ペットだってデトックスが必要です
デトックスという言葉は耳にしたことがあっても、実際にどのようなことをするのか、どんな効果があるのかまで理解している人は少ないかもしれません。ほとんどの人にとっては「なんとなく体にいいこと」くらいのイメージですよね。
デトックスはもちろん体にいいことであり、犬や猫のようなペットにも必要です。ここでは、なぜペットにもデトックスが必要なのか、デトックスをすることでどのような効果が期待できるのかについて詳しく説明します。
目次
デトックスとは
デトックスとは体内に溜まった毒物を排出させることを言います。本来、人間の体もペットの体にも毒物が溜まることはあまりありません。ところが、現代社会においては、知らないうちに体内に化学物質が溜まってしまいます。
そのような化学物質が体内に溜まると、体に異変が出てきます。どのような症状が見られるかについては後ほど詳しく説明しますが、いずれにしても体にとってはよくない状態です。デトックスをすることで、それらの毒物を排出し、体をクリーンな状態に保つことができます。
基本的には人体にもペットの体にも毒物を排出する機能があります。その機能を担っているのが肝臓や腎臓です。動物は体内に入ってきた毒物を、肝臓で体に負担の少ない老廃物に変えることができます。その老廃物は腎臓から尿として排泄されます。
ところが、あまりに肝臓や腎臓に負担がかかりすぎると、その機能がストップしてしまいます。その結果として、体内に病原体や化学物質などの老廃物が溜まってしまいます。その結果、体のあちこちにトラブルが発生します。
人間はそのトラブルについて自分で対処できますが、ワンちゃんやニャンちゃんは体調不良を感じていても、それを飼い主さんに伝える方法がありません。このため、飼い主さんはトラブルによって発生した症状から、体に毒物が溜まっていることを気づいてあげなくてはいけません。
それでは、体に毒物がたまったときに、どのような症状が発生するのかについて、次章で見ていきましょう。
デトックスが必要なサイン
ワンちゃんやニャンちゃんの体内に毒物が溜まって、デトックスが必要な状態になると、体がそのサインを出します。よくあるサインとして下記のようなものが挙げられます。
- おしっこが濃い黄色で、ニオイがきつい
- 口臭・体臭がきつい
- 目やにが出ている
- 目の周りが変色している
- 耳から悪臭がして、かゆそうにしている
- 足の指の間をよくなめ、赤くはれ上がっている
- 尻をかゆそうにしている
- 体に湿疹がでている
これらの症状がたびたび出てたら要注意です。これらは「解毒を必要としている」サインと思ってください。上記は体内に老廃物がたまっているときに見られる症状で、できるだけ早く老廃物を取り除く必要があります。
ところが、多くの飼い主はその意味を理解しないで病院に駆け込み、症状をおさえるという間違ったアプローチをしてしまいます。すると崩れたバランスはそのままになり、病状はより深刻化します。体の汚染を取り除けば自然になくなるはずなのに、飼い主さんがそれを複雑化していることがよくあります。
とはいえ、上記のような体の変化があったときには、やはり専門家である獣医さんに相談したいところですよね。「体に毒物が溜まっているかも」と判断できる飼い主さんはほとんどいません。このため、症状が出てから対応するのではなく、日毎からデトックスを意識した飼育が必要になります。
具体的にどのようなデトックス方法があるのかについて、次章で詳しく説明します。
どうすればデトックスが出来るの?
デトックスの必要性は分かっても、実際にワンちゃんやニャンちゃんのデトックスとして、何をすべきか分からないという人もいますよね。体の毒物を取り除くには、下記のような方法が効果的と言われています。
- 食事の改善
- 適度な運動
- 食物繊維を積極的に摂る
- 水分をしっかり摂る
- サプリメントの摂取
- マッサージ
- 絶食
基本的には食事で改善するという考え方になります。ファーストステップとしては、食事で水分をたっぷりとり、適切な運動をして体の代謝をあげます。これまで体内に蓄積してきた様々な老廃物が血液中に排出され、肝臓が有害な物質を処理しようと活発に働き始めます。
食物繊維は腸環境を整える効果があります。内臓に溜まった老廃物をしっかりと取り除いてくれるのが食物繊維です。血液中の老廃物の除去には効果がありませんが、体の内側からクリーンな状態にすることが可能です。
サプリメントや薬などでもデトックスできます。食事よりも高い効果が期待できますが、副作用などの危険性もゼロではありません。それらを利用する場合は、獣医さんに相談しながら間違いのないサプリメントや薬を使いましょう。
また、マッサージも体の老廃物を取り除く効果があります。ワンちゃんやニャンちゃんの体をマッサージしてあげながら、毒物の詰まりを解消してあげましょう。ペットとのコミュニケーションにもなりますので、一石二鳥なデトックス方法です。
食事でデトックスする方法
デトックスをするうえで必要になってくるのが、肝機能を強化する栄養素です。貝類に豊富なタウリンや、ブロッコリーや大根等の野菜に含まれるグルコシノレートなどが肝臓の働きをサポートしてくれると言われています。また水分を補給するためにも、アサリやシジミをベースにした具だくさんのスープがおすすめです。
それ以外にも解毒が必要な犬猫へのおすすめの食事のポイントがありますので、次に紹介していきたいと思います。
添加物の入ったドライフードをやめる
まず毎日の食事の基本となっているドライフードを見直すところから始めましょう。ドライフードの中には、化学添加物が多く含まれているものがあります。ドッグフードやキャットフードは人間よりも安全基準が低いため、危険性の高い添加物が使われることもあります。
1度で摂取する添加物は少量でも、それを毎日食べていると、毒素としてどんどん体に溜まってしまいます。気がつけば、排出しきれないだけの毒素が体内に溜まり、体調を崩してしまうこともあります。
デトックスを意識するようになったら、まずは毎日のフードを無添加無着色の安全性が高いものに切り替えましょう。価格は添加物が入ったものよりも高くなりますが、ワンちゃんやニャンちゃんの体を思えば、決して無駄な出費ではありません。まずは、食事で口にする毒素を取り除くことから始めましょう。
酵素の含まれている食材を摂る
私たち人間や犬や猫などのペットは、年齢とともに内臓の消化機能が弱ってきます。その結果、腸内に毒素が溜まりやすくなります。最も分かりやすいのが便秘という症状ですが、便秘から皮膚のトラブルが発生するケースもあります。
これを改善できるのが酵素です。ダイエットに興味のある人なら、酵素ドリンクについてその効果を聞いたことがあるかもしれません。ワンちゃんやニャンちゃんには酵素ドリンクを与える必要はありませんが、腸内環境を改善するために酵素が多く含まれた食材を摂ることをおすすめします。
具体的には、野菜やフルーツ、肉や魚に多くの酵素が含まれていると言われています。酵素は熱に弱いため、加熱せずに食べさせる必要があります。魚であれば刺し身などが理想ですが、犬によっては刺し身で体調を崩すケースもあります。いきなり大量に与えないように注意してください。
白身魚と野菜を多めに食べる
デトックス効果が期待できる食材は白身魚です。上記で紹介した酵素が多く含まれているだけでなく、DHAやEPAといった必須脂肪酸が多く含まれているため、血行の改善が期待できます。血行が良くなると老廃物の排出が進みますので、デトックスできるというわけです。
さらに、腸内環境を整えるためには食物繊維は欠かせません。野菜は酵素が多く含まれていますし、食物繊維と合わせて腸内環境の改善が期待できる食材です。デトックスを意識した食事を与えるときには、積極的に野菜を活用しましょう。
食べないことでデトックスさせる
食べ物でデトックスする方法について説明してきましたが、反対に食べないことでデトックスすることもできます。「食事を抜くなんてかわいそう」と思うかもしれませんが、ワンちゃんやニャンちゃんにとって、食べることが体に負担を与えていることがあります。
与えることばかりではなく、与えないことでのデトックスも取り入れて、健康状態を維持できるようにしっかりとサポートしてあげましょう。
プチ断食でデトックスする
「食べない」と言っても、数日間食事を抜いたりするのはおすすめできません。そこまで追い込んでしまうと、食事を再開したときにドカ食いしてしまう可能性がありますし、ワンちゃんやニャンちゃんに嫌な記憶を植え付けてしまいます。
基本的には1~2食分だけ抜くようにしましょう。そうすることで、内臓などの消化器官を休ませることができます。食べ物が内臓に入ってきませんので、小さな傷を癒やすこともできますし、内臓は老廃物を排出することだけに専念できます。
水分はきちんと与える
プチ断食期間中は、食べ物は与えないようにしますが、水分はきちんと与えなくてはいけません。お水だけでなく、ハーブティーやお肉の茹で汁などを与えることで、脱水状態を防ぎながらもデトックス効果を高めることができます。
水は水道水でもかまいませんが、できれば浄水器を通した水にするか、沸騰させてカルキを抜いたものを与えましょう。ミネラルウォーターでも構わないのですが、使いすぎると結石ができてしまう可能性があるため、常用は避けるようにしましょう。
体力があるときに行う
プチ断食とはいえ、体力を消耗します。このため、体が弱っているときにはしないように気をつけましょう。体が弱っているときは体力を高めることを最優先にして、力が有り余っているときにプチ断食を行いましょう。
汗をかきやすく夏バテをしやすい暑い季節はできるだけ避けて、春や秋などに1回ずつくらい行うようにしましょう。
推奨したいフード
ペットにもデトックスが必要だということを理解はしたものの、いざ食事でデトックスをさせようと思うと、いったい何を与えるべきなのか迷ってしまいますよね。ここでは、そんな人のために、当店で扱っているデトックス効果が期待できるフードをご紹介します。
どれも食いつきがいい商品ですが、ワンちゃんやニャンちゃんの嗜好によってはあまり喜んでくれないこともありますので、いくつかの商品を試して、食いつきが良くなるものを与えるようにしましょう。
ドライフード
原材料のアジに含まれているオメガ3系脂肪酸は、体内から病原体を排除するのに適しています。血行をよくして、腎臓病の要因となる動脈硬化を防ぐのにも役立ちます。また、魚に多く含まれる抗酸化物質は、体内に老廃物がたまって発生する活性酸素を抑えてくれるので、積極的に摂取させましょう。
えごまオイル
当店で販売しているえごまオイルも、オメガ3系脂肪酸が多く含まれる食材のひとつです。血液中の脂質濃度を下げる効果があり、コレステロール値や中性脂肪を下げる効果が期待できます。皮膚炎の解消や、腎不全、甲状腺機能低下症などにも効くと言われているとても優れた食材です。
えごまオイルはそのまま与えても、興味を示さない可能性があります。このため普段食べているドライフードに混ぜて与えるようにしましょう。サプリメントの分類で販売していますが、正確にはサプリメントではありませんので、与え過ぎには注意してください。
フィッシュベジミール
フィッシュベジミールはお米と国産レバーをベースにしらすとニンジンなどの野菜を混ぜて作られたペットフードです。この食材のうちしらすには、抗酸化物質のメチオニンが多く含まれています。血液中のコレステロール値を下げ、肝臓でのデトックス効果を期待できます。
DHAやEPAも多く含まれていますので、健康面でもおすすめしたい1品です。とても食いつきがいいフードですので、食欲が少ないときなどに活用しましょう。
きびなご干し
きびなごもデトックス効果を期待できる食材のひとつです。必須脂肪酸であるDHAやEPAを手軽に摂ることができ、さらにカルシウムも豊富ですので、成長期のワンちゃんやニャンちゃんにも最適です。
当店のきびなご干しは、もちろん人間でも食べることができるほど、安全性にも優れています。でも、ペットが食べているのを横取りしないように気をつけてくださいね。