ドキドキ ペットの妊娠・出産

ペットの出産に慣れている人はあまりいないかもしれません。ほとんどの人が最初の妊娠や出産に対して不安を抱えながら、自分に何ができるのかを試行錯誤していくことになります。ここではそんなペットの妊娠や出産で不安にならないようにするために、飼い主がすべきことについて紹介します。

ペットの妊娠期間はどれくらい?

まずはペットの妊娠期間について見ていきましょう。人間のように10ヶ月も妊娠期間があるのか、それともあっという間に過ぎてしまうほど短いのか、犬と猫の妊娠期間についてここでは説明します。

犬の妊娠期間は約2ヶ月

犬の妊娠期間は、犬の種類によって多少の違いはあるものの、一般的には約2ヶ月(58~63日)と言われています。

妊娠前期:妊娠1~3週
つわりや嘔吐がでるのが妊娠前期です。人間と同じように味覚が変わるため、これまで食べていたドッグフードを食べなくなることもあります。まだ着床していない状態ですので、とても不安定な期間でもあります。

妊娠中期:妊娠4~6週
妊娠してから5週目くらいから乳腺が張ってきます。6週目にもなるとお腹が膨らんできて、見た目にも妊娠しているのがわかります。出産に向けてあまり運動をしなくなる時期でもあります。食欲は旺盛になりますので、運動不足で肥満にならないように注意しましょう。

妊娠後期:妊娠7~9週
妊娠後期になると胎動を感じることができます。いつ出産をしてもおかしくない時期ですので、こまめに体調を確認したり、異変がないかをチェックしたりして、万全の状態で妊娠できるように準備をしてあげましょう。

猫の妊娠期間は約2ヶ月

猫の妊娠期間も犬と同じように約2ヶ月で、妊娠から60~68日くらいと言われています。そのときに現れる猫の変化は次のようになります。

妊娠20日
猫によっては食欲が落ちることもあり、乳首の色がピンクになるなどの変化もあります。ただし、猫によってはその変化が小さいため、飼い主さんによっては、妊娠していることを見逃すこともあります。

妊娠30日
お腹の膨らみが目に見えて分かるようになります。乳房が膨らみ始めますので、このタイミングになるとほとんどの飼い主さんが妊娠に気づきます。

妊娠45日
安定期に入るため、一時的に低下していた食欲が戻ります。栄養は必要ですが食べすぎて肥満にならないように注意してください。

妊娠50日
妊娠が50日経過すると、胎動を感じることができます。

妊娠60日
お乳が出てくるようになります。お乳が出てくるともう出産間際で、2~3日のうちに子猫を産みます。ひとつのサインですので、見逃さないように注意しましょう。また出産24時間前からは食欲がなくなりますので、こちらも気づいてあげましょう。

ペットの妊娠時に見られる兆候

ペットの体調管理も含めて、妊娠にはできるだけ早く気づいてあげるようにしてください。特に猫を自由に外出させているような場合は、知らず知らずのうちに妊娠しているということも珍しくありません。

気がついたらお腹が大きくなっているということを避けるためにも、ペットの妊娠時に見られる兆候などを知っておきましょう。

・食欲に変化が見られる
・いつも食べていた餌を食べなくなる
・運動をしなくなる
・嘔吐する

上記が犬に見られる妊娠の兆候の例です。猫の場合も同じような兆候を見ることができます。これらに加えて、攻撃的になったり、警戒心が高くなったりするということも、よく見られる兆候です。猫は犬よりも自然界の動物に近いため、出産のための環境づくりを自分で行おうとします。その結果としてこれらの兆候が発生します。

基本的にはまず食欲がなくなったり、食の好みが変わるのですが、このタイミングに気付かないこともあります。食欲がなくなってもそれは一時的で、数週間後にはこれまで以上に食べるようになりますので、まったく食べない場合を除いて、あまり気にしなくてもかまいません。

運動を嫌うようになったり、つわりによる嘔吐も妊娠したときのサインのひとつです。見逃さないように注意してください。

ペットの妊娠に気づいたらすべきこと

ペットにはそれぞれ、最適な妊娠期の過ごし方がありますが、妊娠しているかなと感じたときに、飼い主さんがまずすべきことは、動物病院に連れていくということです。何度も出産に立ち会っているという場合は、その必要はありませんが、初めての場合は必ず動物病院で検査してもらいましょう。

出産前には何匹生まれてくるのか知っておかないと、思った以上に生まれたときに、その準備がまったくできていなくて、あたふたしてしまうこともあります。出産を家で行うにしても、何かトラブルが発生したときに、すぐに獣医さんに連絡しなくてはいけません。

そういうときに、いきなり対応してもらうよりは、いつくらいに生まれるのか、どのようなリスクが考えられるかなどを、飼い主と獣医さんで共有しておくほうが安心できますよね。妊娠が確定してなくても問題ありません。もしかして妊娠かなと思ったら、できるだけ早くに動物病院で診てもらいましょう。

妊娠中の食事で摂取したい栄養素と食事量

安全な出産のためには、犬や猫たちの食事にはかなり気をかけたいところですよね。どのようなペットフードを選べばいいのか、どのような栄養素が必要なのかについて、ここで解説します。

基本は専用のフードを選ぶ

ペットフードは、成長ステージに合わせて、総合栄養食となるように栄養成分のバランスを取っています。基本的には「パピー」「妊娠・授乳期用」とパッケージに表示されたペットフードを選んでおけば間違いありません。

妊娠1ヶ月までは通常どおりのペットフードを与えて、そこから授乳期が終わるまでは、パピーや妊娠・授乳期用を与え続けるようにしましょう。

ペットフードではなく、手作りの食事やおかずと呼ばれるペットフードを組み合わせて与えている場合は、ビタミンやミネラルなど、バランスよくいろいろな栄養素を摂取することが重要です。肉や魚など愛犬の好物に偏ることなく、野菜や海藻類も積極的に手作り食に取り入れてください。

さらに、後半の体重増加に伴い、たんぱく質やカルシウムの豊富な食べ物をいつもより、ひとかたまり分くらい多めにしてあげるといいでしょう。ただし、十分に栄養をあげなければと心配するあまり、脂肪太りになるまで食べさせないようにしてください。太りすぎのメス犬は妊娠中に問題を起こしたり難産になりやすい傾向がありますので、注意してください。

授乳期は通常の2倍以上のペットフードが必要

授乳中も、大量の栄養を必要とします。中でも、たんぱく質とカルシウムなどのミネラル類は十分にとりたいものです。総合栄養食での食事に切り替えるか、これまでの食事に対して、カルシウムやミネラルを多めに含んでいる食事を与えるようにしましょう。

食べる量は妊娠する前の2~3倍は必要になります。生まれた子どもの数にもよりますが、その子どもたちに与える栄養ですので、不足しないように注意してください。一度にたくさんのペットフードを食べられない場合は、数回に分けて与えるようにしてください。

授乳期が終わる頃から、食事の量を減らすことも忘れないようにしましょう。この時期に食べすぎてしまって肥満になってしまうのは人間もペットも同じです。ただし、食欲がすぐに下がるわけではありませんので、徐々に減らして少ない量に慣れるように、コントロールしてあげましょう。

量を食べないときはペットフードを変える

妊娠したことによってペットも味覚が変わることがあります。この場合は、これまで食べていたペットフードでも嫌がることがあります。まずは他のペットフードに変えてみるようにしましょう。好みが合えば、必要な量をしっかり食べてくれます。

それでも食欲が戻らない場合は、少し危険な状態ですので必ず動物病院でチェックしてもらいましょう。つわり中は食事量が落ちますので、そのときは別として妊娠中期に入っているのに食事を取らない場合は、かかりつけの獣医さんにチェックしてもらいましょう。

妊娠中の散歩や外出は必要?

妊娠中は安静にして置くことが大事というのは、人間の妊娠では常識ですが、犬や猫の場合はどうなのでしょう?きちんと運動させることが必要なのか、それとも家でゆっくりさせるべきなのでしょうか。ここでは犬と猫に分けて、妊娠中の散歩や外出について説明します。

犬は普段通りの散歩をさせよう

自然界の動物は、妊娠していてもこれまで通りの生活を続けます。そう考えると、犬もある程度の気遣いは必要ですが、妊娠中でも散歩などの運動は必要です。不安だからといって、外に連れ出さなかったりすると、体力が落ちてしまい、安全な出産ができなくなる可能性もあります。

犬が嫌がるようでなければ、これまで通りの散歩を続けるようにしてください。ただし、激しい運動などは避けてください。公園などで走り回りたがっても、それは避けるようにしましょう。

ちょっとした段差や狭い場所、やんちゃな他の犬がいる場所での散歩も控えましょう。できるだけ負荷やストレスをかけずに、ゆっくりと歩くことができれば、それが理想です。太り過ぎないように注意しながら、安全を心がけて散歩してください。

猫の外出は禁止

室内飼いにしている場合は、高いところから落ちないように気をつけるくらいで、あとは部屋の中で自由に遊ばせてあげましょう。これまで外出を認めていた場合は、出産までは室内で飼うように心がけましょう。

外出中にどこかから落ちてしまったり、他の猫とケンカをしてしまったりすると、それが原因で流産することもあります。さらに、家の外で出産してしまう可能性がかなり高くなりますので、外に出たがっても、原則として妊娠中の猫に外出をさせないように注意してください。

適度な運動と栄養で良い準備をする

ここまで、妊娠中や授乳中の食事管理、健康管理について説明してきました。すでに食事の大切さ、運動の大切さは理解されているかと思いますが、もう一度おさらいの意味も含めて、ここで妊娠中や授乳中のペットに飼い主がすべきことについてまとめておきます。

・妊娠かなと思ったら動物病院で確認してもらう
・基本の食事は妊娠期用の総合栄養食でOK
・缶詰やサプリメントで栄養を補うことも効果的
・妊娠をしても適度な運動は必要
・肥満にならないように気をつける
・ペットフードを変えても食欲が戻らない場合は獣医さんに相談

犬も猫も妊娠から出産まで約2ヶ月で、妊娠に気づくのが遅い場合は、あっという間に出産を迎えてしまいます。まず重要なのは、妊娠の兆候に気づいてあげることです。自由に外を歩き回れる猫などは、妊娠に気づくのが遅れやすいので注意してください

食事は妊娠期間中専用の総合栄養食で問題ありませんが、妊娠したことによって味覚が変わったりします。意識して高タンパクなものや、カルシウムを摂らせたいという場合なども含めて、缶詰やサプリメントなどのフードを組み合わせて、しっかり食べるように促してあげましょう。

また妊娠の体力を維持するために、ある程度の運動は必要で、肥満になってしまうことも避けたいところですので、犬の場合は激しくならない範囲で散歩をしてあげましょう。反対に猫は外に出さないようにしたいところですので、食べ過ぎには注意してください。

つわりなどで、一時的に食欲が落ちることがあっても、通常はすぐに戻ります。ペットフードを工夫しても食欲が戻らないときは、獣医さんに診てもらうようにしましょう。

推奨したいフード

妊娠期や授乳期に栄養が必要だということは分かっても、実際にどのようなフードを選んでいいのかわからないという飼い主さんも多いと思います。ここではそんな飼い主さんのために、妊娠期や授乳期におすすめしたいフードについて紹介します。

缶詰/チキンレバーブロック

ビタミン・鉄分が大変豊富にあり、母乳期の代謝を助けます。また、たんぱく源も多く含まれており、丈夫なカラダをつくってくれます。

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レトルト/ササミチーズ

高タンパク質、低カロリーなササミを食べやすくし、カルシウムが豊富なチーズを配合した国産鶏肉のササミチーズです。チーズの香りを犬はとても好むため、食欲不振時のアイテムにもなります。

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サプリメント/パーフェクトノニ150DX 30g

ドライフードとおかずだけでは、すべての必要栄養素を補う事は厳しいものがあります。そんな時に、このサプリメントはすべての栄養素を網羅しているため、必須アイテムとなってくれます。

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