に送り込みます。そうすることで血糖値が高い状態を回避するのですが、糖尿病になると、インスリンが不足したり、機能しなかったりするため、細胞がうまく血糖を取り込めない状態になります。

動物の体は糖を血液中にいくらでも貯められるわけではありませんので、尿を使って糖を排出します。その結果、尿から糖が検出されて「糖尿病」となるわけです。

犬と猫では糖尿病の種類が違う

糖尿病はインスリンの不足や、機能しないことによって起こる病気ですが、4つの種類に分類することができます。

・1型糖尿病
・2型糖尿病
・妊娠糖尿病
・遺伝子の異常や他の病気、薬剤によって引き起こされる糖尿病

犬の糖尿病は1型糖尿病が多く、猫の糖尿病は2型糖尿病が多いとされています。ただし、犬や猫などの糖尿病には上記のような分類はなく、すべて同じ「糖尿病」として治療を行います。人間の1型糖尿病に似ている、2型糖尿病に似ているという程度の分類だと考えてください。

また、犬はオスがかかりやすく、猫はメスがかかりやすいと言われています。1型糖尿病と2型糖尿病について、もう少し詳しく説明します。

1型糖尿病

1型糖尿病は膵臓の細胞が壊れることで、インスリンが作られなくなる病気です。インスリンが作られなくなると、血中のブドウ糖は細胞に取り込むことができなくなります。その結果として、糖は尿に含まれて排出されてしまいます。

1型糖尿病は生活習慣病ではありませんので、肥満になることもありません。犬の糖尿病の場合は約50%がこの1型糖尿病だと言われています。

2型糖尿病

2型糖尿病では肝臓や筋肉などの細胞が、インスリンに反応しにくくなることで、細胞が糖を吸収できなくなります。遺伝的な体質に、肥満、運動不足、ストレス等が加わることで発症すると言われています。このため、2型糖尿病は生活習慣病と考えられています。

猫のほとんどがこの2型糖尿病で、日本人がかかる糖尿病も2型がほとんどです。安静時にはインスリン濃度が正常だったりするため、自覚症状があまりないケースが多いとされています。

糖尿病になるとどんな症状が出る?

ペットが糖尿病にかかったときには、飼い主が早期発見をしてあげなくてはいけません。犬や猫は自分で調子が悪いことを伝えられませんので、飼い主が糖尿病に見られる症状に気づいてあげて、早期発見につなげましょう。

・よく水を飲む
・おしっこの回数が増えて、量も多くなる
・体重減少
・元気がない
・歩き方が変わる
・下痢や嘔吐
・食欲不振、食欲増加
・白内障

糖尿病にかかると、血液から糖を排出する方法がおしっこしかありませんので、大量の水を飲んで、何度もおしっこをします。このため、頻繁に水を飲んでおしっこが増えた場合は、糖尿病の可能性が高くなります。

糖が細胞に吸収されませんので、体重が減っていきます。しかも体はエネルギー不足になっているため、疲れを感じやすくなります。その結果として元気がない、おとなしくなるなどの症状が見られます。食事をする元気もなくなるため食欲が低下することもあります。ただし、エネルギーをしっかり補給したいという本能から、食事量が増えることもあります。

また、犬に多いのが白内障です。糖尿病は白内障を引き起こしやすく、目が白く濁っていたら、白内障と糖尿病にかかっているかもしれません。また、猫の場合は、かかとをつけて歩くといった、特徴的な歩き方になることも確認されています。

犬でも猫でも見られる症状としては、下痢や嘔吐です。糖尿病になると血液が酸性になってしまうことがあり、それにより下痢や嘔吐を引き起こすこともあります。

糖尿病の原因と予防方法

糖尿病の原因は種類によって違います。ここでは種類ごとの原因と予防方法について説明します。

1型糖尿病の原因と予防方法

インスリンが不足する1型糖尿病ですが、なぜインスリンが作られなくなるかは判明していません。一般的には、肥満・遺伝的要因・老化などが複雑に絡み合って、発症すると言われています。また犬種によっても糖尿病にかかりやすい犬と、そうでない犬に分類することもできます。

予防方法としては、食事の早食いやドカ食いを止めさせることや、毎日しっかりと散歩をさせて肥満にならないようにすることが重要です。早食いやドカ食いはインスリンが放出されやすくなり、細胞がそれに慣れることで反応が鈍くなるとされています。これを防ぐためには食事はゆっくりと行ってください。

また、肥満が糖尿病につながりますので、食べすぎないことと適度な運動によって、体重が増加しないように気をつけましょう。そこまでしても発症してしまうのが1型の糖尿病ですが、できる予防はしっかりしておきましょう。

2型糖尿病の原因と予防方法

2型糖尿病もはっきりとした原因は分かりませんが、肥満・ストレス・薬の影響・遺伝的疾患・自己免疫疾患などが原因と言われています。また老化による運動量の低下や高炭水化物食なども2型糖尿病の原因のひとつです。

猫がかかりやすい2型糖尿病ですが、予防としてはしっかりとした運動が最も重要で、そしてこちらの場合も食事管理によって、太りにくくすることが重要です。1度の食事の量を減らして、回数を多くするなどして、血糖値が上がりにくくするなどの工夫をしましょう。

飼い主さんがきちんと遊んであげることも、運動不足解消には重要です。キャットタワーなどを使って、猫が歩き回れる環境を整えることも大切です。

糖尿病の治療方法

どれだけ予防しても、遺伝的要因でかかってしまうことがあるのが糖尿病です。実際に糖尿病になってしまった場合には、どのような治療を行うのかについて紹介します。

1型糖尿病の治療方法

1型糖尿病は、インスリンが作られなくなることが原因ですので、治療方法としてはインスリンの投与が基本です。人工的に作られたインスリンを毎日皮下注射します。これは獣医さんの指示に従って、飼い主が毎日行います。

血糖を消費する目的で、運動療法を取り入れることもあります。運動療法をすることで、肥満を解消することもできます。ただし、運動療法を行うとインスリンの投与する量が変わるため、獣医さんとしっかりと話しをして、計画的に行う必要があります。

1型糖尿病には食事療法も行いますが、この食事療法については後ほど詳しく説明します。

2型糖尿病の治療方法

猫がかかることの多い2型糖尿病ですが、こちらは基本的に血糖を下げる薬の投与と、食事療法が基本です。インスリンは十分に作られていますので、血糖を下げることで血管内でのトラブルを回避させます。

インスリンへの反応が鈍い原因として肥満が考えられますので、治療のメインとしては食事療法によって、肥満の解消を目指します。

状況によってはインスリンを投与することもありますが、猫の場合は、気まぐれな性格もあって食事コントロールがとても難しいという問題があります。インスリンは食事をする前に打ちますが、猫の場合はいつ食事をしてくれるのかを判断するのが難しいため、効果的な投与ができないという問題があります。

糖尿病の食事療法

1型糖尿病でも2型糖尿病でも食事療法が、症状の改善や糖尿病からの離脱のためにはとても重要です。食事療法の目的は、血糖値の変動を小さくすることにあります。血糖値の変動を抑えることができれば、インスリン療法の効果も得やすくなります。

また、糖尿病の療法食に切り替えることで、肥満の解消も期待できます。人間のダイエットで糖質制限が注目されているのは、糖尿病の療法食によって体重が落ちやすくなるためです。血糖値をコントロールしようとした結果、体重が落ちてより糖尿病の症状を和らげることが期待できます。

とはいえ、実際にペットが糖尿病になったとき、どのような療法食を与えればいいのか悩みますよね。ここではペットの糖尿病に最適な食事療法について紹介します。

まずは獣医さんに相談

糖尿病の療法食については、まずは獣医さんに相談することから始めましょう。糖尿病と診断された時点で、食事療法について説明を受けるかもしれません。わからないこと、困ったことがあれば、まずは主治医である獣医さんに相談しながら進めるようにしてください。

ペットの糖尿病の状態によって、摂るべき食事の内容が変わってきます。いくら体にいい療法食でもペットが食べてくれないようなこともあります。そんなときに頼りになるのが獣医さんです。何でも自分で判断せずに、アドバイスをもらいながら治療を進めましょう。

低糖質低脂肪が基本

糖尿病になったときは、食事で血糖値を上げないようにすることが重要です。これは人間の糖尿病と同じで、基本的な考え方としては糖質の摂取を減らします。ご飯や小麦粉多く含まれているペットフードは避けるようにしてください。

ただし、糖質をすべてカットするのではなく、適量の炭水化物が必要です。どれくらいの量の炭水化物を与えるかは、獣医さんと相談しながら決めてください。

ペットの糖尿病は他の病気を併発しやすいため、コレステロールや中性脂肪値などにも注意しなくてはいけません。低脂肪が理想ですが、それが難しい場合は少なくとも高脂肪のペットフードを避けるようにしてください。

腹持ちのいいフードを選ぶ

糖尿病になってしまうと、カロリーを制限して痩せさせようとする飼い主さんがいますが、その結果としてペットがいつも空腹な状態になってしまうことがあります。低糖質低脂肪を基本とすれば自然とカロリーは下がりますので、あまりカロリーは気にせずに、満腹感の強いフードを選んであげましょう。

推奨したいフード

糖尿病対策に食事が重要な事はわかったけど、どのようなフードを選べばいいのか、いまいちわからないという人のために、ここでは糖尿病対策に向いている、おすすめフードを紹介します。

おかずレトルト/チキンオカラベジ

国産の鶏胸肉と、白米、にんじん、グリーンピースをミルク味でリゾットに仕上げた低カロリーかつ高タンパク質のおかずです。カロリーコントロールが出来、このおかずレトルトに含まれているオカラこそ満腹感あるフードの代表。良質たんぱく質も多く含んでおり、まさに糖尿病予防ができる一押しのおかずです。

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犬用ドライフード/プレートツー

動物性脂肪の弊害を省き、魚脂肪の利点を活かすことは愛犬の健康そして長生きするために、とても効果的です。動物性脂肪を体内に取り込むと、脂肪を溶かすために摂取した動物の体温以上の温度が必要となります。すべての動物性脂肪を溶解できるわけではないため、血中にコレステロールができ、循環器系にダメージをうけます。

ところが植物性脂肪や魚脂肪は、体内に取り入れてもコレステロールは形成されず、血液もさらさらの状態を保ってくれます。さらに、ドライフードに含まれているビタミンB1は、糖質をエネルギーとして活用するのを助け、ビタミンB2には脂質などのエネルギー代謝を促進する働きがあります。

プレートツーならカロリーを抑えているので、糖尿病予防にだけでなく、単に肥満を気にしているワンちゃんでも心配なく食べられます。

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猫用ドライフード/プレートキャットツー

プレートツーの猫用バージョンです。プレートツーと同じく魚脂肪の利点を活かしたキャットフードです。無添加にこだわった安全性のとても高いフードですので、健康に気をつけたいニャンちゃんにぴったりです。

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