蚊からペットを守りましょう
夏になると人間を悩ませるのが蚊ですよね。眠りについたあとに、室内に1匹でも飛んでいたら、一晩中ずっと蚊に襲われ続けて寝不足なんてことも珍しくありません。もちろんペットも人間と同じように、蚊の標的になります。
そして、ワンちゃんの場合にはフィラリア症のリスクもありますので、できるだけ蚊に近づけないようにしてあげたいところです。あまり知られていませんが、フィラリア症は犬だけでなく、猫もかかります。猫の場合は治療法が確立されていません。
ワンちゃんやニャンちゃんにとって、蚊はとても危険な生き物です。ここではそんな蚊からペットを守る方法について、詳しく説明します。ペットの蚊対策は人間の蚊対策にもなりますので、ぜひ蚊を寄せ付けない方法について学んでください。
目次
蚊が吸血するしくみ
蚊はメスしか血を吸わないというのは、すでに常識になりつつありますよね。蚊が吸血をするのは産卵のためです。吸血して産卵をすると、24時間以内にまた吸血したくなるようです。そして吸血して産卵を何回も繰り返します。
夜中に蚊がよってくると、なんで蚊は暗闇でも人間のいる場所がわかるのだろう?そう疑問に感じるかもしれません。蚊は哺乳類の吐き出す二酸化炭素に反応します。私たちが呼吸をしているだけで、それに近づいていくようにできているのです。
もちろん犬や猫も哺乳類で、呼吸をして二酸化炭素を吐き出しています。このため、ワンちゃんもニャンちゃんも人間と同じように蚊に刺されてしまいます。しかも人間のように、蚊を追い払うようなことをしませんので、余計に可に刺されてしまいます。
ペットが蚊に刺されたらどうなる?
私たち人間は、蚊に刺されると赤く腫れて痒みを感じますよね。ワンちゃんやニャンちゃんの場合はどうなのでしょう?人間と同じように痒さを感じるのでしょうか?
ワンちゃんやニャンちゃんも痒さを感じます。ただし、人間ほどには痒くはないと言われています。痒みや痛みというのは感覚ですので、定量的に測ることができません。このため、ペットがどれくらい痒さを感じているのか、その実態はわかりません。
それでも、人間のように刺された場所を、いつまでも気にすることはあまりありません。もちろん、人間と同じように個体差があります。痒みを感じやすいワンちゃんやニャンちゃんもいれば、まったく気にならないというケースもあります。
いずれにしても、蚊に刺されたからといって、大げさに騒ぐ必要はありません。ただし、蚊はフィラリア症という怖い病気を引き起こす可能性があります。このため、飼い主さんにはできるだけ蚊に刺されない環境づくりというのが求められます。
ペットの蚊対策は、痒みをふせぐためというよりも、フィラリア症にさせないために必要なのだと覚えておきましょう。
蚊とフィラリア症の関係
ペットを飼っている人なら、一度くらいはフィラリア症について聞いたことがあると思います。フィラリア症はペットの心臓や肺動脈に寄生する寄生虫が引き起こす病気です。犬フィラリアと呼ばれている寄生虫は30cmくらいの長さにまで成長します。
フィラリアが心臓や肺動脈に寄生すると、血流が悪くなります。その結果として血が流れなくなって、ワンちゃんやニャンちゃんが死んでしまうこともあります。
フィラリア症になる理由
フィラリアの幼虫を運ぶのが蚊です。フィラリアに寄生された犬の血にはフィラリアの幼虫が含まれています。その血を吸った蚊が、寄生されていない犬の血を吸うと、フィラリアの幼虫が正常なワンちゃんやニャンちゃんにも移ってしまいます。これがフィラリアに感染するメカニズムです。
犬のフィラリア症予防方法
とても怖いフィラリア症ですが、ワンちゃんの場合はきちんと予防すれば感染を防ぐことができます。注射もしくは飲み薬を使えば簡単に予防できますので、フィラリアの予防をしたいときには主治医に相談してみましょう。
また、家の周りでかを発生させないようにすることも重要です。蚊がいなければフィラリアにもなりません。薬で体を守り、蚊も発生しないような環境づくりができれば、ワンちゃんがフィラリア症になることはまずありません。
フィラリア症にかかったら
もし、万が一フィラリア症にかかったら治療を行うのですが、治療方法はケース・バイ・ケースで違います。単純に駆除するために薬を飲むと、血管内にフィラリアの死骸が溜まってしまうことになるため、安易に駆除剤を使えません。
そう考えると、予防することがいかに重要なのかがわかりますよね。ある程度の治療はできても、完治がとても難しい病気です。徹底した予防と早期発見早期治療を心がけてください。ちなみに、下記のような症状があるとフィラリア症に感染している可能性があります。
・慢性的な咳
・激しい運動ができなくなる
・元気がなくなる
・運動時に気を失う
・お腹がふくらんできた
・食欲がない
ちょっと体調を崩した程度と同じような症状ですので、なかなか初期段階では感染に気づきません。気づいたときには手遅れになっている。それもフィラリアの怖さのひとつです。
猫のフィラリア症予防方法
フィラリア症について、その危険性について理解してもらえたかと思いますが、これがワンちゃんではなく、ニャンちゃんだった場合は、もう少し突っ込んで理解をしておく必要があります。フィラリア症はワンちゃんの病気だと思っている人が多いようですが、本当に悩ましいのはニャンちゃんのフィラリア症予防です。
猫のフィラリアに関しては、獣医さんによって考え方がまったく違うということも珍しくありません。まったく予防は必要ないと言う獣医さんもいれば、きちんと投薬すべきという獣医さんもいます。
これは猫がフィラリアにかかる確率が低いのに対して、フィラリアの予防薬にはいくつかの副作用があるためです。あまり発生しない病気に対して、リスクのある薬を与えるというのは判断がとても難しいですよね。薬のリスクを懸念している獣医さんは、薬での予防を勧めません。反対に薬は安全だと考えている獣医さんは、薬での予防を推奨します。
猫がフィラリア症にかかった場合は、猫の免疫力によって駆除させようという考え方が一般的です。猫は犬よりも心臓が小さいため、駆除剤を使うと高い確率で心臓が詰まってしまうためです。しかも猫の場合は、検査での発見も難しく、見つかったときにはすでに手遅れになっていることがほとんどです。
予防という点では、犬よりもさらに蚊に刺されないように気をつけなくてはいけないことが分かるかと思います。猫はできるだけ室内飼いにして、蚊に刺されないようにするのが理想です。薬を使うかどうかは、獣医さんとしっかり相談をして決めるようにしましょう。
蚊の発生源
蚊からペットを守るためには、蚊はどのような場所に潜んでいるのか、その生態を知っておく必要があります。
蚊は草むらやヤブにいると思っている人が多いかもしれませんが、蚊が発生するのはたまり水です。例えば、バケツなどにたまった雨水にメスの蚊が産卵し、そこでボウフラ(幼虫)となります。ボウフラは数日でサナギになり、2~3日で羽化して成虫の蚊になります。
蚊を発生させないためには、いかにしてたまり水を作らないかということが重要です。マンションのベランダや一軒家の庭などに、雨水が溜まりやすい形になっているものがありませんか?植木鉢の受け皿、ジョウロ、空き缶など、少しでも水があると、そこが発生源になります。
公園にある大きな池も、もちろん蚊の発生源です。どこでも一定の水さえあれば、蚊は産卵ができます。こういう場所には蚊がいるのだということを覚えておきましょう。
蚊が室内に入ってくるのを防ぐ方法
ペットを蚊から守るためには、まず室内に蚊が侵入するのを防ぐことを考えましょう。これは私たちにとっても効果がありますので、取り入れることができそうなものはすべて試してみましょう。
ボウフラを発生させない
蚊の発生源についての項目で説明したが、蚊が発生するのはたまり水のあるところです。家やマンションの周りで、たまり水となるものは徹底して排除しましょう。庭やベランダにいろいろと物を置いている人もいるかと思いますが、庭やベランダにはできるだけ物を置かないようにしましょう。
ボウフラを発生させないことが、蚊の侵入を防ぐための基本です。蚊がいなければ入ってくることも防げますので、家の周りやマンションのベランダにたまり水を作らないように、きれいに整理整頓しておきましょう。
蚊取り線香を使う
蚊にはやはり蚊取り線香が効果的です。ただし、人間が使っている蚊取り線香はワンちゃんにとって必ずしも安全とは言えません。最近は安全性の高いペット用の蚊取り線香も売られていますので、それらを利用してください。
窓は基本的に閉めておく
窓を開けるから蚊が入ってきます。網戸にしていても、サッシの隙間から蚊は簡単に侵入しますので、基本的には窓を開けないのが理想です。ペットの種類にもよりますが、そもそも日本の夏の暑さに向いていないワンちゃんやニャンちゃんがいっぱいいます。
夏場は、窓を開けて涼しくするのではなく、窓は閉じてエアコンで室温管理をしましょう。そうすることで熱中症対策にもなり一石二鳥です。
散歩をするときの蚊対策
部屋の蚊対策ができたら、次はワンちゃんの散歩です。いくら家の中に蚊がいなくても、散歩中には蚊に刺される可能性があります。しかも散歩コースは他のワンちゃんも似たようなものですので、フィラリアの感染確率が上がってしまいます。
とはいえ、ワンちゃんの散歩をしないわけにもいきませんよね。ここでは、散歩をするときに気をつけたいポイントについて紹介します。
犬用の虫除けグッズを使う
蚊の対策で悩んでいる飼い主さんがたくさんいますので、ワンちゃん用の虫除けグッズも様々なものが売られています。一般的なのが犬用の虫除けスプレーですが、最近は首輪などにつけられる、虫除けクリップなども売られています。
ワンちゃんによっては、それらを嫌うかもしれません。相性がありますので、ワンちゃんがいやがらないグッズを見つけることから始めましょう。
アロマやハーブで虫除けを自作する
ペット用の虫除けグッズを調べていると、その安全性に不安を感じる人もいるかもしれません。そういう人は、安全性の高い虫除けスプレーなどを自分で作ってみましょう。ユーカリやレモングラス、ゼラニウム、ラベンダーなど、虫が嫌う成分を含んでいるハーブがいくつもあります。
市販の虫除けグッズよりも効果は薄いかもしれませんが、安全性を重視したいという場合は、ハーブを使って、虫除けアイテムを自作してみましょう。
蚊の活動時間を避けて散歩する
蚊は四六時中飛び回っているわけではありません。
アカイエカ、チカイエカ:夕方から夜
ヒトスジシマカ:昼から夕方
アカイエカとチカイエカは住宅地でよく見かける蚊です。ヒトスジシマカはヤブ蚊とも呼ばれる、体が黒くて、関節が白い蚊です。いずれも夕方には活発に活動をしますので、できるだけこの時間の散歩を避けましょう。どうしても夕方にしか散歩ができないという場合は、十分な蚊対策を行ってから行きましょう。
基本的には朝の涼しい時間の散歩がおすすめです。特に夏場はアスファルトが高温になるため、太陽が出ている時間の散歩はおすすめできません。涼しくて蚊も活動していない、早朝に散歩してください。
推奨したいフード
ワンちゃんやニャンちゃんを蚊から守るためには、免疫力のアップが効果的です。ここではそのためにおすすめしたいサプリメントや缶詰などのフードを紹介します。ペットが夏バテにならないように、しっかり栄養をつけてあげましょう。
サプリメント/パーフェクトノニ150DX
安全で無害である「ビール酵母」が多く含まれており、必須アミノ酸も同時に補給することができます。150以上の栄養素が入っており、免疫力を高めることができます。
おかず缶詰/オールチキンミール
この体力づくりが必要となる時期に、必ず味方になってくれるおかずです。国産雛鳥のミンチでバランスよく栄養摂取ができます。
おかず缶詰/フィッシュベジミール
こちらは低カロリーなおかず(100gあたり81kcal)ですがタンパク質、脂肪、カルシウム、ビタミン、どれも豊富に効率よくとれますし、食いつきも各段に良くなります。