猫の健康は飼い主が守ろう!愛猫の健康管理術

猫は体調が悪くても熱があっても、飼い主に「病院に行きたい」と言うことはありません。自分の辛さを言葉で伝えることができないため、その態度で示すことになります。猫のいつもと違う感じに気づいてあげることが出来なければ、猫の体調は悪化して、取り返しのつかない状態になってしまうこともあります。

愛猫の健康を守ることができるのは飼い主だけです。猫が長く生きられるように、飼い主はしっかりと愛猫の健康管理を行いましょう。

早めの対処が大切です!猫の病気とその症状

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猫は人間のように「しんどい」や「つらい」を口にしませんので、飼い主が察してあげる必要があります。毎日よく猫の行動を観察して、いつもと違うなと気になることがあれば、猫の主治医に相談するようにしてください。

ここではよくある猫の病気やその症状を紹介しますので、病気の症状と猫の症状を比較して、猫の調子が悪いとき、どんな病気になっている可能性があるのかチェックしましょう。

最も多い病気が泌尿器系の病気

猫がもっともかかりやすいのが泌尿器系の病気です。猫のおしっこは濃いのが特徴ですが、濃いおしっこは結石ができやく、特にオス猫は尿石症になりやすい傾向にあります。

症状としては、トイレに行く回数が増えているのに、実際にはおしっこが出ていなかったり、おしっこをするときに痛がったりします。ひどいときは血尿がでることもありますので、おかしいなと思ったら、すぐにお医者さんに相談してください。

加齢した猫に多いのも泌尿器系の病気で、高齢の猫は慢性腎不全になる確率が高くなります。高齢になって体重が減ったり、食べたものを吐いたりすると慢性腎不全を疑ってください。水をよく飲むようになったりおしっこの量が多いときも要注意です。

消化器系の病気は嘔吐や下痢に注意

泌尿器系の病気の次に多いのが消化器系の病気です、嘔吐や下痢といった目に見える症状が出ますので、他の病気と比べて見つけやすい病気になります。

いつもよりも食事のペースが遅いようなケースでは食道炎の疑いがあります。食道炎の痛みにより食べたものをすぐに吐き出すこともあります。熱いものを食べたり、猫にとって好ましくない食べ物を食べたときに起こりやすい病気です。

その他にも、巨大食道症や急性胃腸炎になる猫もいます。巨大食道症になると、食べている途中で吐き出したり、水を上手に飲むことができなくなることもあります。胃腸炎の場合は、基本的には下痢になりやすく、ひどいときには嘔吐と下痢の両方の症状が出てきます。

口臭が気になったら口内炎の可能性あり

口内炎と聞くと、たいした病気でないと思うかもしれませんが、猫の口内炎と人間の口内炎とでは、その重要性がまったく変わってきます。場合によっては抜歯する必要もあったりしますので、早期発見が猫のためには重要になります。

猫の口臭が気になったら、猫の口の中をチェックしましょう。歯肉が赤くなっていたら口内炎の可能性が高くなります。よだれに血が混じったり、口の周りがよだれで汚れるようになってきたら、口内炎がかなり進行していますので、すぐにお医者さんに相談しましょう。

健康状態をチェック!すぐにわかる元気な猫の見分け方

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猫を飼うときは、子猫が生まれた友人から譲り受けたり、ペットショップで気に入った子を選んだりするかと思います。このとき直感に従って猫を選ぶのもいいですが、少しでも元気のいい猫を選ぶということもひとつの基準として重要になります。

ここでは猫の健康状態をチェックし、元気な猫を見分ける方法を紹介します。

直感で選ぶことや元気のない猫を選ぶことが悪いわけではない

前提としてお話しておきたいのは、元気な猫を選ぶことは大切なことですが、それがすべてではないということは忘れないようにしてください。

世の中には最初からハンディを背負った猫を選ぶ人もいれば、病気だと分かっていてその猫を飼い始める人がいます。それは何も猫に対する哀れみではなく、そのような猫との暮らしだからこそ得られるものがあるためです。

健康で長生きする猫を選ぶだけが、猫の選び方ではない。そのことだけは忘れないようにしましょう。

猫を選ぶときにチェックするところ

健康な猫を選びたい場合に、まず最初にチェックする場所は目です。人間と同じで目が輝いている猫は健康で活発な猫になる傾向があります。目やにや涙で目が汚れていないか、瞬膜と呼ばれる白い膜が目を覆っていないかチェックしてください。

次にチェックするのは猫の毛です。人間は不健康になると髪の毛に艶がなくなりますが、猫も同じです。健康な猫の毛は艶々していてきれいです。毛が抜けていないか、ぱさついていないかをチェックするようにしてください。

足は太くてしっかりしているか、歩き方がおかしくないかとチェックしましょう。他の猫とよく遊んでいる猫は社交性があり、活発に育つ傾向があります。

ブリーダーやペットショップの店員の話を聞く

自分で猫の健康状態をチェックしたら、自分の感じたことをブリーダーさんや店員さんに話してみましょう。「元気で健康そうに見えるけど実際はどう?」もしくは気になる点があれば、「ここが気になるけど、成長には影響しない?」などとなんでも聞いてください。

よほどひどい人でなければ、きちんと答えてくれます。気になる猫が2匹いるようであれば、正確の違いなどを聞いて、自分のライフスタイルに合った猫を選ぶようにしましょう。

育てて数週間、数ヶ月かもしれませんが、そこまで面倒をしっかり見てきた人の言葉を信じて猫を選ぶというのも重要です。

任せて安心!困ったときに頼れる猫の動物病院の選び方

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初めて猫を飼ってすぐに決めておきたいのが、猫の主治医です。家から一番近い動物病院を選ぶという方法もありますが、近所での評判が悪かったり、安心して任せられそうもない動物病院だった場合は、きちんと情報収集をして動物病院を見つける必要があります。

ここでは、いざというときに頼りになる動物病院の選び方を紹介しますので、初めての動物病院選びで困っている人は、ぜひ参考にしてください。

すぐに連れて行ける距離であること

近所であることが一番とはいいませんが、少なくとも車ですぐに連れていける距離にありことは重要です。

猫の体調が急に悪くなったり、大ケガをしてしまったときに、安心して任せられるからといって、何時間もかけて動物病院まで連れて行くのは現実的ではありません。移動時間が30分以内の動物病院を選びましょう。

30分以内に行ける動物病院をリストアップして、家から近い順に猫を任せられそうな動物病院であるかチェックしてください。

動物病院内がきれいであること

人間の病院でも、ときどき衛生状態が不安になるような病院があります。一見するときれいに見えても、目の届かないところはホコリだらけ。トイレ掃除もきちんとされていない。そのような動物病院は、家の近所であっても選ばないようにしましょう。

衛生状態に問題のある動物病院は、猫が他の病気に感染してしまう可能性もあります。治してもらいに行くはずが、反対に病気をもらってきたのでは何のための動物病院であるかわかりません。古い動物病院でも掃除が行き届いていること。これが動物病院選びの必須条件です。

予約診療に対応してること

人気のある動物病院は待ち時間が1時間以上になることがよくあります。猫は1時間以上も狭いゲージに閉じ込められたままですので、もちろんストレスにもなります。飼い主だって、いつ診察を受けられるのかがわからないのでは、イライラしてしまいますよね。

最近は予約診療対応の病院が増えてきましたので、不要なストレスで疲れてしまわないようにするためにも、予約診療を行っている動物病院を選びましょう。

治療方法の詳しい説明がある

これは実際に診察を受けてみないとわからないことですが、診察を受けた結果、きちんとした説明をしてくれない先生のいる動物病院は避けるようにしてください。

専門用語が多かったり、薬の効果や服用上の注意などをきちんとしてくれなかったりする先生は意外と多かったりします。飼い主の心情を察して、わかりやすく説明してくれる先生に猫を任せるようにしてください。

猫のワクチンで予防できる病気と予防できない病気

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猫は飼い始めてすぐにワクチンを行うのが一般的ですので、なかなか病気にかかりにくいと思っている人もいるようですが、実際はワクチンでは予防できる病気と予防できない病気があります。ここでは、ワクチンで防ぐことが出来る病気と、ワクチンで防ぐことができない病気について説明します。

猫のワクチンの種類

猫のワクチンは下記の種類があります。

  • 3種
  • 4種
  • 5種
  • 7種
  • 単体

対応している感染症は下記になります。

  • 猫ウイルス性鼻気管炎:3種、4種、5種、7種
  • 猫カリシウイルス感染症:3種、4種、5種、7種
  • 猫汎白血球減少症:3種、4種、5種、7種
  • 猫クラミジア感染症:5種、7種
  • 猫白血病ウイルス感染症:4種、5種、7種、単体
  • 猫免疫不全ウイルス感染症:単体

ワクチンは基本的に混合ワクチンになります。飼い主がどの範囲まで予防したいかを考えて予防を行うことになりますが、ワクチンには副作用もありますので、単純に7種が優れているというわけではありませんので、慎重に決める必要があります。

ワクチンで予防できない猫の病気

上記の病気や感染症はワクチンで予防することができますが、猫の病気のすべてがワクチンで予防できるわけではありません。

猫伝染性腹膜炎
コロナウイルスが原因で起こる感染症で、死亡率が高い感染症になります。ワクチンはありませんので、室内飼いにする以外に確実な予防方法はありません。

ヘモバルトネラ症
赤血球に病原体が寄生することで発生する感染症で、症状として貧血が発生します。感染経路が不明であるため、ワクチンもなく、病原体をすべて取り除くことが難しい病気です。

猫エイズ
正式名称は「猫後天性免疫不全症候群」で、免疫機能が大幅に低下する病気です。交尾で感染することもありますが、最大の感染経路は猫同士の喧嘩にあるとされています。こちらも予防のためには部屋飼いを原則とする必要があります。

これらはワクチンで予防することのできない病気の代表的なものになります。またワクチンは細菌やウイルスの抗原を体に取り込むことで、体内にその病気の抗体を作り体を守る仕組みになっているため、感染症以外の病気には効果がありません。

そして、ワクチンに対応している感染症でも、ワクチンで100%予防できるわけではありません。感染の確率を下げ、感染しても症状が重くならないようにするのがワクチンの役割になります。ワクチンを接種したから確実に安全というわけではありませんので注意してください。

ワクチンの費用はどれくらい?

ワクチンのない病気や感染症があるとしても、猫のために接種しておきたいのがワクチンですよね。ただ、そんなワクチンもあまりにお金がかかりすぎると、悩んでしまうかもしれません。ワクチンの値段は病院によって変わりますが、おおよそ下記のようになります。

3種:4000〜6000円
4種:5000〜7000円
5種:5500〜7500円
7種:7500〜8000円
単体:2500〜4000円

子猫の場合は、生後1年のうちに2回のワクチン接種を行い、その後は年に1回のワクチン接種を行うことが基本となります。これはワクチンの効果が1年で切れてしまうためで、抗体を体内に作るために1年に1回の接種が理想とされています。

ワクチンの副作用

ワクチンは軽度の感染症にかかっているのと同じ状態ですので、どうしても猫の体調が悪化してしまいます。わたしたちがインフルエンザの予防接種を受けたあとに熱が出たりするのと同じことです。

猫も同じように発熱したり、食欲が低下したりするのですが、基本的には1〜2日で回復します。少しつらそうにしているくらいであれば様子を見て、24時間経過しても改善しそうにない場合は、獣医に相談するようにしましょう。

またアナフィラキシーショックになる可能性もありますので、ワクチンを接種したあと30分はいつでも獣医さんに見てもらえるように病院内や病院近くで待機しておく必要もあります。これらは獣医さんから説明がありますので、「大丈夫だろう」と勝手な判断をせずに、きちんと対応できるように準備しておきましょう。

まとめ

猫の病気は早期発見と予防が重要になります。猫がいつもと様子が違い、食欲がなかったり、元気がなかったりするときには、その原因を推定して問題があるようでしたらすぐに獣医さんに相談するようにしましょう。

一緒に暮らす猫を選ぶときにも注意が必要です。猫は生まれつき強い子と弱い子がいます。長く健康的に一緒に暮らしたいのであれば、強い子を選ぶという選択方法も必要になります。もちろん気に入った猫を選ぶということも大事ですが、おとなしい猫ほど体が弱く病気になる可能性もありますので注意してください。

また猫に何かあったときの動物病院選びも重要です。病院の施設が衛生的で、安心して任すことのできる獣医さんのいる病院をメインの病院として利用しましょう。

病院ではワクチンの摂取などを依頼することになりますが、猫の健康を考えるとワクチンの接種は必須です。室内飼いの猫でも人間経由で感染症にかかる可能性もありますので、猫が長生きするためにも年に1度のワクチン接種をおすすめします。


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