日本スピッツ

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日本スピッツの基本情報

原産地:日本
毛の長さ: 長毛
成犬の大きさ:9~11kg
無駄吠え:少ない
運動量:活発
食事量:旺盛
寿命:10~16年
価格:15万~25万円

日本スピッツの原産地と名前の由来

日本スピッツはその名前から分かるように、日本を原産国とするワンちゃんです。ただし、その由来ははっきりとしていません。シベリア大陸からやってきたジャーマン・スピッツがその始まりだとする説が有力ですが、品種改良も頻繁に行われていたため、いまとなっては正確なことはわかりません

スピッツという名前は、ドイツ語の「鋭利な」という意味からきているという説とロシア語の「火」からきているという説があります。前者は口先がとんがっていることから命名されたとされ、後者は火がついたようによく吠えることから命名されたと言われています。

日本スピッツは狼に近い形質があるため「原始的な犬」として分類されています。ちなみに日本の在来犬はすべてスピッツの系統とされています。真っ白な日本スピッツから柴犬や秋田犬をイメージするのは難しいかもしれませんが、顔つきだけを見てみると紛れもなく同じ系統のワンちゃんであることがわかります。

日本スピッツの歴史

日本スピッツは1930年頃には日本で繁殖が始まっています。ところが、2つの大戦によって犬を飼う余裕がなくなったことから、大幅に数が減ってしまいました。それでも愛好家によってなんとか繁殖が続けられ、日の目を見たのが高度経済成長期でした。

昭和30年代になると日本でスピッツブームが巻き起こります。最盛期には日本で登録されたワンちゃんの4割がスピッツだったこともあります。ところが、あまりにも増えすぎたことと、きちんとした躾がなされなかったことで「スピッツは無駄吠えが多い」というイメージが定着してしまいました。

そのことにより、徐々にその地位をポメラニアンやマルチーズに奪われます。人気が最も低下した時で登録数が1000頭くらいにまで減っています。ところが品種改良によって、無駄吠えのしないおとなしいスピッツが増えてきたことで、再び人気を取り戻しつつあります。

日本スピッツの特徴

日本スピッツの特徴は、とんがったマズルと白い毛にあります。真っ白な被毛ですので、お手入れが大変かと思いきや、被毛がサラサラしていますので他のワンちゃんよりも汚れにくく、いつもきれいな状態を保つことができますまた長毛でも絡まりにくいという特徴もあります。

ただし、抜け毛はかなり多めです。換毛期には驚くほど毛が抜けますので、しっかりとしたブラッシングが必要です。

真っ黒な目と、とんがったマズルの先にある黒い鼻。被毛が白いということもあって、その2つが特に強調されて見えます。いつも笑っているような表情の虜になって、飼い始める人も少なくありません。「天使のような犬」と表現されることもある可愛らしさが特徴のワンちゃんです。

日本スピッツはどんな性格?

スピッツは天真爛漫で好奇心の強いワンちゃんです。また警戒心がとても高いため、しつけをきちんと行わないと無駄吠えが多くなってしまいます。ただし、飼い主にはとても従順ですので、飼育環境を整えてあげるだけで、無駄吠えを減らすことも可能です。

そもそも無駄吠えをしないように品種改良もされていますので、甘やかし過ぎないかぎり、必要以上に吠えることはありません。

活発でとても遊びが大好きという性格もあるため、子どもや他のワンちゃんとも仲良くなりやすい傾向にあります。活発なワンちゃんですので、朝晩の散歩は必須です。朝は30分、夕方には1時間の散歩をしてあげましょう。

日本スピッツはどれくらいまで大きくなるの?

日本スピッツはメスがオスよりもやや小さいのですが、平均的な重さは5~11kgくらいになります。ただし大きなスピッツもいるため、体重が10kgを超えるようなこともあります。大きさのバラツキが体重のバラツキに影響しています。

分類としても、小型犬として紹介される場合と、中型犬として紹介されるケースがあります。大きさに幅があるということだけ覚えておきましょう。

大きさにバラツキがあるということは、適正な食事の量がそれぞれ違うということです。大きさに合った適正な量の餌を与えて、肥満になりすぎないように注意してください。適正な体重がわからないという場合は、獣医さんに相談してみましょう。

日本スピッツの平均寿命

日本スピッツの寿命は10~16年と言われています。以前は屋外で飼われていたことが多かったため、寿命があまり長くなかったのですが、室内飼いが定着してきたことで、平均寿命がずいぶんと伸びています。

ワンちゃんの寿命は生活環境によって大きく変わります。ストレスが少ない環境で育てば、それだけ寿命が伸びやすくなります。反対にストレスが多いと、平均寿命よりも短い年月でお別れをしなくてはいけなくなります。できるだけ安心して暮らせる環境を与えてあげましょう。

また、食事も日本スピッツの寿命に関係します。長生きをしてもらいたいのであれば、安全性の高いドッグフードを与えましょう。値段は高めですが、無添加・無着色のドッグフードが理想です。格安で売られているドッグフードには様々な添加物が含まれていますので、健康を考えたときには避けるようにしましょう。

日本スピッツの価格

日本スピッツをペットショップで購入するときの価格は、15万~25万円が相場です。平均は17万円くらいですので、予算としては20万円用意しておけば確実です。相場よりも極端に安い価格で売られている日本スピッツは、なんらかの問題を抱えている可能性があります。あまりやすさにこだわりすぎないで、相場に近い値段の個体を選びましょう。

少しでも安く購入したいのであれば、ブリーダーから直接購入してください。仲介にペットショップが入りませんので、相場よりも安い価格で購入できます。ただし、ショーに出るような血統のいい日本スピッツの場合は、25万円以上することもあります。どのような犬を育てているブリーダーさんなのか、きちんと調べてから訪問しましょう。

元気に育つ子犬の選び方

ペットとの出会いは運命のようなものですので、直感で選ぶというのもひとつの方法です。ただし、直感を信じて選んだ結果、そのワンちゃんが病気がちだったということが起こります。きちんとした選び方を理解していれば回避できるリスクもあります。

できるだけ長い時間を一緒に過ごしたいなら、やはり選ぶときに健康体の個体を選びたいところですよね。ここではそんな日本スピッツが健康かどうかを見分ける方法について紹介します。

目をチェックする

日本スピッツに限らずワンちゃんの健康を確認するために、最初にチェックするのが目です。目が白く濁っていたり、目が充血していたりすると、体のどこかにトラブルを抱えている可能性があります。目やにが多いようなワンちゃんも避けておきましょう。

目が黒くて輝いている個体を選ぶようにしてください。健康なワンちゃんほど目がキラキラと輝いています。

まっすぐ歩いている

ペットショップでも時々歩き方の悪い日本スピッツがいます。まっすぐに歩けなかったり、足を引きずるようにしながら歩いていたりする場合は要注意です。後ほど詳しく説明しますが、関節しやすいワンちゃんですので、歩き方に違和感があれば、その個体は避けておいたほうが無難です。

体つきがしっかりとしている

日本スピッツは可愛らしさの反面、実はしっかりとした筋肉を持ったワンちゃんです。ペットショップやブリーダーさんのところでは、必ず抱っこさせてもらいましょう。健康体なら、思ったよりも重さを感じることができるはずです。抱きかかえて、体つきががっしりとしている子犬を選んでください。

肛門周りをチェックする

体調がよくないワンちゃんは下痢をしますので、肛門周りが汚れやすくなっています。このため、ペットショップでもブリーダーさんのところでも、必ず肛門まわりがきれいになっていることを確認してください。

もし汚れているようでしたら、一時的なものなのか、それとも生まれつき弱いのかを聞いてみましょう。正直に答えてくれないかもしれませんが、選ぶときの目安にはなります。

日本スピッツを飼うときの注意点

日本スピッツは日本で繁殖してきたワンちゃんですので、私たちの生活スタイルにマッチしやすいという特徴があります。それでも気をつけなくてはいけないポイントがいくつかありますので、ここではその注意点を紹介します。

しつけをしっかり行う

甘やかせて育ったスピッツは、無駄吠えをしたり、自己中心的に育ったりします。品種改良でだいぶ改善されたとはいえ、野性的な部分が多く残っているワンちゃんには違いありません。小さなうちに主従関係をはっきりとさせて、厳しくしつけを行ってください。

換毛期にはブラッシングを行う

すでに紹介しましたように、日本スピッツはとても抜け毛が多いワンちゃんです。特に換毛期には部屋のあちこちに抜け毛が落ちてしまいます。ブラッシングをしっかり行うことと、部屋の掃除もこまめに行ないましょう。掃除をする時間がないという人は、ロボット掃除機の導入をおすすめします。

スキンシップの時間を確保する

日本スピッツは遊ぶことが大好きで、飼い主にかまってもらうことで安心するワンちゃんです。あまりスキンシップの時間が少ないと、徐々にストレスがたまってしまい、不安定な正確になることもあります。いつでも一緒にいられるように室内飼いにして、いつでも触れ合える状態で育ててください。

日本スピッツがかかりやすい病気

日本スピッツは比較的体が丈夫で、病気になりにくいワンちゃんとされていますが、それでもいくつかかかりやすい病気があります。早期発見早期治療で症状を悪化させることなく、健康体に戻れる病気もありますので、どのような病気にかかりやすいのかだけでも覚えておきましょう。

膝蓋骨脱臼

膝のお皿と呼ばれる膝蓋骨が、太ももの骨から外れてしまう病気です。小型犬に比較的よく見られる病気で、痛みをともなうため発症すると足を引きずって歩くようになります。予防方法はフローリングの床にマットやじゅうたんを敷くことです。

日本スピッツは滑りやすい床面で転ぶことで、脱臼してしまうことがよくあります。ワンちゃんの生活スペースでは床を滑りにくくしてあげましょう。また、室内での過度な運動も避けてください。楽しくなりすぎてテンションが上がった結果、転んで脱臼ということもあります。

公園のような柔らかい路面で運動をさせて、しっかりと筋肉をつけることも予防につながります。それでも脱臼したときは、無理に自分で治そうとせずに、まずは主治医に診てもらいましょう。

流涙症

流涙症は、涙が目から溢れてしまう病気です。目の周りが茶色く変色したり、細菌によって皮膚が炎症をおこすこともあります。目にまつ毛や被毛などが入ったり、涙の排出口が詰まったりすることで発生します。

予防としては目の周りの被毛をカットすることですが、結膜炎や角膜炎などが原因になっている可能性もあります。涙やけをしているのがわかったら、病院でその原因を調べてもらいましょう。原因がわかれば、それを取り除く形で治療を行いましょう。

皮膚炎

日本スピッツは肌が敏感で、食物アレルギーなどで皮膚炎を起こすことがあります。皮膚炎が発生すると痒い箇所をしきりに舐めたりしますので、皮膚の状態をチェックしてあげましょう。炎症を起こしているようでしたら、その原因を病院で調べてもらいましょう。

皮膚炎を起こさせないためには、部屋の中の湿度を60%くらいに保ち、月に1~2回はシャンプーをしてあげましょう。ノミやダニが原因となっていることもありますので、その場合は室内をこまめに掃除して、ノミやダニをできるかぎり取り除いてください。

まとめ

日本育ちで日本の気候にも適している日本スピッツですが、無駄吠えが多い犬というイメージがていちゃくしているため、以前ほどの人気はありません。それでも高度経済成長期には登録数の4割が日本スピッツだった時代もあり、いまでも根強いファンがたくさんいるワンちゃんです。

品種改良を行った結果、いまではおとなしくて飼いやすいスピッツが増えています。日本犬らしく、飼い主に従順な性格をしていますが、しつけをきちんと行わないと、手に負えないワンちゃんに育ってしまうこともあります。子犬のうちにしっかりとスキンシップの時間を確保して、信頼関係を築いた上でしつけを行ってください。

比較的体が丈夫な犬種ですが、環境によってはストレスを感じてしまうことで寿命を短くすることもあります。基本的には室内飼いで育ててあげましょう。また、病気にも強いという特徴がありますが、脱臼をしやすいワンちゃんですので、室内のフローリングにはマットやじゅうたんを敷いて、床を滑りにくくしてください。

飼い主がきちんとした環境を整えてあげれば、日本スピッツはとても育てやすいワンちゃんです。もしペットショップで一目惚れしたなら、健康状態をチェックしたうえで、家族の一員として迎えてあげましょう。