見逃さないで!排泄不良のサイン

ワンちゃんやニャンちゃんに目やにが出てくる、体臭が強くなる、指先や目・口のまわりの毛の色が変色する、皮膚に脂肪のかたまりができ、老廃物がでてくる・・・など。これらの症状の多くを「体質だ」と思っている方いらっしゃいませんか?中には獣医師さえもそう決め付けてしまう方がいるようです。

このような症状が現れたときに、一番に疑ってほしいのは「排泄不良」です。オシッコとして本来排出されるべき老廃物が、形をかえて出てきたのです。それが毛穴だけでなく口や鼻や目に現れる変化となりますここではそんなペットの排泄不良について、わかりやすく説明します。

排泄不良になる理由

ワンちゃんやニャンちゃんが排泄不良になる理由は、大きく分けて4種類あります。

・水分不足
・運動不足
・ストレス
・病気

それぞれの理由について、もう少し詳しく見ていきましょう。

水分不足

排泄のなかでも、オシッコをしないという場合の多くが水分不足です。最近はドッグフードもキャットフードもドライフードが主流です。水分を与えようとして水を並べていても、それに口をつけてくれなくては意味がありません。

わたしたちの食事が、カロリーメイトのような水分の少ない固形物ばかりだったと考えてください。よほど水分補給に心がけなければ体内の水分が不足します。水分が不足すれば、できるだけ排出せずに体内に留めようとします。その結果、ペットがオシッコをしなくなります。

ペットのオシッコをチェックしてみてください。黄色くなってはいませんか?濃い色になっていたら、それは水分が足りていない証拠です。

運動不足

ワンちゃんは運動することで、ウンチをしなさいという指令が脳から送られてきます。散歩をするとワンちゃんがウンチをするのはこのためです。また、運動が減って肥満になってしまうと、体内に老廃物が溜まりやすくなります。

しっかり運動をして、できるだけ代謝のいい状態をキープするようにしてください。特に高齢になってくると散歩を嫌がる傾向にありますが、健康維持のためにも散歩は欠かさないようにしましょう。

ストレス

ワンちゃんもニャンちゃんもストレスがかかると、人間と同じように自律神経を上手にコントロールできなくなってしまいます。自律神経は内臓にまで伸びていますので、自律神経が乱れてしまうと、腸が正しく活動できなくなってしまいます。

ストレスは別のストレスを招き、そこから悪循環にはまっていきます。ペットが排泄不良になったら、ストレスのない環境づくりをしてあげましょう。できるだけたくさん触れ合ってあげるだけで、ストレスから開放されて、排泄不良が改善することもあります。

病気

排泄不良の原因としてやっかいなのが病気です。

・便秘
・腸閉塞
・肛門嚢炎
・脊髄異常
・前立腺のトラブル
・会陰ヘルニア

上記のような病気にかかると、排泄不良になりやすいと言われています。単純な便秘は食事の改善で解消することができますが、他の病気は自然治癒というわけにはいきません。2日以上ウンチが出ずに、体調が悪そうにしている場合は、できるだけ早く病院に連れて行ってあげましょう。

排泄不良の危険性

排泄不良は、体の中にさまざまな毒素をためてしまので、放っておくと大変危険です。肝臓や腎臓に負担がかかり、全身性の病気に進行するケースも考えられます。また、腸閉塞が原因の場合は、その原因を取り除かないと命にかかわる症状にまで悪化することもあります。

本来排出されるものが、腸に残ったままになりますので、腸がどんどんと膨張していきます。その結果、腸が正常に動かなくなってしまう可能性があります。5日以上ウンチが出ていないとなると、いつ倒れてもおかしくないような状態だということを頭に入れておいてください。

腸内に留まった排泄物は、体内で腐敗を起こします。悪臭を放ち、悪玉菌をどんどんと増やしてしまいます。たまった毒素は、ウンチとして排出できないため、皮膚から排出しようとします。その結果、体臭がかなりきつくなってしまいます。

排泄不良になると、免疫力も低下します。これは腸内で発生した悪玉菌が血液内に溶け込んで、白血球の働きを阻害するためです。ただ便が出ないだけでなく、刻一刻と体が蝕まれているのだということを、しっかりと意識してください。

また子猫も排泄不良になりやすく、しかもとても深刻な状態になってしまいます。子猫はとても筋力が弱いため、硬い便を自力で排出できなくなることがあります。排出できないから、食欲がなくなり、栄養が不足してしまいます。

子猫のうちはどんどんエネルギーを摂取しなければいけませんので、便秘になって食事を食べなくなると成長が止まってしまいます。便秘かなと思ったら、マッサージなどで排泄を促してあげましょう。それでもだめな場合は、すぐに病院に連れて行ってください。

治療が遅れれば遅れるほど、子猫は体力を奪われてしまいます。「便秘くらいなんとかなる」なんて考えずに、できるだけ早く連れて行くようにしましょう。

排泄不良のサイン

それでは次に、排泄不良になったときにどのような症状がでるのか、そのサインについて説明します。

・便が出ていない
・1日何度もトイレに行く
・食欲不振
・嘔吐
・腹部の膨らみ
・奇異性下痢

最も分かりやすいのは、便が出ていないという状態です。これはとても分かりやすいのですが、そもそも便秘になりやすい小型犬の場合は「またか」と思って、見逃してしまうこともあります。2日間ウンチをしていなかったら、それは排泄不良だと考えましょう。

腸内に食べ物が詰まっていますので、それ以上は食べないようにするために、食欲不振になります。また目に見えて腹部が膨らみ、食事をしてもすぐに嘔吐してしまいます。それは完全に排泄不良の症状ですので、様子を見るのではなく、できるだけ早く病院に連れていきましょう。

また奇異性下痢として、うんちを促すために体が意図的に軽い下痢状態を作ることがあります。これで便秘が解消されるとは思わないようにしてください。むしろ便秘状態のサインであると考えてください。

排泄不良の治療方法

2日間ウンチが出ていないのであれば、それはかなり大問題ですので、3~4日経過した時点で、すぐに動物病院に連れていきましょう。そのときには、次の情報をメモしておきましょう。

・いつからウンチがでていないのか
・普段食べているペットフードやおやつの種類
・普段の運動量

動物病院ではまず、原因の特定を行います。そのときにこれらの情報がとても役に立ちます。スムーズな治療を行うためにも、分かる範囲でしっかり伝えられるように準備しておいてください。治療のための流れは次のようになります。

1.診察
2.検査
3.原因の特定
4.治療

基本的には人間の治療と変わりません。診察をして触診を行うのですが、どこが詰まっているのか原因がわからない場合には、レントゲンで撮影して状態の確認を行います。いくつもの病気が考えられますので、検査結果からどのような原因なのかを特定してもらいます。

原因さえわかれば、あとは治療方針を決めるだけです。とりあえずウンチを取り除くために、浣腸を行ったり、下剤を飲ませたりすることもあります。ほとんどのウンチはこれで取り除けますが、あまりにもひどいときや異物が見つかったときには、手術をすることもあります。

病気が原因だった場合には、投薬による治療も同時に行います。原因をきちんと取り除かないと、再発する可能性があります。完治するのには時間がかかることもありますので、じっくりと向き合うようにしましょう。

排泄不良のケアをするためのポイント

排泄不良になったら、生活環境を変えてあげないと、これから何度も同じことを繰り返してしまう可能性があります。再発しないために次のような環境に変えてあげましょう。

・ワンちゃんの場合は毎日散歩を行う
・ペット用の乳酸菌を与える
・マッサージで排便を促す
・食事でしっかりと水分を摂取する

家庭でできるケア方法の代表的なものを挙げてみました。まず重要なのが運動です。運動量が少し増えるだけで、排泄不良が改善されることがあります。ただし、小型犬などは長時間の散歩が苦手なこともあります。その場合は、回数を増やしてあげましょう。

乳酸菌を与えるのも腸内環境を整えるには有効と言われています。ただし、人間用の乳酸菌では効果が出ませんので、必ずペット用の乳酸菌を与えるようにしましょう。

マッサージも排泄不良の改善に効果があります。マッサージはおへそよりもやや下側、大腸のある部分をさすってあげましょう。強く押さないように気をつけてください。効果があるかどうかはワンちゃんやニャンちゃんによって違いますが、飼い主とのコミュニケーションになり、ストレスが解消されるという効果も期待できます。

最も効果的なポイントは食事の改善です。食事の改善ですべきことはたくさんありますので、次項で詳しく説明します。

食事で排泄不良を改善しよう

普段ドライフードだけを食べて、水をあまり飲まない犬猫が最も排泄不良にかかりやすいと言われています。ところが水分をたくさん取らせてあげたくても、水だけを飲み続けるのはとても大変です。そこでド食事を与えるとき、水分を多くとらせる工夫が必要になります。

理想は手作り食で、野菜を多く含んだスープかけごはんなどを作ってあげるのがいいのですが、手作りはとても手間と時間がかかります。とてもそんな時間を確保できないという人は、普段使っているドライフードを活用してください。

主食であるドライフードを与える時は、ドライを十分にふやかしてから与えることをお勧めしています。当社のドライフードを使って、正しい与え方を行えば、効率的に水分摂取が可能になり、排泄がしっかり行われるようになるはずです。

下記リンク先の「お勧めするドライフードの与え方」を読んで頂き、参考にしていただければと思います。

うちのこわんにゃん!:ドライフードの与え方

水分がたくさん含まれているほうがより自然で、本来の食べ物に近づけることができます。よって、ドライフードにひと工夫・ひと手間をかけてみてください。ドライフードにぬるま湯をひたる程度加え、15分くらいかけて芯までふやかしましょう。

私たちが毎日食べるお米も、水を含ませて炊くことで1合がお茶碗2杯分になります。ドライフードもお米と同じように約2倍くらいの量になります。ぜひ当店がお勧めするフードで、水分量を増やして与えてみてください。

また、脱水症状になりやすい時期は、水分補給をさらに気にかけてください。その際にお勧めしたいことが、100%のナチュラルのはちみつを入れてみることです。吸収がよく速やかにエネルギーになります。また下痢にも大変効果的とされています。

排泄不良に効果的な栄養素

ペットが排泄不良になったら、次のような栄養素を積極的に与えるようにしましょう。

・食物繊維
・タウリン
・カリウム

食物繊維は、腸内環境を整えるのにとても適した栄養素です。ワンちゃんやニャンちゃんに野菜を与える必要はないという人もいますが、排泄不良になったらまずは排泄しやすい状態にしてあげなくてはいけません。また排泄不良になりやすいなら、定期的に野菜を摂取して、老廃物が腸に溜まらないようにしてあげましょう。

また、タウリンも便秘などに効果的だと言われています。タウリンを摂取することで腸の活動を活発にすることができます。排泄不良になったら、お肉だけでなく魚を与えて、タウリンの摂取量を増やしてください。

利尿作用が高いのはカリウムです。ウンチではなくオシッコが出ないというケースでは、カリウムを積極的に与えましょう。カリウムは魚などに多く含まれていますので、タウリンの摂取も兼ねて、魚ベースのペットフードを与えるようにしましょう。

推奨したいフード

排泄不良は、食べ物を見直すことで大幅に改善できることもあります。ポイントは水分を多く摂取するということと、排泄効果の高いフードを選ぶということです。排泄を上手にできていないなと感じたときには、ぜひここで推奨するフードを試してみましょう。

全年齢犬用ドライフード/プレートスリー

プレートスリーにぬるま湯を十分に入れ15分くらい待ちます。熱湯ではビタミンが壊れてしまいますので、必ずぬるま湯を使ってください。ふやけたフードが食べる全体量の60%くらいになるようにして下さい。しっかりと水分を摂取することで排泄を促すことができます。

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缶詰/ビーフブロック

体重5kgくらいのワンちゃんで、1日におおよそ100g程度のドライフードが与える目安となっておりますので、だいたい60~80g程度のおかずをドライフードにのせてください。この場合ちょうど缶詰の半分程度です。ドライフードは便利ですが、水分不足になりがちですので、缶詰などのウェットフードも活用しましょう。

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おかずレトルト/チキンオカラベジ

おからは食物繊維の宝庫ですので、排泄にとても高価が期待できる食品のひとつです。腸の活動が活発になり、腸内の老廃物などをまとめて排泄してくれるので、病気になりにくい体づくりが可能になります。利尿作用も含まれていますので、排泄不良のワンちゃんやニャンちゃんにピッタリの食品です。

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