ただ歩かせるだけじゃない!犬の散歩を上手にするコツ

犬の散歩をするときにただ犬の好きなように歩かせている飼い主がほとんどですが、実はこの散歩の方法はあまりおすすめできません。犬との主従関係をしっかりと築いて、犬との関係を良好なものにするためにも、犬の散歩はしつけも含めてしっかりと考えて行う必要があります。

ここではそんな犬の散歩を効果的に行うためのコツを紹介します。意味のある散歩をするためにも、飼い主さんはぜひ参考にしてください。

犬の散歩は毎日必要?犬の散歩の基礎知識

犬は散歩するものというのが常識ですが、よく考えたらなぜ散歩させなくてはいけないのか、よく分かっていない人が意外と少なくありません。犬の運動のため?それともほかにも理由があるのでしょうか?

ここでは本当に犬の散歩は毎日必要なのか、そして犬の散歩の基本的な考え方について紹介します。

散歩をさせる理由は「運動」「社会性」「ストレス解消」

犬を散歩させる理由はなにも犬の運動不足を補うためだけではありません。運動は大きなキーワードですが、それと同じくらい重要なのが、「社会性」と「ストレス解消」になります。

犬は散歩をすることで家の外の世界のことを知ることになります。自分以外の犬の存在や、飼い主以外の人間の存在に慣れることで、人間と一緒に暮らしていくことが容易になります。

また散歩は犬にとっての気分転換にもなります。家の中でだけ生活していると、人間だって鬱々してきます。犬は言葉を話せませんから、私たち以上にストレスを感じています。

そんなストレスを解消させるために散歩は最適です。ストレスのない生活が犬の健康にもプラスになりますので、散歩をすることが長生きに繋がったりもします。

散歩はしつけの場でもある

散歩はただの運動ではなく、飼い主と犬との関係をより強固なものにするための大切な躾の時間でもあります。たとえばリーダーウォークのように、飼い主主導で歩くためのしつけをすることで、犬は飼い主に対して飼い主の方が立場が上であることを認識できるようになります。

犬はきちんとした主従関係が必要な動物です。明確にどちらかが上に立っている必要があり、そして犬を飼うということは人間が上に立たなくてはいけません。

散歩はその主従関係を明確にし、犬が安心して人間との関係を築いていくための学びの場のひとつでもあります。

リーダーウォークだけでなく、散歩中に急に興奮してしまったときや、他の犬との関係を上手に築けなかったときに、しっかりコントロールしながらしつけてあげる。これらは散歩でしかできないしつけでもあるため、散歩することはとても意味のあることになります。

雨や雪の日まで散歩する必要はない

犬は毎日散歩させなくてはという思いが強いからか、雨の日でもレインコートを着て散歩をさせている人がいますが、そこまでして散歩をする必要はありません。朝寒いから散歩をしないというのは論外ですが、雨や雪、台風など危険な時の散歩は飼い主にも犬にもよくありません。

雨や雪の日は無理に散歩するのではなく、その日は家でしっかり遊んであげて、天気が良くなったらまた一緒に散歩しましょう。

散歩の頻度はどれくらいで行えばいい?

犬に誘われるたびに散歩に連れ出したり、犬が帰りたいというまで付き合ったりしている飼い主さんもいるかと思いますが、実際のところ犬の散歩はどれくらいの頻度で、どれくらいの時間行うべきなのでしょうか。

ここでは自己流の散歩になってしまわないように、一般的な犬の散歩の頻度や時間について説明をします。

1日2回、20〜60分が散歩の目安

「1日2回、20〜60分が散歩の目安」と言うとほとんどの飼い主が、そんなにもしなきゃいけないの?と不安に感じるかもしれません。時間は犬の大きさによって変わるのですが、1日2回の散歩は犬の運動不足を解消するには必須です。

人間だって1日中家の中で運動もせずに過ごしたらあっという間に筋肉が落ちて、太ってしまいます。犬も同じことで、肥満防止のためや筋力をつけて健康を維持するために運動としての散歩も必要になります。

小型犬は20〜30分くらいでいいのですが、大型犬の場合は30〜60分近い散歩をしなければ運動不足の解消にはなりません。ただし年齢によっても変わりますので、上記時間を参考にして犬の調子をチェックしながら、愛犬に合わせた散歩時間を設定しましょう。

朝と夕方の散歩がベスト

犬の散歩はできるだけ毎日決まった時間に行うようにしましょう。犬も人間も生活リズムは一定に保たれている方が心も安定しやすくなります。基本的な考え方は、朝と夕方の2回の散歩が理想です。できるだけ同じ時間が理想ですが、気温の変化も考慮すると飼い主の散歩が楽になります。

夏場は日が昇る前と、日が沈んでからの時間帯が涼しくて散歩をしやすいですが、冬場はその反対で、日が出てからの散歩のほうが体も温まりやすくおすすめです。

その日その日で散歩の時間を変えるのではなく、基本は毎日同じ時間に散歩をして、あとは季節によって少しずつ散歩の時間をずらすように工夫して、犬にも飼い主にも散歩の時間が苦痛にならないように心がけましょう。

知らなかったではすみません!知っておきたい散歩のマナー

まさか散歩中にリードを首輪から離したりする人はいないと思いますが、でもそれに近いことをしている人は珍しくありません。知らず知らずのうちにマナー違反をしている人もいます。意外と基本的な散歩のマナーを知らない人が多いかもしれません。

ここでは犬を飼うなら知っておくべきマナーについて紹介しますので、自分の知識が間違っていないか、確認してください。

犬のうんちやオシッコは散歩中にさせない

意外と守れていないマナーのひとつが犬のうんちやオシッコです。犬のしたうんちを持ち帰るのは常識ですが、そもそも散歩中にうんちをさせることが間違っているという考え方はまだ定着していません。

犬の排泄は必ず家でするようにしてください。とくにうんちは、うんちをしてからじゃないと散歩に行かないなどして、散歩中にうんちをさせないこと、うんちは家でするものだと覚えさせましょう。

マナーの点だけでなく、外でしかうんちができなくなると、台風などで散歩ができない日にはうんちができなくなってしまいます。そうならないためにもうんちやオシッコは散歩中にさせないようにしましょう。

散歩中は伸びるリードは伸ばさない

最近は伸びるリードを使って散歩をしている人がいますが、散歩中にリードを自由の伸ばすのは非常に危険です。道路への飛び出しや、他の犬との喧嘩などに巻き込まれる恐れもあります。

そもそも犬はきちんとしたリーダーウォークのように、主従関係を明確にして散歩をする必要があります、犬に散歩させられる飼い主になってはいけません。

犬をコントロールして散歩することが重要ですので、自由に動き回ることのできる伸びるリードは使わない、もしくは使っても散歩中はロックさせるなどして伸びないように制御してください。

基本のしつけが出来るようになってから散歩する

散歩をする大前提は「マテ」や「オスワリ」のような基本的な命令に従えるようになっていることです。「マテ」のできない犬は散歩させてはいけません。

知らない人が近づいてきたときや、知らない犬が近づいてきたときにじっとしていられるだけの忍耐力がなければ、そこからトラブルに繋がる可能性があります。

人や他の犬を噛んだりしないように「マテ」や「オスワリ」などのしつけをしっかり身につけてから散歩デビューするようにしましょう。

お忘れなく!犬の散歩に持っていくべきもの

犬の散歩に出るのに手ぶらで出かけている人がいますが、これは絶対にNGです。散歩途中で何があるかわかりませんので、マナーの意味も含めて、散歩グッズとして持っておくべきものについてここでは紹介します。

首輪とリードは必須です

あたり前のことですので、あえて書くようなことではないと思うかもしれませんが、散歩には首輪とリードが必須です。犬が勝手に走り回らないようにすることで、犬の安全を守ることができるのが首輪とリードです。

犬を縛り付けるから可哀想ということでリードをしない飼い主が時々いますが、犬がいきなり道路に飛び出したらどうするのでしょう?他の犬に対して飛びかかっていったら、どうやって謝るのでしょう?犬に責任は取れませんので、トラブルを起こさせないのは飼い主の責任です。

また首輪には迷子札をきちんとつけておきましょう。リードをしていても、ちょっとした隙にリードごと逃げ出してしまうこともあります。リードが壊れてしまうこともありますので、100%の安全はありません。犬は賢いのできちんと戻ってくるものですが、それでも時々迷子になる犬もいますので、散歩をするときは必ず迷子札をつけさせておきましょう。

水は散歩時の必需品

水を散歩のときに持っていく理由は2つあります。ひとつは犬の水分補給のためで、もうひとつが犬のオシッコの匂い消しです。

犬は基本的に汗をかきませんが、それでも散歩をすると体の水分が失われていきます。特に夏場の小型犬は簡単に脱水症状になってしまいます。散歩は朝晩の涼しい時間にするのが基本ですが、それでも夏場は気温が高めですので、こまめな水分補給が必要になります。

犬のオシッコに水をかけることには様々な意見がありますが、例えば人の家の壁にオシッコをかけたらやっぱりそれは洗い流すくらいのことはマナーとして必要です。オシッコに水をかけるくらいでは匂いが完全に消えるわけではありませんで、飼い主の自己満足とも言われていますが、それでも気を付けているという姿勢を示すことは決して無駄なことではありません。

トイレグッズは絶対に必要

まず前提として犬にはトイレは家でしてもらうようにしつける必要がありますが、犬も突然の便意がやってくることもあります。そんなときに、「トイレは家でしているから大丈夫」と飼い主がトイレグッズを持っていなかったらどうでしょう?

飼い主が手ぶらで散歩をしているのを見ると、それだけで「この人どういうつもりだろう?」と他の飼い主に思われてしまうかもしれません。

使う使わないに関係なくトイレグッズは必ず持って散歩に出かけるようにしましょう。ビニール袋とティッシュペーパー、そしてスコップくらいを小さなカバンに入れて散歩セットとして持ち歩くようにしてください。

散歩を楽しくするためのポイント

犬の散歩の基本的な知識を理解してもらえたかと思います。基本を守っていれば犬も人間も無理のない散歩を続けていくことができますが、散歩をもう少し楽しいものにするためのポイントをここでは紹介します。

散歩のコースは複数用意する

散歩のコースは毎日同じではなく、いくつか用意しておきましょう。できることなら毎日ちょっとずつ変えるくらいでもいいのですが、基本のコースをいくつか用意して、毎回少しずつアレンジするようにしてください。

同じ場所ばかり歩いていると犬は刺激がなくなってきますし、道を覚えてしまうことで飼い主の先を歩こうとします。犬が飼い主に従うある程度の緊張感のある散歩にするために、たまには犬が思っているのとは違う方向に向かったりしてあげるようにしましょう。

散歩途中で歩かなくなったときの対処法

散歩をしている途中に犬が突然歩くのを止めて「もう一歩も動きたくない」と主張することがあります。これは大きく分けてて2つの理由があります。ひとつは行こうとしてる先で怖い思いをしたことがあることで、もうひとつは飼い主にかまってもらいたいだけです。

犬が動かなくなったら、まずはその理由を考えるようにしてください。向かい側から大型犬がやってきていたり、怖い思いをしたことのある場所に向かっていたりするようでしたら、コースを変えるという選択肢も必要です。

もしかまってもらいたくて歩かない場合は、決して抱っこなどしないようにしてください。犬は動かなければ抱っこしてもらえると学習しますので、歩かないことが癖になります。犬との我慢くらべになってしまうかもしれませんが、歩きだすまで待つようにしてください。

まとめ

犬の散歩は楽しくできれば飼い主も犬も毎日散歩の時間が待ち遠しくなるものですが、義務感で行うとお互いにとって楽しい時間ではなくなってしまいます。義務感にならないようにするためにも大切なのは犬との主従関係を明確にすることです。

またマナーをしっかりと身につけて、他の飼い主さんに不快な思いをさせないように心がけてください。「他の人がしていないからいいや」ではなく、自分と愛犬だけでもしっかりとマナーある散歩を心がけることで散歩のストレスが少なくなっていきます。

犬のトイレは散歩中にさせないことが基本ですが、何があっても対応できるようにトレイグッズを散歩時には持ち歩くといったような、ちょっと忘れがちなことも習慣づけることでいざというときに慌てなくて済みます。

繰り返しになりますが、散歩は主従関係が重要です。決して犬に飼い主が連れられて歩くのではなく、飼い主が犬を連れて歩くスタイルを継続するようにしください。それが犬のためでもありますので、お互いが散歩を楽しむためにもしっかりとしつけを行ってから散歩をするようにしましょう。


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