高齢犬・猫の腎臓病

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犬の死亡原因として3番目に多いのが腎臓病です。猫の場合は2番目です。このため、腎臓病はペットを飼っている人が常に気をつけなくてはいけない病気のひとつです。ただし、腎臓病をどのように予防すればいいのか、そもそもどういう病気なのかもわかりませんよね。ここではそんなペットの腎臓病について解説します。

死因原因の上位となる腎臓病

日本アニマル倶楽部が発表している犬・猫の死亡原因のトップ3は次のようになります。


1位 ガン 54%
2位 心臓病 17%
3位 腎不全 7%


1位 ガン 38%
2位 腎不全 22%
3位 猫伝染性腹膜炎 10%

いずれもトップはガンですが、腎臓病のひとつである腎不全は犬では3位、猫では2位と、かなり上位にランクインしています。特にニャンちゃんの場合は、5匹に1匹が腎不全で死んでしまいます。これはかなり高い確率です。

腎不全は日常生活の中で、完全ではないものの予防できる病気です。もちろん老化などによって手の打ちようがないケースもありますが、早期発見・早期治療で改善できるケースも珍しくありません。特に偏った食生活でも発症することもあるため、食事の見直しでも予防できます。

糖尿病やガンによって併発されることも多い腎不全などの腎臓病。多くのワンちゃんやニャンちゃんが、無関係でいられない病気ですので、飼い主さんは最低限の知識を身につけておくようにしましょう。

腎臓病はどんな病気

腎臓には血液を濾過して老廃物などを濾過する機能があります。腎臓病はその機能が徐々に衰えてくる病気で、腎機能が低下した状態を腎不全と呼びます。腎不全には慢性腎不全と急性腎不全の2種類があります。慢性腎不全の場合は、長い時間をかけて悪化していきますが、急性腎不全の場合は1日で急激に悪化してしまうこともあります。

急性腎不全の場合は治療によって回復する可能性がありますが、慢性腎不全は早期発見となっても腎機能の回復の見込みはほとんどありません。

腎臓はとても強い臓器ですので、半分くらいが機能しなくてもなんとかなってしまいます。このため腎臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、病気が発覚したときには手遅れになっていることが多い病気でもあります。

これは人間でも同じことで、しっかりケアをして健康診断を定期的に受けておかないと、症状が出てくる頃には、すでに末期状態ということがよくあります。

腎不全になると体内に老廃物がずっと残った状態になります。重症になると、老廃物が体内に大量にたまり、尿毒症を引き起こすケースもあります。わかりやすい症状が出るのは、このような非常に重症になってからです。

腎臓病の原因

腎臓病には慢性腎不全と急性腎不全の2種類があります。それぞれに原因が違いますので、ここではそれらの原因について紹介します。

慢性腎不全

慢性腎不全の原因は、歯周病菌による腎臓の炎症という説もあれば、尿道から病原菌が入るという説もあります。いまはその原因が明確になっていないのが慢性腎不全の特徴です。ただし、老化とともに発症しやすいということだけは分かっています。

15歳以上になると、ワンちゃんもニャンちゃんも非常に高い確率で慢性腎臓病になります。ニャンちゃんの場合は30%とも言われています。ある程度の予防はできるものの、高齢犬や高齢猫にとって、腎臓病は避けることができない病気のひとつです。

急性腎不全

・腎臓の異常
・血流悪化
・排尿障害

腎臓が急激に機能低下する理由としては、上記の3つの原因が考えられます。腎臓そのものにトラブルが発生することで、腎機能が低下するケース。熱中症などで、腎臓に血液が送られてこないことで、腎機能が低下するケース。そして、利尿できなくなることで老廃物を排出できなくなることで発症するケースがあります。

ぶどうやユリ、抗生物質などを食べたことで急性腎不全になることもあります。飼い主さんが気をつけていても、散歩の途中などで口にしてしまう可能性もありますので、気をつけるようにしましょう。

腎臓病の症状

腎不全になると、体内の老廃物を排出できなくなってしまいます。体の中にどんどんと有害な物質が溜まっていくことで、症状としては次のようなものが見られます。

・食欲不振
・吐き気
・嘔吐
・下痢

急性腎不全の場合は、これらの症状に加えておしっこの量が大幅に減ってしまうこともあります。これらの症状が出てくると体内の水分が足りなくなり、脱水症状も見られるようになります。症状を見逃して、さらに悪化させると尿毒症や高カリウム血症を引き起こすこともあります。

慢性腎不全の場合はゆっくりと進行して、腎臓の3/4以上の機能が低下するまで、上記のような症状は見られません。初期には尿の色が薄くなるとされていますが、毎日見ている飼い主さんでも気づくことはほとんどありません。

しばらくすると水を大量に飲んで、何度もおしっこをするようになります。この段階で発覚することもありますが、多くのケースではもっと悪化しなければ気づけません。嘔吐や下痢を繰り返して、場合によっては痙攣や昏睡状態になって初めて、慢性腎不全に気づくこともあります。

腎臓病予防ですべきこと

腎臓病は腸のトラブルが原因になる場合もあります。そのため水をたくさん飲むと腎臓に負担がかかって病気になる説も聞きますが、逆に水分量の不足により排泄が十分にできなくなるため、腎臓病のリスクが高まります。

慢性腎不全の場合は正確な原因がわからないため、このように正しいと思われている予防方法が、腎臓病を引き起こすこともありますので、予防は慎重に行う必要があります。ただし有効な予防方法とされているものもありますので、ここではそれらについて紹介します。

口内ケアを行う

歯周病も腎臓病の原因のひとつとして疑われています。歯周病そのものが腎臓病を引き起こすのではなく、歯周病によって歯肉周辺の血管から最近などが入り込んで、腎不全や心不全、肝不全を発症すると言われています。このため、口内ケアが予防では効果的と言われています。

口内のケアは、病原体のケアをシャットアウトするだけでなく、病状の悪化を防ぐ上でも大いに有益です。それには、日々の歯磨きの習慣をつけることが大切です。歯磨きの方法としては、歯と歯茎のすきまに歯ブラシを立てるようにして空気を入れるような感覚で行うことがコツです。なぜなら、口内で増える菌は、酸素によって抑えられることが多いからです。

ただ、犬・猫の歯磨きはよほどの上手な人でなければ一人では出来ません。どうしても口の中を押さえてくれる人が必要です。幼犬の頃から習慣づけていないと、なかなか容易にはできないでしょう。

どうしても歯磨きができそうにない犬には、野菜の絞り汁や市販されている乳酸菌をブレンドしたパウダーを口の中に入れるだけでも効果的ですので試してみましょう。ネバネバだった唾がサラサラに変わります。口の中の悪い菌が減って状態がよくなれば、腎臓病のリスクが下がることを期待できます。

また、歯磨き代わりにもなるおやつを有効的に活用してください。こすり付けることで歯磨きの働きをし歯を丈夫にもします。もちろん与え過ぎは肥満を招きますので、あくまでも適量を歯磨きも兼ねて与えるようにしましょう。

食べ物や水に気をつける

腎臓病は食べ物や水に気をつけることで、ある程度は予防することができます。日頃から次の3点は注意するようにしましょう。

・レーズンやぶどうは絶対にNG
・タンパク質と塩分は控えめにする
・水が足りないということのないようにする

まず、飼い主として覚えておかなくてはいけないのが、ぶどうやレーズンを与えないということです。これ以外にもワンちゃんやニャンちゃんに与えてはいけないフードがありますが、それらも含めて、ひと通り頭に入れておくようにしましょう。

レーズンやぶどうは腎臓病を引き起こす可能性がとても高い食材です。人間の食べるものを与えることの多い飼い主さんは特に注意してください。

タンパク質とリン、そして塩分を摂取しすぎると腎機能が低下すると言われています。若いうちは気にしなくても問題ないかもしれませんが、その積み重ねが慢性腎不全を引き起こす可能性もあります。高齢犬や高齢猫にはタンパク質と塩分を抑えた食事を基本として、若いワンちゃんやニャンちゃんでも塩分が過剰にならないように気をつけましょう。

水分不足も腎臓病を進めてしまいます。特に夏場のように汗をかきやすい季節は、脱水症状になりやすいので、水が足りなくなるようなことがないように気をつけてください。水は残っていても、定期的に新しいものに変えてあげてください。

腎臓病との向き合い方

どれだけ予防を行っても、腎臓病を完全に防ぐことはできません。特に高齢になってしまうと、かなりの確率で腎臓病を抱えてしまいます。そんなときに、ワンちゃんやニャンちゃんとどのように向き合っていくべきか、その向き合い方について説明します。

急性腎不全はすぐに病院へ

急性腎不全は一刻を争う状態です。ワンちゃんやニャンちゃんに異変を感じたら、すぐに主治医に電話をして、動物病院で診てもらうようにしましょう。その行動が早ければ早いほど回復する可能性が高くなります。

「ちょっと様子を見てみよう」急性腎臓病の場合はこれは厳禁です。熱中症のような症状が見られたり、薬やぶどう、レーズンなどを口にした後に調子が悪くなった場合は、すぐに対応するようにしてください。

急性腎不全の場合は輸液治療などを行って、体内の毒素を排出させます。毒素が体内に溜まりすぎる前に行うことができれば、健康な状態を取り戻すことができますので、早期発見早期治療を心がけてください。

慢性腎不全は食事を見直す

慢性腎不全は治療をおこなっても、腎臓を元の状態に戻すことはできません。このため、発症に気がついたら、進行を遅らせることを考えます。そのために有効なのが食事療法だと言われています。

タンパク質が腎臓病を引き起こす可能性があると紹介しましたが、ワンちゃんやニャンちゃんの健康のためには、タンパク質を完全にカットするのはNGです。カットすべきは質の低いタンパク質です。高品質のタンパク質であれば、腎不全を進めることはありません。

このため、慢性腎不全の食事療法としては、手作り食を推奨しているお医者さんも少なくありません。手作り食なら人間が食べられるくらい高品質の食材を使うことで、栄養をしっかり摂りながら、腎臓病の進行を遅らせることができます。

また、穀物はリンをたくさん含んでいるため、これは避けるようにしましょう。ドライフードを使うときは穀物の使用を完全に避けることは難しいので、ウェットフードや手作り食と合わせて穀物量が増えないように気をつけてください。

手作り食が理想ですが、すべてを手作り食に変える必要はありません。上手に手作り食とペットフードを組み合わせることで、無理なく腎臓病対策の食事を作ることができます。

ただし、選ぶペットフードの質にはこだわってください。ペットショップやホームセンターなどで大安売りしているような商品は避けて、多少価格は高くても、無添加で品質の高いペットフードを与えるようにしましょう。添加物は腎臓病だけでなく、様々な病気の原因となっています。

また、ワンちゃんやニャンちゃんによっても最適な食事は違いますので、きちんと主治医の指示に従って食事を選ぶようにしましょう。重症になっている場合は、専用のドッグフードを処方されます。そのような場合は、自分の判断で食事を与えるのではなく、処方されたドッグフードを使うようにしましょう。

推奨したいフード

ここではワンちゃんやニャンちゃんが腎臓病にならないために、その予防や食事療法としておすすめのフードについて紹介します。腎臓病対策で何を与えるべきか分からなくて困っている飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。

犬用・猫用ドライフード

原材料のアジに含まれているオメガ3系脂肪酸は、体内から病原体を排除するのに有益です。血行をよくして、腎臓病の要因となる動脈硬化を防ぐのにも役立ちます。また、魚に多く含まれる抗酸化物質は、体内に老廃物がたまって発生する活性酸素を抑えてくれるので、積極的に摂取しましょう。

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犬用おやつ/絹ごしとうふ

たんぱく質の摂取制限が必要な場合でも、このような栄養価の高い大豆たんぱく質が腎臓の働きを助けてくれます。豆腐や豆類を中心とした植物性たんぱく質主体の食生活を心がけてみてください。

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犬用おやつ/ササミジャーキー

ササミを牛皮ガムに巻いたワンちゃんに大人気のおやつです。天然素材を無添加、無着色でじっくり乾燥させています。噛みごたえがあり、歯を丈夫にさせることだけでなく、歯磨き代わりに使用することも可能です。

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