鶏肉を上手に摂取しましょう

ワンちゃんやニャンちゃんは、総合栄養食であるペットフードを与えておけば、栄養面での過不足なく、元気に育ってくれます。とはいえ、ワンちゃんやニャンちゃんにも人間と同じように個性があり、一般的な栄養素が揃っているから必ずしも健康を維持できるかというとそうではありません。

体調の変化によって、不足気味な栄養素もありますし、肥満になっているワンちゃんやニャンちゃんには、低カロリー高栄養素の食材を使ったフードに切り替えてあげなくてはいけません。そういうときにおすすめしたい食材のひとつが鶏肉です。

ここではそんな鶏肉をペットフードに取り入れるメリットや、期待できる効果などについてご紹介します。飼い主さんが思っている以上に、鶏肉は素晴らしいフードですので、その基礎知識だけでも頭に入れておきましょう。

鶏肉の栄養素

 

それではまず、鶏肉の栄養素について見ていきましょう。

カロリー

それではまず、鶏肉のカロリーについて見ていきましょう。部位ごとにカロリーが違いますので、よく使われる部位についてご紹介します。

むね皮付き:244kcal
むね皮なし:121kcal
もも皮付き:253kcal
もも皮なし:138kcal
ささみ:114kcal
心臓:207kcal
レバー:111kcal

【参考】
牛もも肉:517kcal
豚もも肉:183kcal

※値は100gあたりのカロリーです。

皮付きの鶏肉はややカロリーが高い傾向にありますが、脂肪分である皮を取り除けば、カロリーをグッと下げることができます。100gあたりのカロリーが150kcal以下ですので、他の肉と比較しても、かなりの低カロリーであることが分かります。

この値からも分かりますように、ダイエットのために鶏肉を食べさせるときは、皮を取り除くように注意してください。

たんぱく質

それでは次にたんぱく質について見ていきましょう。たんぱく質は筋肉を作るためにとても重要な栄養成分です。どれくらいのたんぱく質が含まれているのか見ていきましょう。

むね皮付き:19.5g
むね皮なし:24.4g
もも皮付き:17.3g
もも皮なし:22.0g
ささみ:24.6g
心臓:14.5g
レバー:18.9g

【参考】
牛もも肉:11.0g
豚もも肉:20.5g

タンパク質の量として、皮のない胸肉やもも肉、そしてささみがとても優れているのが分かります。ステーキのイメージから、体を作るには牛肉が適しているように思えますが、実は牛肉よりも鶏肉のほうが向いています。実際にボディビルダーの人たちは鶏肉を積極的に食べています。

豚肉も鶏肉と同じくらいのたんぱく質が含まれていますが、火の通り具合をきちんと管理しなくてはいけませんし、食べやすさという点では鶏肉に劣ります。

ビタミンA

鶏肉はビタミンAが多いと言われています。ビタミンAは皮膚や粘膜を正常化や、視覚の正常化に効果があると言われています。ここではビタミンAの構成要素であるレチノールの値を見ていきましょう。

むね皮付き:72μg
むね皮なし:50μg
もも皮付き:47μg
もも皮なし:17μg
ささみ:9μg
心臓:700μg
レバー:14000μg

【参考】
牛もも肉:3μg
豚もも肉:4μg

牛肉や豚肉と比べると、ビタミンA(レチノール)の値が大きいことが分かります。残念ながら高カロリーの鶏皮に多くのビタミンAが含まれていますが、皮を取り除いても他のお肉よりは多くのビタミンAを摂取することができます。

お肉ではなく心臓やレバーになると、さらにビタミンAの量が増えます。積極的に摂取したいときなどは、レバーを与えるようにしましょう。

必須アミノ酸「メオチニン」

鶏肉には必須アミノ酸のひとつでもある「メオチニン」が、多く含まれていることでも知られています。

むね皮付き:500mg
むね皮なし:650mg
もも皮付き:540mg
もも皮なし:500mg
ささみ:-
心臓:360mg
レバー:460mg

【参考】
牛もも肉:270mg
豚もも肉:560mg

豚肉とは同じくらいの量ですが、牛肉と比べると明らかに多量のメオチニンが入っていることが分かります。メオチニンは尿路結石や被毛の発育に必要な栄養素で、艶のある被毛を維持するためには絶対に必要な栄養成分のひとつです。

鶏肉をペットに与えるメリット

 

ここまでの紹介で、鶏肉がいかに栄養成分に優れているのかが分かってもらえたかと思います。それでは、実際に鶏肉を犬や猫に与えると、どのようなメリットを感じることができるのかについて説明していきます。

嗜好性がとても優れている

鶏肉をペットフードとして与える、最大のメリットはワンちゃんでもニャンちゃんでもとても食いつきがよくなるということです。このため、愛犬や愛猫の食欲が落ちているなと感じたときに使えば、食欲が改善してくれることもあります。

もちろん相性もありますので、すべてのワンちゃんやニャンちゃんに適しているわけではありませんが、目に見えて食欲が増すケースがほとんどですので、夏バテをしているときや、病気になって元気がないときなどにおすすめです。

豊富なオレイン酸とリノール酸

鶏肉の皮を食べるかどうか悩ましい判断になりますが、鶏肉の脂が多く含まれている皮には多くのオレイン酸とリノール酸が含まれています。最近はリノール酸の摂り過ぎに注意というような記事を良く見かけますが、以前は体にいい脂肪酸だとされていました。

それでもリノール酸は必須アミノ酸であることには違いありません。不足すると被毛がパサついたり、抜け毛が多くなったりします。傷の回復も遅くなります。そんなリノール酸が不足しないようにするために、鶏肉はとてもおすすめです。

一方のオレイン酸ですが、こちらは善玉コレステロールを減らすことなく、悪玉コレステロールだけを取り除くことができます。その結果としてワンちゃんやニャンちゃんの生活習慣病予防を期待できます。

低カロリー高たんぱく質でダイエットに最適

カロリーとたんぱく質の値で見てもらったように、他のお肉と比べてもかなりの低カロリーかつ高たんぱく質の食材が鶏肉です。育ち盛りのワンちゃんやニャンちゃんなら、高カロリー食でもエネルギーを消費しますが、シニアになってくるとこれまで通りの食事量というわけにはいきません。

シニア犬やシニア猫の場合は、できるだけカロリーは控えめにして、体を作るためのたんぱく質はしっかりと摂りたいところです。そうなってくると、他の肉よりも鶏肉のほうが適しています。また、価格も安く入手性もいいため、ダイエットに最適な食材となっています。

消化しやすく体が弱っているときに最適

鶏肉は他に肉よりも消化しやすいという特徴があります。このためワンちゃんやニャンちゃんのお腹の調子が悪いときには、鶏肉のペットフードはとてもおすすめです。脂身の少ないささみを選ぶか、皮を取り除いた状態で与えるようにしましょう。

風邪気味かなと思ったら、レバーやハツも積極的に与えるようにしましょう。レバーやハツは免疫力を高め、なおかつ消化もしやすいので、内臓にかかる負担を下げながらも体力の回復を促すことができます。

コラーゲンは効果がある?

 

鶏肉にはたくさんのコラーゲンが含まれています。コラーゲンというのはたんぱく質の一種で、肌に良いとされたり、足腰の痛みをやわらげる効果があるとされたりしています。もし本当に期待できる効果があるなら積極的に摂りたいとことですよね。

でも現在ではコラーゲンにはそれらの効果がないというのが、一般的な考え方になってきました。とはいえコラーゲンには効果がなくても、鶏肉には肌に良いとされるビタミンAが多く含まれていますので、肌質の改善には役に立ちます。コラーゲンの効果は「あるといいな」くらいの期待値にしておきましょう。

ただし、ワンちゃんやニャンちゃんも人間と同じように、加齢とともに体内のコラーゲンは減っていきます。その結果として健康的な肌や、艶のある髪、そして傷などの治癒力は年々低下しています。そうなってくると藁にもすがる思いでコラーゲンを与えたくなりますよね。

もしワンちゃんやニャンちゃんに皮膚トラブルがあったときには、試しにコラーゲンを積極的に与えて、変化があるのかチェックしてみましょう。

安全に鶏肉を与えるための注意点

 

ワンちゃんやニャンちゃんの健康維持に、とても優れている鶏肉ですが、インターネット上には「鶏肉は危険」というような記事もいくつか見られます。当店としては、鶏肉はとてもおすすめの食材なのですが、鶏肉ならどんなものでもいいというわけではありません

ここでは安全に鶏肉を与えるためのポイントについてご紹介します。健康のためにと思って選んだ鶏肉のフード。それが反対に体に悪い影響を与えるのは避けたいですよね。どのような点に注意して与えればいいのか、しっかり頭に入れておきましょう。

危険なチキンミールは避ける

総合栄養食のペットフードによく入っているのはチキンミールです。チキンミールには安全性の高いものとそうでないものの2種類があります。

・食肉以外の部分を使ったチキンミール
・食肉だけを使ったチキンミール

そもそもチキンミールというのは、鶏をすり潰して粉にしたもののことを言います。この過程で、本来は食べることのない、骨や羽、爪などの部分もすり潰したのが「食肉以外の部分を使ったチキンミール」です。不要な部分を取り除く必要がないため安価な材料として重宝されています。

ところが、どのような状態の鶏をすり潰しているのか分かりませんので、食肉以外が含まれるというのはいろいろと不安ですよね。安全性を疑問視する声もよく耳にします。このような副産物を使ったチキンミールは避けるようにしてください。

気になる人は、メーカーのサイトで「肉副産物は使っていません」というような表記があるかどうかをチェックしてください。そのような表示がなく、なおかつ価格も安いペットフードであれば、副産物の入ったチキンミールの可能性がありますので、気をつけてください。

鶏肉アレルギーに注意

ワンちゃんの中には鶏肉アレルギーの個体もいます。これまで鶏肉をあまり与えていない場合は分かりにくいのですが、鶏肉を食べることで体調を崩してしまうことがよくあります。ペットフードを鶏肉に切り替えた直後は、肌や目などをチェックしてアレルギー反応が出ていないことを確認しましょう。

痒がっていたり、下痢をしたりするようならアレルギーの可能性があります。まずは元のフードに戻して、主治医の先生に相談してみましょう。気になるようでしたらアレルギーの調査もしておいたほうがいいかもしれません。

また切り替えるときも一気に変えるのではなく、徐々に移行していくとトラブルの発生を抑えることができます。じっくり時間をかけて、鶏肉ベースのフードに変えていきましょう。

メインはあくまでも総合栄養食

鶏肉ベースのフードを与えるにしても、基本となる食事は総合栄養食のドライフードを与えましょう。鶏肉はとても栄養価の高い食品ですが、それだけで必要な栄養素をすべて補えるわけではありません。基本となるドライフードだけでは足りない部分を鶏肉で補うようにしてください。

食べごたえという意味で、鶏肉ばかり与えているとドライフードを食べなくなることもあります。ドライフードに混ぜて与えるなどして、他の栄養成分もしっかりと摂れるようにしてあげましょう。

推奨したいフード

 

鶏肉の魅力はわかったものの、実際にどのようなフードを選べばいいのか判断が難しいですよね。ペットショップに並んでいるだけでも、鶏肉ベースのフードが無数にあります。ここではどれがいいのか判断が難しいという人のために、安全性の高いおすすめのフードをご紹介します。

ワンちゃんやニャンちゃんで好みが違いますので、最初はいくつか購入して、最も食いつきのいいものを継続して与えてみてください。

缶詰/チキンレバーブロック

レバーにはミネラルやビタミンが豊富に含まれていることは有名ですよね。このチキンレバーブロックは、免疫力を高め、貧血が気になる場合に最もお勧めができるおかずです。皮膚や粘膜の強化に最適ですので、是非役立ててみてください。

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缶詰/テールブロック

缶詰の中でも特に人気があるおかず缶です。カルシウムが他のおかずに比べて群を抜いて豊富に含まれており、またたくさんのたんぱく質もテールブロックから摂取できます。チキンテールの嗜好性の良さも人気の理由です。

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缶詰/ササミブロック

ボクサーやランナーも愛用しているササミをスープで煮込んだ缶詰です。鶏肉のササミをそのままブロック状にしておりますので大きくて食べられない時は、少し具を割いて与えてあげてください。低カロリーですのでダイエット食にもおすすめです。

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レトルト/ササミチーズ

高タンパク・低カロリーなササミを使用。ワンちゃんが大好きなチーズも混ざっており、カルシウムを多く摂取できます。ササミはほぐされていますので、小型犬でも無理なく食べることができます。シャンピニオンエキス配合ですので、口臭や体臭にも配慮されています。

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