正しいキャットフードの選び方と猫の餌の基礎知識

猫と一緒に暮らすためにはキャットフードや猫の餌についての知識を持っておく必要があります。どんなキャットフードをいつ使うべきか、そして猫が食べてはいけないものは何かということを頭に入れておくことで、猫の健康を守ることも出来ます。

ここでは正しいキャットフードの選び方と、猫を守るための猫の餌の基本的な考え方について紹介します。

猫の餌・キャットフードの正しい選び方

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猫を飼うときに避けては通れない猫の餌、キャットフード選びですが、ほとんどの人がペットショップに行ってどれを選んでいいのかまったく分からずに、テレビCMで見たことのあるペットフードを選んでいませんか?

もちろんそれでもいいのですが、できることならその年齢や好みによって様々なキャットフードを使いわけたいところです。ここでは猫の餌であるキャットフードの選び方について解説しますので、キャットフード選びで悩んでいる人は参考にしてください。

キャットフードには3種類ある

キャットフードには「ドライタイプ」「セミモイストタイプ」「ウェットタイプ」の3種類があります。それぞれの違いは水分の含有量にあり、ドライタイプは水分をほとんど含まず、ウェットタイプは水分が多めの餌になります。

ドライタイプ
「カリカリ」と呼ばれ、よく使われているキャットフードがドライタイプのキャットフードになります。ドライタイプのキャットフードは水分含有量が10%以下で、長期保存が可能ですが、一度開封してしまうとすぐにシケってしまいますので、密封した保存容器などにしまっておく必要があります。

セミモイストタイプ
水分含有量が25〜30%のキャットフードで「半生」と呼ばれています。セミモイストタイプのキャットフードを好む猫もいますが、様々な添加物を加えていることもあるため、購入時にはしっかりと内容物の表示を見て、安全なものを選ぶようにする必要があります。

ウェットタイプ
ウェットタイプの水分含有量は75%以上あり、肉の食感も残っているため、猫が最も喜んで食べるタイプのキャットフードになります。その分価格が高めですので、特別なときにあげたり、食欲がないときなどにドライタイプに混ぜたりして食べさせてあげることが多くなります。

猫のキャットフードはライフステージで選ぶ

猫の餌の選び方はそれほど複雑ではありません。子猫と成猫、そして老猫で餌を使い分けるだけです。子猫は成長のために高タンパクで高カロリーの餌が適していて、あまり動き回らない老猫は高タンパクで低カロリーの餌が適しています。

キャットフードの種類は、基本的にドライタイプのキャットフードで問題ありません。注意したいのはその安全性にあります。

低価格のキャットフードの中には穀物を第一原料に使用しているものがありますが、猫の内臓はは穀物を消化するためにはできていませんので、体によくないケースもあります。できるだけ肉を主成分としたキャットフードを選ぶようにしましょう。

老猫に適切な餌の量と食べない時の対処法

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人間は年を取ってくると脂っこいものを食べなくなったり、食事そのものの量が減るようになりますが、猫も同じように食べる餌の嗜好が変わり、食べる量も少なくなります。それでは老猫にはどれくらいの餌の量が適正なのでしょうか。

ここでは老猫にはに適切な餌の量と、あまりにも餌を食べなくなったときの対処法を紹介します

食事量が減ってきたら餌の回数を増やす

猫が老年になり、食事を残すようになったらまず、食事の回数を増やしてみましょう。初期段階では単純に一度に食べられる量が減っているだけかもしれません。1日2回の餌だった場合は、3回か4回に分けるようにしてみましょう。

もちろん餌の総量は変えないようにしましょう。老猫で気をつけなくてはいけないのは肥満です。あくまでも今までと同じ量食べ、体重が増えないことを前提にしてください。

また、猫が15歳以上になったら食事は食べたいときに食べるというように切り替えてあげましょう。食べたいときに食べられるようにしてあげることで必要以上に体重が減っていくのを防ぐことができます。

老猫になるとエネルギーの吸収ができなくなる

老猫が健康な体を維持するためには、成猫よりもたくさんのエネルギーを摂取する必要があります。これは、食べた餌のすべてを吸収しているのではなく、その一部しか吸収できなくなるためです。

このため、運動しないからといって、餌の量を減らしてしまうと老猫はあっという間にやせ細ってしまう可能性があります。

基本的な考え方は上記にあるように与える回数を変えながら、体重管理をしっかりして、体重の増減の少ない量を見極めるようにしてください。すべての猫に最適な計算式はありませんので、自分の飼っている猫をよく観察して決めるようにしてください。

餌を食べなくなったときはどうする?

餌を食べる量が極端に減ったとき、まずは病気になっていないかを疑ってください。自分で判断できないときは、動物病院に連れていき、主治医の先生にチェックしてもらいましょう。

病気であれば治療をすることになりますが、ただの老化が原因の場合は餌を変えるようにしてください。ドライフードが食べにくいのであれば、ウェットフードにしてみたり、流動食を利用するようにしましょう。

老猫用のキャットフードも多くの種類が増えています。若い頃とは味覚が変わっている可能性もありますので、最初はいろいろ餌を変えて食いつきのいい餌に変えるようにしましょう。

安いキャットフードとプレミアムフードの違い

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ペットショップに行くと2kgで1500円以下のものから、85gで300円以上するようなものまで幅広くラインナップされています。猫に食べさせるとどちらも美味しそうに食べているので違いがわからないという人もいるかもしれません。

それでは、安いキャットフードとプレミアムフードにはどのような違いがあるのでしょう。ここでは値段で見たキャットフードの選び方を紹介します。

プレミアムフードは何がプレミアム?

愛猫にはプレミアムフードを与えたい。そういう飼い主が増えていますが、プレミアムフードについての知識がある人はあまりいません。「なんとなく値段が高くて体に良さそうだから」それくらいの感覚でプレミアムフードを選んでいる人も多いかと思います。

プレミアムフードは実際に、人間が口にしても大丈夫なくらいの高品質に作られたキャットフードになります。プレミアムフードは人間が口にしても大丈夫ということは、普通のキャットフードは人間が食べると危険なのかと思うかもしれません。

安全か危険かで考えた場合、普通のキャットフードは危険な食べ物になります。人間の食品に使わないような添加物を使っていることもありますので、一口食べて体に異変が表れるようなことはなくても、長く食べ続けると体調を崩す可能性があります。

「人間が食べて危険なものを猫に与えたくない」そんな思いから作られたのが、プレミアムフードになります。

安いキャットフードは植物性タンパク質で出来ている

猫の餌で重要になるのがタンパク質です。猫は肉食の動物ですのでタンパク質の摂取が必要になります。このため、どのキャットフードでも主成分はタンパク質になるのですが、そのタンパク質成分の原料がキャットフードによって異なります。

タンパク質はお肉でしょ?と思うかもしれませんが、タンパク質は豆や穀物にも含まれています。それらは植物性タンパク質と呼ばれ、お肉などの動物性タンパク質よりも原価を安くすることができます。

安いキャットフード:植物性タンパク質
プレミアムフード:動物性タンパク質

すべてのキャットフードを明確に線引できるわけではありませんが、基本的にはこのように分類することが出来ます。どちらもタンパク質には違いないのですが、植物性タンパク質には猫が吸収できない栄養素が含まれているため、猫の体に負担をかけてしまいます。

もちろん安いキャットフードでも栄養価は問題ありませんが、猫の体に負担がかかりすぎてしまうため、猫により健康を保ってもらうためには、植物性タンパク質のキャットフードではなく、多少値段が高くても動物性タンパク質を含んだキャットフードがおすすめです。

食べさせると危険!猫に食べさせてはいけない食べ物

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人間が食事をしているとすぐに手を出してくる猫。家によっては食事のたびに流血騒ぎになるくらい、猫は何でも食べたがります。でも猫の体はなんでも食べられるようにはできていません。猫には猫にあった食べ物があります。

ここでは猫に食べさせてはいけないものを紹介しますので、もし猫が口にしようとしたら、全力で止めるようにしてください。

ネギ類

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玉ねぎや長ネギ、そしてらっきょうやにんにくも猫にはNGです。ほとんどの猫はねぎ中毒になるため、ねぎを食べると嘔吐や下痢などの症状で苦しむことになります。

子猫や老猫の場合は、ねぎ中毒で死んでしまうこともあります。

猫が玉ねぎや長ねぎを単体で食べることはまずありませんが、人間の料理に手を出したときに、ねぎが含まれていて、猫が中毒になることがあります。ネギ類を料理に使用したときは猫には絶対に与えず、調理済みのまな板や包丁もすぐに洗うようにしてください。

チョコレート

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バレンタインのチョコレートをもらいすぎたから猫にあげる。そんな飼い主がいるようですが、猫にチョコレートは、ねぎと同じくらい非常に危険です。

場合によっては命を落とす可能性もありますので、気をつけてください。

ココアもNGでになり、ケーキなどにチョコレートが含まれているときも注意してください。これくらい大丈夫かなという考え方が、猫の命を奪ってしまうこともあります。

お酒

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人間は長い時間をかけてお酒を体内で分解できるようになりましたが、猫はアルコールの分解ができないため、簡単に酔っ払ってしまいます。

もし大丈夫であっても内蔵を傷つけてしまう可能性もありますので、お酒を飲んでいるときは猫を遠ざけるようにしましょう。

酒のつまみになるものも、猫にとっては塩分が高く危険なものばかりです。可愛そうですが、お酒の場には猫は呼ばないようにしましょう。

ぶどう

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犬にぶどうがNGなのは有名ですが、猫にもぶどうは与えてはいけない食べ物になります。そもそもぶどうを食べても猫の体にとってプラスになる栄養素がありませんので、食べるメリットすらありません。

ただし、なぜ猫に食べさせてはいけないかの原因が不明ということもあり、ついつい食べさせてしまう飼い主がいるようです。

レーズンなどは甘みが凝縮してさらに猫に悪い食べ物になりますので、絶対に与えないようにしてください。

ねこまんまは安全?危険?

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少し前まで猫の餌といえばねこまんまでした。ねこまんまというのはご飯にみそ汁をかけたもので、豪華なものになるとそれに煮干しや鰹節が加わります。要するに人間と同じものを猫も食べていた時代がありました。

このため、高齢者の中には「猫にはねこまんまで十分」と言う人が少なくありません。実際のところ猫の餌としてのねこまんまはどうなのでしょう?安全な餌なのか、それとも危険な餌なのか悩ましいところかと思います。

結論から言えば、ねこまんまは猫の寿命を短くする食べ物です。

ねこまんまは塩分もカロリーも高い食べ物です。日本食は世界的に見ても塩分の高い食事になります。人間に必要とされる以上の塩分を普段から摂っているとされていますから、それを猫が口にするとどうなるかは言うまでもありません。

そして煮干しや鰹節はミネラルが多く含まれる食材になります。猫は体内から水分を失わないようにするためにミネラルを凝縮したオシッコをします。このためミネラルを取りすぎると結石ができてしまう可能性があります。

ねこまんまを与えると猫は喜んで食べますし、すぐに体調を崩すということはありませんが、確実に寿命を削っていますので、猫にねこまんまは与えないようにしてください。

まとめ

猫と暮らすときにもっとも重要なのが猫の餌です。猫は一緒に散歩することもありませんし、放っておいても自分で勝手に遊びます。それでも餌だけはきちんと飼い主が与えてあげないと、猫は生きていけません。

ところが猫の餌となるキャットフードには様々な種類があり、まったく知識がないとどのキャットフードを選んでいいのかわからず、テレビCMなどで見たことのあるキャットフードを選ぶケースがほとんどです。

もちろんそれでも問題はありませんが、猫の健康を考えるなら、しっかりとキャットフードの知識を頭に入れて、意図のあるキャットフード選びを行うようにしましょう。老猫になって食欲が減ってきたらどうするかなど、その場しのぎではなくきちんと考えて猫に餌を上げるようにしてください。

また猫には食べられないもの、食べさせてはいけないものがいくつかあります。間違って食べてしまわないように注意してください。これだけは絶対に食べさせてはいけないものをリストアップして頭に入れておきましょう。

「欲しがっていたから食べさせた」結果、体調を崩す猫も少なくありません。基本的にはキャットフードだけを食べさせて、それ以外のものを与えるときは、安全性をしっかり確認してからあげるようにしましょう。


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