肥満はこんなにも危険!犬や猫が太ることで発生するリスク

食べ過ぎだと分かっていても「もっと食べたい」とアピールされると、ついつい与えすぎてしまうドッグフードやキャットフード。1回で劇的に太るわけではありませんが、毎日ちょっとずつでもカロリーオーバーになると、気がつけばまんまるの肥満体型になってしまいます。

そうなっても「喜んでもらいたい」「好きなものをお腹いっぱい食べさせたい」と言って、まだ与え続ける飼い主さんがいます。そういう飼い主さんに知っておいてもらいたいのは、ワンちゃんやニャンちゃんが肥満になることによって起きるリスクです。

太ってしまうとどんなリスクが発生して、なぜダイエットが必要なのかについて分かりやすく説明していきます。

犬や猫が肥満になる原因は食べ過ぎ

体重が増えてしまう原因は、私たち人間も犬や猫などのペットも同じです。摂取カロリーが消費カロリーを上回ると太ります。太りやすい食べ方や、痩せやすい組み合わせなど色々と言われていますが、太るかどうかはこれが全てです。

太らないようにするには、摂取カロリーと消費カロリーを同じ値にすればいいので、もし食事を与えすぎたら、それを消費するための運動が必要になります。ワンちゃんの場合は、散歩の距離を延ばすことでたくさん食べても、太らないようにすることも可能です。

ただ、運動するにしても限度があります。飼い主さんが長時間の散歩に耐えられないというケースもありますよね。そうなると、消費カロリーが上がりませんので、食べ過ぎが肥満を招くことになります。

もちろん、食べ過ぎ以外にも病気や薬の副作用で太るワンちゃんやニャンちゃんもいます。でも、そのような特殊なケースを除いて、ペットが肥満になる理由は食べ過ぎにあると考えてください。

肥満の基準はどこから?

ワンちゃんやニャンちゃんが肥満になる理由のひとつとして、飼い主さんが肥満の基準を把握していないことが考えられます。基準が分からないから少し太ったかなと思っても「まだ許容範囲内」と思って、ダイエットをせずにどんどん太っていきます。

ここでは、どのような状態にあるワンちゃんやニャンちゃんが肥満なのか、その基準についてご紹介します。

犬の肥満基準

犬は犬種ごとに大きさが違い、同じ犬種でも体の大きさが倍近く違うこともあります。このため、人間のようにウエストサイズを測って「メタボです」と診断することができません。愛犬が肥満にあるかどうかは、獣医さんに見てもらうしかありません。

ただ、どの犬種にも基準体重があり、そこから20%以上高い場合には肥満と判断するのが一般的です。たとえば基準体重が5kgのワンちゃんの場合は、6kgを超えると肥満状態になりますので、それを超えるようですとダイエットが必要になります。

また、ワンちゃんにはボディ・コンディション・スコア(BCS)というものがあり、上から見て腹部にくびれがなくなるとBSC4の「やや肥満」となり、完全に外側に丸くなって肋骨を触れなくなるとBCS5で「肥満」と判定されます。

猫の肥満基準

猫も種類がとても多く、小柄な猫は基準が2kg後半で、大柄な猫は7kgくらいあります。ただ、一般的に日本で飼われている猫は3~5kgの範囲内に収まりますので、5kgの20%増からが肥満と考えると、6kg以上は危険水準にあると考えられます。

猫の場合にもBCSがありますが、最もわかりやすいのが肋骨です。肋骨を触るのが難しければ、それはすでに肥満の域に入っています。上から見て腰のクビレがなくなってきたらBCS4の状態ですので、ダイエットを始める必要があります。

太った犬や猫に発生するリスク

肥満になるとダイエットが必要になるとお伝えしましたが、犬や猫は肥満になったところでモテなくなるわけではありませんし、仕事に支障をきたすわけではありません。だったら好きなだけ食べて、満足した一生を送らせてあげてはいけないの?そう思う飼い主さんもいますよね。

でも肥満になることには、健康上の大きなリスクを抱えてしまう可能性があります。病気になって寿命が縮まることもあれば、体にトラブルを抱えて、ほとんど歩けなくなるようなこともあります。ここでは、ワンちゃんやニャンちゃんが太ったときに、どんなリスクが発生するのかをご紹介します。

体重が増えて関節や骨に負荷がかかる

体重が増えることによって問題になるのが、関節や骨です。私たちも体重が増えると歩いたり走ったりするときに関節が痛くなることがありますよね。それはワンちゃんやニャンちゃんでも同じことが言えます。特に小型犬は先天的に関節にトラブルを抱えているケースが多く、まったく歩けなくなることもあります。

椎間板ヘルニアも肥満が引き起こす病気です。犬も猫も四足歩行で背骨が反っていますので、どうしても腰に負担がかかるのですが、肥満になるとその負荷がさらに大きくなり、背中が反りすぎて椎間板ヘルニアを引き起こします。

いずれのケースも散歩をしたり、部屋の中を歩き回ったりすることもなくなります。そうなると消費カロリーが減ってしまいますので、さらに太りやすくなるという悪循環が発生します。

脂肪が増えて体のあちこちにトラブルが発生する

肥満になると体脂肪率がアップします。例えば肥満になると体のあちこちに脂肪が増えますので、呼吸器官が圧迫されてしまいます。そうなると呼吸器の弱いワンちゃんやニャンちゃんは、呼吸器系の疾患を悪化させてしまう可能性があります。

圧迫されるのは呼吸器だけでなく、腸なども脂肪に押されてしまいます。その結果、便の通りが悪くなりますので、便秘気味になります。ちなみに上記でお伝えした椎間板ヘルニアも、便秘の原因のひとつとされています。

そして、脂肪が増えると皮下脂肪が増えて皮膚にハリがなくなります。そうなるとシワが増えてしまい、そのシワに汚れが溜まったり、菌が繁殖したりして皮膚炎を引き起こします。猫は肥満になるとグルーミングが出来なくなりますので、さらに皮膚トラブルのリスクが高まります。

糖尿病の危険性もアップする

肥満が引き起こすこわい病気の代表が糖尿病です。正確には肥満が引き起こすというよりは、糖を過剰に摂取したことで糖尿病になりますが、肥満になるというのは糖質過多が原因のひとつと考えられていますので、肥満になると糖尿病リスクがかなり高まります。

糖尿病はそれだけでも危険な病気ですが、白内障や肝障害、細菌感染などの合併症を発症させるリスクがあります。さらに治療は長期間かかりますので、治療費もかなり大きな額になってしまいます。このため、糖尿病に関しては、予防することがとても重要になります。

無理なくダイエットをする方法

肥満になることが、いかに危険なのか理解できたかと思います。でも無理なダイエットをすることはワンちゃんやニャンちゃんにとってはストレスになります。ストレスも寿命を短くしてしまいますので、あまりよろしい状態ではありません。

そういう観点からすると、ペットが気づかないうちにダイエットをしているというのが理想です。ではどうすればいいのか?その方法は2つあります。

  • 飼い主ができるだけ長く遊んであげる
  • 低カロリー高タンパク質のペットフードに切り替える

運動はそれほど減量効果がないとされていますが、運動をしないよりもしたほうがいいに決まっています。何よりも、体を動かして遊ぶことが楽しいと思えることが大切です。ただ、散歩の距離を延ばすだけですと嫌がってしまうワンちゃんもいますし、そもそもニャンちゃんは散歩をしませんよね。

ですので、飼い主さんが一緒になって遊んであげることが大切です。遊びなら楽しくなっていつも以上に体を動かしてくれます。

そしてやっぱり大事なのが食事です。理想は食べる量は変えずに低カロリーになるドッグフードを選ぶことです。注意したいのは、カロリーは減らしてもタンパク質の量は減らさないということです。ワンちゃんやニャンちゃんに必要な栄養素はタンパク質です。

これが減ってしまうと十分な筋肉を作ることができませんので、ダイエットをするなら低カロリー高タンパク質のドッグフードを選びましょう。例えば当店で取り扱っているドライフードとしては下記の2種類がおすすめです。

繰り返しになりますが、大事なのはしっかりと食べるということです。私たちも無理な食事制限ダイエットをするとリバウンドしてしまいますよね。食べられないということは思った以上にストレスになってしまいます。

ストレスは健康面でもマイナスにしかなりません。だったら、少量しか食べられない高カロリーのドッグフードではなく、カロリーを抑えつつも栄養価の高いドッグフードを選んであげましょう。

まとめ

好きなものを好きなだけ食べさせたい。そういう考えの飼い主さんが増えてきましたが、その結果として肥満になり、そこから糖尿病などの病気を患ってしまうケースが目立つようになってきました。そうなると結果的に、好きなものを食べられない生活が始まります。

優しさと甘いことは必ずしも同じではありません。愛犬や愛猫のことを考えるのであれば、時には厳しく行動を制限させなくてはいけないこともあります。かわいいワンちゃんやニャンちゃんと1日でも長く一緒に過ごしたいのであれば、肥満にならないように飼い主さんがしっかりと食事のコントロールをしてあげましょう。


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