マルチーズを飼うときの注意点、及びおすすめフード
目次
マルチーズの基本情報
原産地:マルタ島
毛の長さ: 長毛
成犬の大きさ:2.5~4kg
無駄吠え:多い
運動量:少ない
食事量:ムラがある
寿命:12~15年
価格:5~25万円
マルチーズの原産地と名前の由来
マルチーズはその名前から分かるように、地中海のマルタ島で生まれたワンちゃんです。もちろん昔からマルタ島に住んでいる犬というわけではなく、紀元前にフェニキア人がマルタ島に持ち込んだ犬が、時間をかけてマルチーズへと変わっていったとされています。
ただし、マルチーズの歴史はとても長く、3000年以上も愛玩犬として飼われているため、本当にマルタ島で生まれたワンちゃんであるかは不明です。ただし、長い歴史の中で純血を保ち続けられたのは、マルタ島という閉ざされた環境が大きく影響したことは容易に想像することができます。
ちなみにマルチーズという言葉は、ジャパニーズと同じで「マルタ人」や「マルタの」というような意味があります。柴犬をジャパニーズと呼ぶような感じがしますので、マルタ島で暮らす人にしてみれば、不思議な感覚かもしれません。
マルチーズの歴史
マルチーズの起源は、すでに紹介しましたように紀元前にあります。紀元前1500年頃にフェニキア人がマルタ島に持ち込んだ犬が元で、3000年以上の歴史があるため、犬の貴族とも呼ばれています。
犬としてはとても珍しく、狩猟犬のような労役を行う犬ではなく、最初から愛玩犬(ペット)として可愛がられてきました。当時は証人の船で飼われているペットだったため、船旅を通じて世界中に広まっていったとされています。
絹のような美しい被毛から、エジプトやイギリスの王室で愛され、フランスでは15世紀にマルチーズのブームが起こります。その後19世紀にはヨーロッパ全体でマルチーズのブームが発生し、かなりの高額な価格で取引されていました。
アメリカではマルチーズ・ライオン・ドッグとして紹介され、1888年にAKCに犬種として認定されています。日本では1968年から1984年までの16年間も、もっとも飼われたワンちゃんでした。現在では他のワンちゃんにその座を奪われましたが、それでも高い人気を保ち続けています。
マルチーズの特徴
純白で絹のような被毛。これがマルチーズ最大の特徴です。被毛は直毛で、床の届くほどの長くなりますが、日本ではサマーカットをして、短く刈り上げているワンちゃんがほとんどです。カット次第で個性を出すことができますので、飼い主にとってはマルチーズのカットは楽しみのひとつとなっています。
マルチーズは理想体重が2.5kgと言われていますが、実際にはそれよりもやや太めの3~4kgになっているワンちゃんが目立ちます。あまり運動を必要としない、本当に貴族のような優雅さを持ち合わせていますので、飼うときには肥満にならないようにしっかりとした食事管理が必要です。
体つきはとても華奢ですが、身のこなしはとても素早く、とても活き活きとしているところもマルチーズの特徴であり、人気が高い理由でもあります。
マルチーズはどんな性格?
マルチーズはとても大人しいワンちゃんです。中世ヨーロッパでは抱き犬として可愛がられてきたことからも分かるように、抱っこされても暴れるようなことはほとんどありません。とても飼い主に従順で、飼いやすいワンちゃんです。
大人しいワンちゃんですが、決して遊びをしないわけではなく、遊ぶことがとにかく大好きで、どんどんと前に向かっていく勇敢さと気の強さを兼ね備えています。しっかりとしつけを行わなければ、大型犬にも向かっていく気の強さに飼い主が困ってしまうこともあります。
この気の強さに加えて、人見知りするという性格もあります。このため、番犬としては最適なのですが、初めての人に対して吠え続けたり、子供に対して牙をむいたりもします。マルチーズを飼うに当たっては、きちんと飼い主の言うことを聞くように育てるようにしましょう。
決して、攻撃的なワンちゃんではありませんが、育て方次第では誰彼なく吠えるようなこともあり、飼い主でも手に負えなくなります。甘やかせて育てるのではなく、家庭内での序列を明確にして、上に立つ人の命令に従うようにしつけてください。
マルチーズはどれくらいまで大きくなるの?
マルチーズの理想の大きさは2.5kgで、実際には3~4kgくらいにまで成長することもあります。小型犬の中でもさらに小さい部類で、猫と同じくらいの大きさまで育つと覚えておきましょう。ただし、大きさにばらつきがあるのもマルチーズの特徴です。
兄弟のマルチーズであっても、小さな個体や大きな個体に分かれることがあります。大きすぎる場合は、肥満に気をつけなくてはいけません。反対に小さすぎる場合は、遺伝的なトラブルを抱えていないか、注意してチェックするようにしましょう。
また、小さすぎるメスのマルチーズは、子どもを産むときに難産になる可能性があります。もちろん、それにも個体差がありますので、すべての小さなマルチーズが難産になるわけではなく、そのような傾向にあるということだけ頭に入れておきましょう。
マルチーズの平均寿命
マルチーズの平均寿命は12~15歳と言われています。ワンちゃんの平均寿命が15歳くらいですので、標準的もしくはやや短めの寿命です。でもこれはあくまでも平均であって、15歳になっても元気なマルチーズも珍しくありません。
最近では食事や生活環境が良くなってきたこともあり、健康で長生きするワンちゃんが増えています。愛犬と少しでも長く一緒にいたいと思うなら、安全性の高い食事と、ストレスの少ない環境づくりを心がけましょう。
ドッグフードなんて何でもいいと思っている飼い主さんもいるようですが、ホームセンターなどで格安で売られているドッグフードと、無添加で栄養価の高いドッグフードとでは、安全性がまったく違います。いい食事を与えれば、絶対に長生きをするわけではありませんが、病気にかかりにくくなるのは人間と同じです。
また、犬はストレスが苦手です。マルチーズのほとんどは室内飼いされていると思いますが、家の中でできるだけストレスなく過ごさせてあげましょう。厳しいしつけは重要ですが、必要以上に大きな声で叱責などをしないように気をつけてください。
マルチーズの価格
マルチーズの価格は5万~25万円と、かなりの開きがあります。一般的には小さなマルチーズが好まれるため、子どもでも小さめの個体に人気が集まり、価格が上昇する傾向にあります。また、オスとメスとでは、子どもを産めるメスのほうが価格は高めです。
マルチーズを少しでも安く購入したい場合には、ブリーダーからの購入を検討しましょう。マルチーズはとても人気のあるワンちゃんですから、ブリーダーはすぐに見つかります。できるだけ複数のブリーダーに会って、相性のいいブリーダーから購入しましょう。
ただし、ブリーダーによっては、ショーに出すような血統のいいマルチーズばかりを扱っていることがあります。この場合は、25万円以上の価格になることもありますので、どのようなブリーダーなのかをきちんと調べてから、購入の相談をするようにしましょう。
また、悪質な業者の中には、病気を抱えているとわかっていて、安値でマルチーズを販売することもあります。安いにはきちんとそれなりの理由があります。値段だけで購入を決めずに、きちんと健康体であることをチェックしてから選ぶようにしましょう。
元気に育つ子犬の選び方
マルチーズを選ぶときは、価格ではなく子犬の健康状態をチェックすることが大切と説明しましたが、実際にマルチーズの子犬を見ても、どのワンちゃんを選べばいいのかわからない人も多いかと思います。そんな人のために、ここでは元気に育つ子犬の選び方を紹介します。
目をチェックする
子犬を選ぶときは、マルチーズに限らず、まずは目をチェックしてください。マルチーズの特徴は黒い瞳です。白く濁っていたり、充血していたりするような場合は、病気を抱えている可能性があります。目が黒く輝いている子犬を選びましょう。
目ヤニなどが付いて目の周りが汚れていないかも確認してください。最初は分かりにくいかと思いますので、できるだけ多くのマルチーズの目を見て比較するようにしましょう。
肛門周りをチェックする
内蔵に問題を抱えていたり、体調を崩していたりする子犬は、肛門周りが汚れがちです。ペットショップでは定期的にお手入れをしていると、肛門周りがきれいな状態であることが多いのですが、それでもよく見ると、そういうワンちゃんは汚れが目立っています。
一時的な体調不良かもしれませんので、ペットショップの店員やブリーダーに体調についての確認をして、納得できる説明を受けるようにしましょう。
歩き方をチェックする
まっすぐに歩けなかったり、歩くときにふらついていたりするマルチーズは、できるだけ避けるようにしましょう。そのようなマルチーズは骨に異常が発生している可能性があります。歩き方に問題ないかを確認し、できれば抱きかかえて、関節周りに触れて嫌がらないかを確認しましょう。
マルチーズを飼うときの注意点
とても可愛らしいマルチーズですが、飼うにあたっては繊細な一面もあり、気をつけたいポイントがいくつもあります。ここではそんな、一緒に暮らすための注意点を紹介します。
室温管理をしっかり行う
マルチーズはシングルコートですので、暑さにも寒さにも弱いという特徴があります。室温は常に20~25℃くらいに保つようにしましょう。特に日本の夏は高温多湿で、マルチーズにとって、決して良い環境とはいえません。室内だけでも快適な状態に保ちましょう。
フローリングではなくカーペットを使う
マルチーズは関節があまり強くありません。そのわりに走り回るのが好きですので、フローリングのような滑りやすい床材とはあまり相性が良くありません。すでにフローリングの場合は、カーペットを敷くなどして、滑りやすい環境を改善しましょう。
散歩の時間は短めに
マルチーズは遊ぶことも散歩も大好きですが、体は長時間の散歩に向いていません。1日の散歩は15~20分くらいまでにしておきましょう。運動不足は室内の遊びで補って、関節に負担がかからないように注意してください。
甘やかすことなくきちんとしつけする
見た目が可愛いため、ついつい甘やかせてしまうのがマルチーズです。でもその対応は、長い目で見ると愛犬のためにはなりません。飼い主との信頼関係を築く上でも、上下関係を明確にして、常に飼い主の言うことを聞くようにしつけをしてください。
ポイントは褒めること。ダメなときにきつく叱るのではなく、良かったときにしっかりと褒めてあげることで、ストレスを最小限に抑えて、しつけを行うことができます。
マルチーズがかかりやすい病気
ここまでで何度か触れてきましたが、マルチーズは関節が弱いワンちゃんです。他にも遺伝的にかかりやすい病気などがあります。早期発見早期治療によって完治することもあれば、進行を遅らせることもできます。飼い主はマルチーズがかかりやすい病気を把握しておき、普段からその症状が見られないか、チェックしておきましょう。
膝蓋骨脱臼
すでに紹介しているように、マルチーズは関節が弱く脱臼しやすいという特徴があります。膝蓋骨脱臼は膝の関節が脱臼し、歩くときに脱臼した足を引きずったり、スキップするようにして歩くようになったりします。重症の場合は手術になりますので、早めに気づいて病院に連れていきましょう。
流涙症
マルチーズがかかりやすい病気のひとつが流涙症です。涙の排出機能にトラブルが発生して、涙が溢れてしまうのが流涙症です。目の周りの毛が茶色くなってしまったら、すぐに病院に連れていきましょう。動物病院での手術や治療によって回復できる病気ですので、先送りせずにできるだけ早く対応しましょう。
低血糖症
マルチーズの子犬がかかりやすい病気のひとつが低血糖症です。急激な温度変化や食事を取れないことで、体内の糖分が不足しぐったりとしてしまいます。冬場の室温管理をしっかりとして、なおかつ空腹な時間をできるだけ作らないようにしましょう。
推奨したいフード
ワンちゃんの健康のためにどのようなものを与えればいいのか分かっても、具体的にどのフードを選んでいいのか悩んでしまう人もいるかと思います。そういう飼い主さんのために、ここでは当店で取り扱っている、おすすめのフードをいくつかご紹介します。
当店最高級の犬用ドライフード/全年齢犬用プレートスリー
当店であつかているドライフードの中で最高級のフードです。プレートワン、プレートツーにさらにプラスの栄養素としてグルコサミンとコンドロイチンを含んでいます。
グルコサミンとコンドロイチンの効果
- 体内の水分量のコントロール
- 細胞を出入りする物質の調節
- 骨の形成を助ける
- 傷をすみやかに治す
- 細菌の感染を防ぐ
- 関節組織の円滑化
- 血中脂質の改善
- 血液凝固の抑制
- 血管新生の調節
- 目の透明度を維持する
グルコサミンとコンドロイチンには上記のような効果があると一般的に言われています。
レトルト/ササミブロック
ヒューマングレードで作られたフードです。私達人間でも普通に食べることができます。ボクサーやランナーも愛用している、脂質の少ない部位を多く使ったササミです。脂質を抑えることでダイエット効果を期待できます。鶏肉のササミをそのままブロック状にしておりますので大きくて食べられない時は、少し具を割いて与えてあげてください。
レトルト/チキンオカラベジ
高品質で厳選された国産鶏肉を使っており、良質なたんぱく質を多く含んでおります。また、にんじん・グリーンピースといったビタミン豊富な野菜がたっくさん入ったレトルトが、チキンオカラベジです。
「食べやすさ」を追求し、そぼろ状に調理しています。このため、食欲がなかったり、歯が丈夫でなかったりするワンちゃんニャンちゃんでも、これ1つで心配いらずです。
まとめ
マルチーズは世界で最も愛玩犬としての歴史を持つワンちゃんです。その歴史は3000年以上あると言われ、今でも世界中で人気の高い犬種のひとつです。最近は日本で飼われている頭数が減りましたが、人気No.1だったこともあります。
真っ白な被毛と、黒い瞳と鼻が特徴的なワンちゃんで、体つきはとても華奢で小柄です。さらに、関節にトラブルを抱えやすいため、長時間の散歩などには向いていません。それでも遊び好きですので、健康に育てるには安全に遊び回れる住環境の整備が必要です。
飼い主にとても従順なワンちゃんですが、飼い主以外に対しては人見知りをして、吠えたり噛み付いたりすることもあります。きちんとしつけを行って、飼い主との信頼関係を築くようにしましょう。そうすることで、吠え癖を解決することが可能です。
とても小さなワンちゃんですので、遺伝的な病気を抱えやすいという特徴もあります。特に脱臼しやすく、子犬のうちには低血糖症になることもあります。早期発見早期治療で、改善したり進行を遅らせたりできますので、毎日の体調の変化に気を使ってあげましょう。
飼い主のことをとても大切にしてくれるワンちゃんです。飼い主もしっかりと愛情を注いで、お互いにストレスの少ない生活を送りましょう。ただし、甘やかすのではなく、厳しくするところはきちんと厳しくして、良好な関係を築きましょう。