犬や猫の食事における満腹のサイン、足りないサイン

ワンちゃん、ニャンちゃんに食事を与える時の悩みの一つ。「あぁ~お腹いっぱい!」と答えてくれるわけではないので、一体どれだけ与えればよいのかわからないのが飼い主の正直な気持ちでしょう。

それでも飼い主がきちんと見極めてあげないといけません。食事量の管理は飼い主の大きな役割のひとつです。ここではそんなワンちゃんやニャンちゃんの食事量を管理するために、満腹のサインや足りないサインについて紹介します。

サインに気付かなくてはいけない理由

人間は食べ過ぎると満腹中枢が働き、「もう食べなくてもいい」という信号が脳から送られます。同じように猫や犬にも満腹中枢があるのですが、人間よりもかなりその機能が低下しています。特にワンちゃんの場合は、人間の感覚で言えば満腹中枢が壊れているくらい機能しません。

反対に、元気がないときなどには、一気に食欲が下がります。人間のように「ランチタイムだからご飯食べなきゃ」というようにはなりません。体が欲しがっていないと感じると、食事量が激減します。病気や夏バテになるとフードをあまり食べなくなるのが、その一例です。

一般的には、犬はペットフードを与えれば与えるだけ食べてしまいます。猫の場合は、食事を数回に分ける習慣があるため、それなりに食べる量をコントロールしますが、ときどき満腹中枢が機能していないような食べ方をするニャンちゃんもいます。

ワンちゃんやニャンちゃんは食べ過ぎると、もちろん太っていきます。これは人間と同じで、摂取カロリーが消費カロリーを上回れば、どうしても肥満への道をまっしぐらです。肥満になってしまうリスクに関しては「肥満はこんなにも危険!犬や猫が太ることで発生するリスク」をご参照ください。

また、フードが不足しすぎると、身体がどんどん弱っていきます。こちらに関しては「フードの量が少なすぎると犬や猫はどうなってしまうの?」に詳細を記載しています。

このような問題を防ぐために、飼い主がきちんと本当に必要な量を判断して、それに応じた量を与えてあげなくてはいけません。ところが実際に与えるときにはペットフードのパッケージ表記「体重別給餌(きゅうじ)量」を参考にしている方がほとんどだと思っています。

この給餌量は、当店で取り扱っている全年齢犬用プレミアムドッグフード「プレートスリー」の例ですと、「ドライフードを与える量の目安」として1日の目安量を体重別に記載しております。ただし、これを200種類以上のペットにすべて当てはめるには無理があります。種類別や性別、年齢、個体差、季節により様々に変化してきます。皆様の食事もそうでしょう。少数の人もあれば大食いの人もあり、いつも一定量を食べている人は誰もいないでしょう。あくまでも「体重別給餌量」は目安でしかありません。

このため飼い主は、ワンちゃんやニャンちゃんの満腹サインや、不足サインに気づいてあげなくてはいけません。パッケージに記載された数字だけでなく、眼の前にいるワンちゃんやニャンちゃんの腹具合を観察して、最適な餌の量を導き出すようにしましょう。

足りないサインの見分け方

それではまず、フードが足りていないときのサインについて紹介します。次のような行動が見られたときは、フードが足りていません。

1.食器をなめまわしたりはいませんか?
2.横腹が少し張った状態ですか?
3.下腹がたるんでいませんか?
4.皆さんが食事を始めたら欲しがっていませんか?
5.落ち着きがなく、食事場所の匂いを嗅ぎまわっていませんか?

こんな行動の時は満足していません。

ただし、難しいのは栄養やカロリーは十分に足りているはずなのに、ワンちゃんやニャンちゃんがもっと欲しがることがときどきあります。本当に足りていないのか、それとも運動のしすぎで足りていないのか。なかなか判断できませんよね。

基本的には、毎日同じ量がベストですが、運動すれば人間だってお腹が空きますし、エネルギー不足にもなります。「いつもと同じ量なのに、足りないサインが見られる」そういうときは、前日までの行動を振り返って、エネルギーの消費が激しいことをしていないか思い出しましょう。

しっかり運動していたのであれば、多少は多めに与えても構いません。もちろんあげすぎはNGですが、足りなさすぎもいけません。足りないサインを見逃さずに、そのサインが本当の「足りない」なのかを見極めて、適量のフードを追加してあげましょう。

満腹サインの見分け方

それでは次に、満腹のサインについて紹介します。基本的には満腹に関しては行動には現れません。ワンちゃんはあればあるだけ食べてしまいます。ですので、足りないサインのように行動を観察するだけでは満腹サインに気づいてあげることができません。

このため、そろそろ満腹かなと思ったら、体に触れて満腹状態かどうかの確認をしましょう。チェック方法はとても簡単です。

食べ終わった後、横腹や下腹が張った状態。これが満腹量です。機会があったら、普段の横腹や下腹の状態、食べている間の状態、食べ終わった頃の状態をそれぞれチェックしてみてください。その感覚がつかめるはずです。

満腹状態でも、「まだ足りない」というような表情をしておかわりを欲しがるワンちゃんもいますが、これは絶対にあげないようにしましょう。一度与えてしまうと「次も待っていればもらえるかも」と学習をして、「まだ足りない」アピールをしてくることがあります。

「まだ足りない」アピールについては別記事の「食後なのに犬や猫が「もっと食べたい」と欲しがる理由と対処方法」に記載していますので、こちらも合わせてご確認ください。

お腹が張っていたら、そこが満腹状態です。1度の食事でそれ以上は与えないようにしてください。カロリーが不足しているようならば、小分けにして与えるというのもひとつの方法です。どのように小分けにするかについては、次項で詳しく説明します。

ペットの餌の回数で満腹感をコントロールしよう

ワンちゃんはニャンちゃんと比べると、一度に食べられる食事の量がかなり多めです。このため、与えれば与えるだけ食べてしまいます。それを防ぐ方法が、食事の時間を数回に分けることです。これまで朝1回だったのを、朝昼2回、朝昼晩の3回などに分けてください。

ちなみにペットフードのパッケージに書かれている最適な食事量は、1日あたりの分量です。ときどき1食あたりの分量だと勘違いする人がいますが、それでは与え過ぎになります。

食事の量はできるだけ1日2回を心がけてください。1回からいきなり3回に増やすと、1回あたりの量がかなり減ってしまい、ワンちゃんやニャンちゃんが困惑してしまいます。成犬の場合は、まずは2回に分けて与えるようにしましょう。

最初は、量が少ないことに不満を示すかもしれません。お腹の膨れ具合も足りませんので、満腹のサインがわかりにくくもなります。このため、キャベツやオカラなどの低カロリー食材を追加してあげて、満腹感を得られるようにしてあげましょう。

ワンちゃんやニャンちゃんによって、好きな食材が違いますので、食いつきがいい低カロリー食材を見つけてあげるようにしてください。同じ食材でも食感が違うだけで、食べたり食べなかったりしますので、いろいろと工夫をしてあげましょう。

どのような低カロリー食材が適しているのかについては「ダイエットに最適!犬や猫におすすめの低カロリー食材」を参考にしてください。

最初の数日はワンちゃんもニャンちゃんもいい反応をしてくれませんが、数回続けると1回の食事量が少なくても満足してくれます。むしろ、1日1回の食事をしているときよりも、満腹感が高めになって、必要以上にフードをねだらなくなります。

忙しいときに1日2回のフードを与えるのは大変かもしれません。それでも、肥満気味かなというワンちゃんやニャンちゃんには最適な食事方法ですので、できるだけ、食事の回数を増やして、満腹感を維持させるようにしましょう。

ゆっくり食べさせて満腹感を与えよう

ワンちゃんやニャンちゃんが満腹感を感じられないのは、食事をあっという間に終わらせてしまうためです。満腹中枢は、食事をしてすぐに反応するわけではありません。一般的には、機能し始めるのが食事をはじめて20分くらいと言われています。

ワンちゃんやニャンちゃんの食事の時間どれくらいでしょうか?ものの数分で終わっているのではないでしょうか?これでは、ワンちゃんもニャンちゃんも空腹感が強くなって、「もっと食べたい」となってしまいますよね。

ワンちゃんやニャンちゃんにはできるだけ、ゆっくり食事をしてもらうようにしましょう。ここではそのための方法について紹介します。

早食い防止食器を利用する

とても簡単に早食いを防止させる方法が、専用の食器に変えることです。インターネットで「早食い防止 食器」で検索をすれば、簡単に見つけることができます。早食い防止食器は、食器内にいくつもの突起を作ることで、食べにくい構造をしています。

ガツガツ食べることができず、食事に時間がかかるため、食べ終わる頃には満腹中枢が働き始めて、満腹感を得ることができます。食器は1つだけでなく、複数個用意しておくと毎日条件が変わるため、食器に慣れることなく毎回、ゆっくりと食事をするようになってくれます。

フードに水分を含ませる

ドッグフードは基本的に乾燥したものを与えているかと思いますが、これに50℃くらいのお湯をかけてふやかすことで、食事のスピードをゆっくりにすることができます。ドライフードは水分不足になりがちですので、それを補うにも水分を含ませるのはおすすめの方法のひとつです。フードの正しい与え方については、「ドライフードの与え方」に書いておりますので、ご参考にしてみてください。

水分だけでなく、ヨーグルトを混ぜて与えるという方法もあります。意外と思うかもしれませんが、栄養面でもヨーグルトはワンちゃんに向いている食材のひとつです。ただし、ヨーグルトは砂糖の入っていないものを使うようにしてください。また、ヨーグルトが体に合わないワンちゃんもいますので、様子を見ながら与えてください。

多頭飼いの場合は安心して食べられる環境を整える

多頭飼いのワンちゃんやネコちゃんほど、早食いになる傾向にあると言われています。ゆっくり食べていると、他の子に食事を取られてしまう可能性があるため、自分の分を確保するために、どうしても早食いになってしまいます。

これを防ぐためには、食事をするときにそれぞれの距離をしっかりと離してあげたり、それぞれのハウスの中で与えたりするなどして、安心して食事に集中できる環境を整えてあげましょう。

最適な食事量は季節によって違う

ペットフードのパッケージに書かれている最適な食事量は、季節による変化などは無視して作られています。実際には人間でも1年を通して、季節ごとに最適な食事の量は違います。春と秋は、過ごしやすく食事量を決めるときの基準となります。

多くのワンちゃんやニャンちゃんは、夏になると食事量が減ります。人間も、夏はガツガツ食べる人は少なく、素麺のようなシンプルで食べやすいものを選びますよね。ペットでもそれは同じことです。

ただし、ワンちゃんの場合は、パンチングといって、口を開けて舌を出した状態で早い呼吸をすることで、体内にこもった熱を放熱します。このパンチングにはかなりのエネルギーが必要ですので、食べる量は減らしてもエネルギーそのものはたくさん摂らなくてはいけません。

夏場のワンちゃんには、少量で高カロリーの餌を選んであげて、夏バテをしないように調整しましょう。

冬場も、寒い中で自分の体温を維持するために、かなりのエネルギーが必要です。特に屋外飼育をしているワンちゃんや、外に自由に出られるようにしているニャンちゃんは、体温意地のためのたくさんのカロリー摂取をしなくてはいけません。

幸い、冬に食欲が落ちるということはあまりありませんので、通常のフードを少し多めに与えるなどして、カロリー不足にならないように気をつけてください。

ワンちゃんもニャンちゃんも、1年を通じて常に同じ食欲なわけではありません。必要なエネルギーも違ってきます。パッケージに書かれた食事量だけで判断するのではなく、消費エネルギーをきちんと見極めた上で最適な量の食事を与えるようにしてください。

推奨したいフード

満腹のサインや、足りないサインが分かっても、実際に「まだ足りない」アピールや「もう満腹」アピールをされると、多めに与えたり、少なめに与えたりしがちですよね。ここでは食べ過ぎのペットや、食べなさすぎのペットに最適なフードを紹介します。

ペットの状態を見極めて、食べる量や摂取カロリーに合わせた最適なフードを選んであげましょう。ポイントは食事の量そのものは増やさないということです。まずは標準的な量をペットフードのパッケージを参考にして決めてください。

トッピング/絹ごし豆腐

良質な大豆をつかったたんぱく質豊富なフードです。フリーズドライでできているので満腹感を得られるフードになっていますので、食いつきの良さをアップさせながらも、肥満の予防にも効果が期待できます。

小粒になっていますので、たくさん食べすぎてカロリーオーバーが不安というワンちゃんやニャンちゃんにおすすめです。

おかずレトルト/チキンオカラベジ

人気ナンバー1のおかずです。人気の理由としては、まず食べやすくそぼろ状になっているということ。歯が丈夫でないワンちゃんニャンちゃんも安心して食べることができますね。

そして、なんと言っても魅力はオカラにありますね。水分を吸ってお腹の中で膨らむので、満腹感を得ることができます。カロリーの高いものではないので、とても人気が高いです。

犬用ドライフード/プレートスリー

魚(アジ)をタンパク源に使用し、素材にこだわった全年齢犬用のプレミアムドッグフードです。総合栄養食ですので、主食としてドッグフードと水だけで、犬の健康維持や成長に必要な栄養素を摂取できます。
青魚に含まれる不飽和脂肪酸DHA&EPAを毎日の食事で効率的に摂取することができます。タンパク源が魚ですので、動物性アレルギーが気になる愛犬にもおつかいいただけますね。

猫用ドライフード/プレートキャットツー

こちらも上記の犬用ドライフード「プレートスリー」と同様、魚(アジ)をタンパク源に使用した総合栄養食となっております。成猫から老猫また肥満猫や去勢避妊猫向きです。対象年齢は6歳以上とうたっていますが、ダイエットを気にしているニャンちゃんでも積極的に使ってみてください。
ビタミン、アミノ酸の他、ミネラルをバランス良く配合しています。また、健康を考慮し、話題のオメガ3、オメガ6なども配合されており、優れた栄養バランスに仕上がっています。


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