関節炎のホームケア

犬や猫が歳をとってくると気になるのが関節炎ですよね。関節炎は人間だけでなく、高齢化したワンちゃんやニャンちゃんにも発生する体のトラブルのひとつです。関節炎の原因は様々ですが、痛みがともないますので、散歩に行ったり遊んだりするのが嫌になってしまいます。

そうすると体はどんどん衰えてしまい、そのまま寝たきりになってしまう可能性もあります。そうならずに、最後まで自分の足で歩けるようにするにはどうすればいいのかについて、ここでは詳しくご紹介します。

関節炎の原因

関節炎の原因については、骨や関節がもともと変形しているといった先天性なものと、激しい運動や老化、肥満などによる後天性のものもあります。後天性の関節炎の原因は2種類に分類できます。

原発性(1次性)
加齢や老化などが原因の関節炎

続発性(2次性)
過度な運動や、他の病気によって引き起こされる関節炎。股関節形成異常や膝蓋骨脱臼などの病気によって関節炎が発症することがあります。

上記のような原因は、次のステップとして関節や軟骨の変形に繋がります。その結果として、関節機能が低下し、慢性的な痛みとなって、ワンちゃんやニャンちゃんの体を傷めつけます。加齢や老化で関節炎になるのは仕方のないことですが、大事なのはどの段階で関節炎に気づいてあげられるかということです。

関節炎になると、肘や肩、そして膝などに痛みが発生します。関節炎は進行性の病気ですので、一度かかってしますと、完治することはまずありません。このため、発症してからの対処だけでなく、予防などもとても重要だと言われています。

関節炎の症状

関節炎を少しでも進行させないためには、早期発見がとても重要です。飼い主さんができるだけ早く異常に気づくことができれば、取り返しのつかない状態になる前に、回復させることもできます。このため、関節炎になるとどのような症状が見られるのか知っておく必要があります。

関節炎の症状としては下記のような状態が見られます。

  • 外傷がないのに歩き方がおかしい
  • 左右のバランスが変だったり、足をひきずったりして歩く
  • 散歩などの運動を嫌がる
  • 体を触られるのを嫌がる
  • ソファに飛び上がれなくなる
  • 階段を登りたがらない
  • ゆっくりと立ち上がる

犬の場合は10歳以上になると、約半数が関節にトラブルを抱えているというデータがあります。さらにそのうちの半数が、別の病気で病院に行って初めて気づくそうです。飼い主さんの半分が気づかないというのは、よく注意していないとその異変にとても気づきにくいということです。

単純に老化だと判断して、特に気にしていない飼い主さんも大勢います。それでも正しい治療や予防をすることで、高齢になっても歩き回っているワンちゃんやニャンちゃんも珍しくありません。動きがおかしいなと思ったら年齢のせいにせず、まずは主治医にチェックしてもらいましょう。

関節炎は「うちの子は丈夫だから関係ない」というものではありません。丈夫な犬猫でも関節に炎症を起こすことがありますので注意してください。

関節炎のケア【治療編】

関節炎になった場合、動物病院での診察・治療が必須となります。治療による効果が出ない場合は手術になることになりますが、基本的には投薬等による運動制限で様子を見ることになります。ただ運動制限は症状を抑えるという意味では有効なのですが、かえって脚力が弱くなり発症しやすくなる場合もあります。

手術による治療

関節炎が悪化すると手術をする以外に完治させる方法はありません。この場合、人工関節を使うなど大掛かりな手術になることもあります。老化による関節炎の場合には、手術に耐えられる体力がないケースも考えられ、手術すれば良くなると分かっていても、そのままにしておくこともあります。

痛みを緩和させる治療

関節炎の状態がそれほどひどくないのであれば、痛みを緩和させつつ、関節炎の原因を取り除く治療を行います。例えば肥満が原因だった場合には、関節に負荷のかかりにくい水泳を行ったり、筋トレを行うなどして、減量と関節周りの筋力を強化させます。

痛みがひどくて、運動どころではない場合には、まずは鎮痛剤を使って炎症を抑えて、運動制限をして安静にしておくこともあります。

基礎疾患の治療

もし関節炎の原因が股関節形成不全、膝蓋骨脱臼、リウマチ性関節炎などの他の病気にあるのなら、痛みを緩和させつつそれらの病気の治療を行います。病気の種類によって治療方法が違いますので、お医者さんと相談しながら治療方針を決めてください。

家で行えるケア

家で行えるケアは3つのアプローチ方法があります。

  • 適度な運動を行う
  • 食事管理を行う
  • 関節に負担の掛からない環境を整える

基本的な考えとしては、ダイエットをさせて関節の負荷を減らします。痛みがひどいときは安静にしなくてはいけませんが、ある程度動けるようになったら、散歩をしたり遊んだりしてください。ただし、激しい動きにならないように気をつけてください。

食べ物に関しては後ほど詳しく説明しますが、低カロリー高タンパクなものを選びます。脂肪は減らしつつも筋力を付けることで、基礎代謝を上げ、筋肉で関節を守ります。

さらに、家の床がフローリングである場合には、出来る限りマットを敷くようにしてください。そもそも関節炎になる原因のひとつとして、フローリングの床の影響も考えられます。滑りにくい床材にして、日常生活の中で関節に負荷がかからないようにしてあげましょう。

また、患部を温めることも重要です。気になるところに毛布をかけたり、マッサージをして血行を良くしてあげてください。それだけでも病状の改善が見られます。

関節炎のケア【予防編】

関節炎は、発症したときのケアも重要ですが、それよりも発症させないことが一番大切です。基本的にどんな犬や猫でも関節炎になる可能性があります。「うちは大丈夫」ということは絶対にありませんので、まだ発症していないという場合は、今から予防ケアを始めましょう。

定期検診を受ける

人間でもペットでも、健康状態を確認するには定期検診が重要です。特に関節炎になりやすいタイプの犬種を飼う場合は、毎年関節に問題がないか、きちんと調べてもらいましょう。そのときに、適正体重を確認して、それを超えないように食事管理することも大切です。

理想は毎日体のチェックをしてあげることですが、ゆっくりと進行していく場合、その変化に気づかないこともあります。少なくとも年に1回は定期検診を受けて、関節炎になっていないかのチェックをしてもらいましょう。

安全性の高いフードを適量与える

予防ケアで大事なのは「太らせないこと」です。肥満が最も、関節に負荷をかけてしまいます。そう考えると、重要なのは何をどれくらい食べさせるかということです。どれくらい食べさせるべきかについては、獣医さんと相談して決めましょう。

何を食べさせるかは、飼い主さんが決めなくてはいけません。細かい説明は後ほど行いますが、まず気にしたいのは安全性の高いフードを選ぶということです。肥満にならないようにするには、添加物が含まれていないフードが理想です。

また、人間が食べているものを与えるのは絶対にやめてください。どれだけ欲しがっても、ワンちゃんやニャンちゃんにとっては毒でしかありません。人間の食べ物はカロリーも塩分も高めですので、必ず専用のフードを与えるようにしましょう。

散歩はOK激しい運動はNG

基本的には散歩は毎日してあげましょう。運動をしないと肥満になり、関節に負荷がかかってしまいます。一番改善に大切なことは筋力の定着を心がけることです。日ごろの散歩で筋力を鍛えておかなければどんどん動けなくなってしまいます。

反対に激しい運動はNGです。マラソンをしている人たちの多くが、いつも「膝が痛い」と言っていますが、関節は使えば使いほど消耗します。たまにはドッグランなどで思いっきり走らせてあげたいと思うかもしれませんが、それは大型犬や狩猟犬のように走り回るのが得意なワンちゃんだけにしましょう。

関節炎を食事でケアをするときのポイント

関節を鍛えるためにカルシウムを多く摂取すればいいんでしょ!といった発想になりがちなのですが関節炎のケアはそんなに簡単ではありません。もちろんカルシウムも重要ですが、それだけではなく良質なたんぱく質や、コンドロイチン、グルコサミンなども効果的に活用できます。

関節炎の予防やケアをするために、どのようなフードを選べばいいのか、そしてどのような点に注意すればいいのかご紹介します。

発症したら抗炎症作用のある食材を選ぶ

関節炎が発症したときにまず行うべきことは、炎症を抑えて痛みを小さくすることです。そのために薬を使うという方法もありますが、薬には副作用があります。副作用が嫌だという場合には、抗炎症作用の高い食べ物をドライフードと一緒に与えましょう。

  • セロリ
  • 生姜
  • パパイヤ
  • いちじく
  • 油脂類

このような食材に抗炎症作用があると言われています。ドライフードは栄養バランスが取れていますが、それだけでは炎症を抑えることができません。プラスアルファの効果を期待できるこれらのフードを上手に活用しましょう。

関節の修復に効果のある成分を選ぶ

炎症を抑えたら、次に行うのが関節を修復するための成分を与えましょう。完全に回復することは難しいのですが、少なくとも進行を遅らせることができます。関節の修復に効果がある成分は下記のようなものが挙げられます。

  • オメガ-3脂肪酸
  • L-カルニチン
  • グルコサミン
  • コンドロイチン

人間の膝痛に効くサプリメントの成分とほぼ同じです。犬や猫と私たち人間は同じ哺乳類ですので、体を作るための成分はそれほど大きな違いはありません。上記のような成分が多く含まれている食材を選んで与えましょう。食事で与えるのが難しい場合は、サプリメントで与えてもかまいません。

抗酸化物質を与える

身体の老化は、体内に活性酸素が溜まることによって起こると言われています。これを防ぐための物質を抗酸化物質と呼びます。抗酸化物質は鮭やいくら、濃い色をした野菜などに多く含まれています。これらを食べて老化から回復するのではなく、抗酸化物質を体内に貯蓄しておくことで、酸化ストレスから体を守ってくれます。

こちらもサプリメントなどがありますので、食事で与えるのが難しい場合には、サプリメントを活用してください。

推奨したいフード

関節炎のケアのためにどのようなものを与えればいいのか分かっても、具体的にどのフードを選んでいいのか悩んでしまう人もいるかと思います。そういう飼い主さんのために、ここでは当店で取り扱っている、関節炎ケアにおすすめのフードをご紹介します。

当店最高級の犬用ドライフード/全年齢犬用プレートスリー

当店であつかているドライフードの中で最高級のフードです。プレートワン、プレートツーにさらにプラスの栄養素としてグルコサミンとコンドロイチンを含んでいます。

グルコサミンとコンドロイチンの効果

  1. 体内の水分量のコントロール
  2. 細胞を出入りする物質の調節
  3. 骨の形成を助ける
  4. 傷をすみやかに治す
  5. 細菌の感染を防ぐ
  6. 関節組織の円滑化
  7. 血中脂質の改善
  8. 血液凝固の抑制
  9. 血管新生の調節
  10. 目の透明度を維持する

グルコサミンとコンドロイチンには上記のような効果があり、関節系で悩んでいるワンちゃんには特にお勧めできます。

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缶詰/ササミブロック

ボクサーやランナーも愛用している、脂質の少ない部位を多く使ったササミです。脂質を抑えることでダイエット効果を期待できます。鶏肉のササミをそのままブロック状にしておりますので大きくて食べられない時は、少し具を割いて与えてあげてください。

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レトルト/チキンオカラベジ

高品質で厳選された国産鶏肉を使っており、良質なたんぱく質を多く含んでおります。また、にんじん・グリーンピースといったビタミン豊富な野菜がたっくさん入ったレトルトが、チキンオカラベジです。

「食べやすさ」を追求し、そぼろ状に調理しています。このため、食欲がなかったり、歯が丈夫でなかったりするワンちゃんニャンちゃんでも、これ1つで心配いらずです。

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長生きお試しセット/関節強化パック

関節が弱ってきていて気になる、骨を強化していきたい、そう考えている飼い主さんにお勧めのセットが「関節強化パック」です。

アジを丸ごと使ってつくられたドライフードのほかに、おかず缶詰のテールブロック、チキンミール、フィッシュベジミール、ビーフコラーゲンミール、レトルトのササミチーズ、チキンミルクリゾットといった嗜好性の高いカルシウム満点のおかずが多く含まれています。

長生きお試しセット/関節強化パック(犬用)はこちら
長生きお試しセット/関節強化パック(猫用)はこちら


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