フードの量が少なすぎると犬や猫はどうなってしまうの?

Pocket

ワンちゃんやニャンちゃんの飼い主さんの多くが抱えている悩みのひとつとして、「ペットの肥満」があります。でも、肥満にさせないようにと気を使いすぎて、反対にフードが足りていない状態になることもあります。

肥満になるよりはいいのでは?そう思う飼い主さんもいるかと思いますが、実は肥満よりもフード不足のほうが健康面では大きな問題になります。必要な量のフードを与えないと、ワンちゃんやニャンちゃんはどうなってしまうのか。ここではその問題について詳しくご紹介していきます。

食べたものが犬や猫の体を作る

あたり前のことなのですが、私たち人間も、犬も猫も口にしたもので体が作られています。筋肉を作るにはタンパク質が重要ですので、タンパク質がまったく含まれていない食事(サラダばかり食べる)を続けていると、筋肉が作られず体がどんどん弱っていきます。

タンパク質というのはとてもわかりやすい例ですが、例えば成犬が生きていくために必要なドッグフードに含まれているタンパク質と脂肪の割合は、下記のような基準が定められています。

タンパク質:18%以上
脂肪:5.5%以上

これはAAFCO(米国飼料検査官協会)のドライフードの栄養基準で、総合栄養食としてのドッグフードを作るときの基準になっています。100gのドッグフードに18g以上のタンパク質と5.5g以上の脂質がない場合には、ワンちゃんは栄養不足になってしまい、健康を維持することができなくなる可能性があります。

肥満にならないようにすることも飼い主さんの役割ですが、必要なだけの栄養を与えることも飼い主さんの大事な役割です。ワンちゃんやニャンちゃんは自分で餌を獲ってくるわけではありませんので、しっかりとした体を作るためには、過不足なくしっかりとフードを与える必要があります。

フードの量が少ないことによる問題

それでは具体的に、フードの量が少ないとワンちゃんやニャンちゃんにどのような問題が発生するのかを見ていきましょう。

  • 栄養不足になってやせ細ってしまう
  • 皮膚病になり毛並みが悪くなる
  • 骨や歯が弱くなり骨折しやすくなる
  • 筋力が低下して動きが緩慢になる
  • 内臓疾患などの病気にかかりやすくなる

フードの量が少ないだけで、こんなにも体にトラブルが起きるなんて信じられないかもしれませんが、体の栄養が足りていないのですから当然の結果です。ワンちゃんやニャンちゃんも毎日細胞が新しく生まれ変わっています。新しく出来る細胞に十分なエネルギーがなければ、健康な体を得ることはできません。

では、なぜ上記のような問題が発生するのか、その理由について見ていきましょう。

栄養不足になってやせ細ってしまう

目に見えて分かるのは、体が細くなってしまうことです。肋骨が浮いて見えて、体つきが貧相になっていくのですが、この原因はカロリー不足にあります。必要なカロリーが足りていないなら、体の脂肪を燃焼してエネルギーにします。このため最初は脂肪が減ってシャープに見えます。

ところが、脂肪を使い切るとやはりエネルギーが足りなくなりますので、今度は筋肉もエネルギーとして使うようになります。その結果、骨と皮しかないような状態になってしまいます。

皮膚病になり毛並みが悪くなる

食事が不足すると体の末端にまで栄養が行き渡らなくなります。私たちも痩せすぎると髪の毛の艶がなくなりますよね。さらに皮膚バリアとして機能する脂質が不足しますので、皮膚病などのトラブルを抱えやすくなります。

脂質は太りやすいというイメージがあり、徹底して脂質をカットする飼い主さんもいますが、脂質はワンちゃんやニャンちゃんにとって重要な栄養素です。AAFCOの栄養基準でも必要なものとして挙げられているほどですが、脂質が不足すると、皮膚や毛並みに悪い影響を与えると覚えておきましょう

骨や歯が弱くなり骨折しやすくなる

カルシウム不足は骨や歯に影響を与えます。骨の細胞も常に新しいものに生まれ変わっていますが、カルシウムが不足すると骨そのものが弱ってしまい、骨折しやすくなります。身体中の骨が弱ってしまいますので、顎の骨ももちろん薄くなり、そこを土台にしている歯が抜けてしまいます。

歯が弱ってくると食欲がさらに減退して、食べる量が減ってしまいます。そうなると栄養不足が加速して、どんどん不健康な状態に向かってしまいます。

筋力が低下して動きが緩慢になる

リンやタンパク質が不足すると、細胞や筋肉を作ることができなくなるため、筋力が低下してしまいます。そうなると散歩したり、遊んだりするのが嫌になってしまい、さらに筋力が低下するというサイクルに入ります。

運動が健康を守るために大切なのは、人間も他の動物も同じです。運動をしなくなると脳への刺激も減りますので、老化が早く進んでしまいます。そうなると寿命も短くなってしまいます。しっかりとした運動をするためにも、適切な量の栄養が必要になります。

内臓疾患などの病気にかかりやすくなる

栄養不足はもちろん内臓にも影響を与えます。筋肉を作れなくなるということは、内臓も同じように作ることができなくなり、本来必要な機能を果たせなくなります。筋肉や脂肪が不足すると体温が低下しやすくなり、内臓に十分な量の血液が流れない状態になってしまいます。

免疫力も低下していますので、簡単にウイルスや菌にやられてしまうのも栄養不足の特徴です。弱っている内臓にそれらの菌が入り込むと、退治しきれなくなって内臓疾患となってしまうわけです。

カロリーだけでなく栄養バランスも大切

飼い主さんの中には、十分なカロリーを与えていればいいという考えの人もいるようですが、健康な身体を維持するには、カロリーだけでは足りません。ここまでの説明でも分かりますように、タンパク質や脂質はとても重要ですし、ミネラルやビタミンなども摂取しなくてはいけません。

いくらカロリーが高くても、脂質が不足すると皮膚病になったり、被毛の艶がなくなったりします。タンパク質が不足すると筋力が低下しますし、カルシウム不足は骨を弱くします。カロリーはエネルギーですのでとても大切ですが、栄養バランスのとれた食事も大切です。

とはいえ、総合栄養食と表示されているドッグフードを使えば、この栄養バランスに関してはそれほど神経質になる必要はありません。総合栄養食はそれさえ食べていれば、必要最低限のカロリーと栄養を摂取することができるすぐれものです。

当店で取り扱っている犬用ドライフード猫用ドライフードも、総合栄養食で必要なだけの栄養成分がきちんと含まれています。そのような栄養バランスのすぐれたドッグフードを使っていれば、気をつけなくてはいけないのは1日に与える量だけです。

どのドライフードも、体重と成長ステージに合わせた最適な量が記載されていますので、まずはそれに合わせたフードを与えるようにしましょう。それでも栄養が不足しているようでしたら、量を徐々に増やしてみましょう。

「与え過ぎて太ったらどうしよう」と心配するかもしれませんが、足りないよりは多いほうがまだマシです。足りないものはどうしようもありませんが、多い分には運動で消費させるということが可能です。太ってきたと感じるようなら、そこから量を絞りましょう。太る前から太ったらどうしようと神経質になる必要はありません。

まとめ

最近は肥満になるワンちゃんやニャンちゃんが増えてきましたが、それを避けるためにフードの量が足りていないケースも目立つようになりました。特に肥満になってしまったときに、無理なダイエットをして栄養失調になってしまうことがよくあります。

何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。与え過ぎもいけませんが、不足はもっといけません。ワンちゃんやニャンちゃんは栄養が不足していても、自分で補うことができません。足りないものはそのまま身体に影響を与えてしまいます。

人間も同じですが、多少脂肪が付いている方が健康を維持できます。必要以上にダイエットさせたり、肥満対策をしすぎたりしないように気をつけましょう。また、栄養バランスに優れたドッグフードを与えて、過不足なく栄養補給ができるようにしてあげましょう。