埋めるのはOK?NG?犬や猫を土葬するときに知っておくべき基礎知識

最近はワンちゃんやニャンちゃんも火葬するケースが増えていますが、できれば土葬して土に還したいという飼い主さんもいますよね。でも、土葬をしても法的に問題ないのかどうか心配ですし、うまく埋められるかも不安かと思います。

ここではそんな飼い主さんのために、犬や猫などのペットを土葬したいと思ったときに、知っておくべき基礎知識いついてご紹介します。

犬や猫は土葬してもいい?

まずは土葬をしてもいいのかどうかについて説明しましょう。結論から言えば「土葬をしても問題ない」ということになります。ただし、どこにでも埋めていいといわけではありません。土葬をするときには一定のルールに従って行う必要があります。

どのようなルールがあるのか見ていきましょう。

勝手に埋めるのは法律違反

犬や猫が死んでしまったら、法律上それは廃棄物として扱われます。大切な家族がそのような扱いになるのは納得がいかないかもしれませんが、土葬をするのであれば、そのことは必ず頭に入れておきましょう。

廃棄物を無断で捨てた場合、不法投棄として5年以下の懲役または1000万円の罰金が課せられます。このため、犬や猫の死体を公園や山などに埋めた場合には、日本の法律では不法投棄とみなされて罰せられます。捨てたのではなく埋めたのだと主張しても、残念ながらそれは通りません。

埋めていい場所は私有地のみ

公園や山に埋めていけないなら、土葬はできないじゃないかと思うかもしれませんが、ひとつだけ土葬が認められている場所があります。それは個人が所有権を持っている私有地です。例えば自分の家の庭はこれに該当します。ペットを土葬するための霊園でも大丈夫です。

ただし、自分の家の庭であっても賃貸物件の場合はNGです。将来的に売却を考えている場合もおすすめできません。新しい所有者が庭を掘り起こして、死体が出てきたら間違いなくクレームを付けられてしまいますし、何よりも愛犬や愛猫を放置していくことになります。

土葬するのは、原則として手放す予定のない自分の私有地か、土葬をしているペット霊園のどちらかだけだと考えてください。自分の土地もなく、ペット霊園にも埋葬したくないのであれば、選択肢は火葬しかありません。火葬に関して別記事がありますので、そちらをご参照ください。

別記事:どれくらい必要?ペットの葬儀にかかる費用相場

ペットを土葬する方法

 

それではペットを土葬する方法を具体的に説明します。基本的には穴を掘って埋めるだけなのですが、このときに気をつけなくてはいけないポイントがあります。どのような点に気をつければいいのか見ていきましょう。

1mの深さの穴を掘る

まずは、ペットの体がきちんとおさまるサイズの穴を掘りましょう。このとき、穴の深さは1mくらいまで掘ってください。浅い場合には死体の匂いが漏れてしまい、野良猫やカラスなどが掘り返してしまいます。匂いが漏れないようにするには、1mくらいの深さが必要ですので、面倒でもしっかりと掘っておきましょう。

ペットを天然素材の布でくるんであげる

死体はそのまま土に埋めるのがいちばんですが、抵抗があるという場合には布でくるんであげましょう。ただし、布も自然に還る素材でなくてはいけませんので、綿や麻などの天然素材で作られた布で優しく包んであげましょう。ときどきビニール袋に入れて埋める人もいますが、これは土に還りにくくなるのでやめておきましょう。

死体の周りに石灰を撒く

死体の周りには石灰を撒いておくと、分解が進んで土に還るスピードが早くなります。さらに殺菌効果もありますので、匂いが出にくいというメリットがあります。ホームセンターなどで購入できますので、土葬するときには用意しておきましょう。

土は残さず元に戻す

埋葬した上から掘った土をかけていくと、必ず土が余ってしまいます。これは気にせずに山になるようにそのまま上に高く盛るようにしてください。土の自重や雨によってゆっくりと埋めた部分が凹んでいきますので、少し盛り上がっているくらいがちょうどです。

土葬するときに注意すべきポイント

 

ここまでの説明で、どうやって土葬をすればいいのか理解できたかと思います。基本的には正しい方法で土葬をすれば何も問題はありませんが、いくつか頭に入れておいてもらいたいポイントがありますので、お伝えしておきます。

犬や猫が完全に土に還るまで30~50年かかる

犬や猫を土葬した場合、1~2年で土に還ると思われているようですが、白骨化するだけでも7~8年くらいの長い時間がかかります。このため、布に包んだ死体を数年後に掘り起こしたら、まったく変化がなかったということがよくあります。

土に還るスピードは埋めた土地に、どれくらいの微生物がいるのかによって変わります。例えばプランター葬された鳥などは、分解がほとんど進まないため、何年経っても姿が変わらずミイラ化することもあります。

さらに、骨まで土に還そうとなると、50年近い年月が必要になることもあります。これだけ時間がかかるため、手放す予定のある土地には土葬は適していません。土葬をするときには、そのことをきちんと頭に入れておきましょう。

お気に入りのものでも一緒に埋めない

土に埋めるときに、お気に入りだったタオルやおもちゃを一緒に埋めてあげたくなるかもしれませんが、これはやめておきましょう。天然素材でないものは、いつまで経ってもそこに残ってしまいます。もしタオルが天然素材のものなら、そのタオルで包んであげるくらいにしましょう。

大好きだったドッグフードやキャットフードも、一緒に入れるなら少量にしてください。大量に入れると、それらが腐敗して悪臭の原因となります。

また、土に還すわけですから棺には入れないようにしてください。棺によって守られてしまいますので、体はいつまで経っても分解されません。そのまま土に埋めるのは心苦しいかもしれませんが、ペットのことを考えて直接埋めるようにしましょう。

火葬してから土に還すという選択肢

 

ワンちゃんやニャンちゃんの土葬、思ったよりも大変ですよね。土に還るにしてもとても長い年月がかかり、もし土地を手放さなくてはいけなくなったとき、掘り起こすべきか迷ってしまいますよね。ですので、火葬に抵抗がないのであれば、火葬してから土に還すということも検討してみましょう。

火葬した場合には腐敗することもありませんので、他の動物に掘り起こされる危険がありません。骨が大きな大型犬の場合には粉骨し、小さくしてから埋葬してあげれば、掘る穴の大きさもそれほど大きくせずに済みます。

火葬する手間と費用がかかりますが、おすすめしたい埋葬方法のひとつですので、庭などの自分の敷地内に埋めたいという人は検討してみてください。

まとめ

犬や猫の葬儀方法として火葬するケースが増えてきましたが、土葬が禁止されているわけではありません。亡くなってからも身近に感じたいというのであれば、自分の敷地内に穴を掘って埋葬することが可能です。ただし、埋葬してから土に還るまでに長い時間がかかります。

その間に土地を手放さなくてはならなくなったとき、掘り起こすべきなのか悩むことになります。その他にも野生動物に掘り返されるなどのリスクもあり、かなり大きくて深い穴を掘らなくてはいけません。そのような手間も考えて、土葬にするべきか火葬にするべきかを検討しましょう。


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