飼い猫が死んだら飼い主としてすべきこと

とても哀しい愛猫とのお別れ。出来ることなら考えたくもないことですが、猫と一緒に暮らしている以上、どんな形であってもお別れは必ずやってきます。そんな猫とのお別れの日がやってきた日に飼い主としてやるべきことについてここでは紹介します。


飼い猫を家族として見送ろう

ペットは家族も同然。犬や猫と一緒に暮らしている人にとってはあたり前の考え方かもしれませんが、飼い猫が死んだときに、家族としてきちんと送り出すことができている人はそれほど多くないかもしれません。

猫が死んでしまったときには、その悲しみからどうしていいのか分からずに、自治体に引き取ってもらったという人もいるかと思います。でも猫は家族ですから、できることならきちんとしたお葬式もして、人間と同じように見送りたいですよね。

猫は人間よりも寿命が短いため、ほとんどのケースで別れはやってきます。そして、猫のお葬式をして送り出してあげるのは飼い主の役割です。猫のお葬式について、事前に基礎的な知識は身につけておきましょう。

飼い猫がまだ生きているうちに、死んだあとのことを考えるのはつらいかもしれませんが、いざそうなったときは頭も回りませんので、猫と一緒に暮らすなら、お別れのときについては、そうなる前からしっかり考えておくようにしましょう。

とはいえ難しく考える必要はありません。大事なのは「家族なのだからきちんと見送る」という気持ちです。そのためには、飼い猫が死んだときにすべきことや、その手順を把握することが大切です。ここではそのための基本的な考え方・知っておくべきことを紹介します。

猫が死ぬ前に姿を消す理由

猫は自分の死期を悟ると、その最期を見せないようにするために姿を消すと言われています。飼い猫の場合は、部屋から出ることができませんが、それでも部屋の中の見つかりにくい場所で最期を迎えるということも珍しくありません。

このため、猫は死んでいる姿を見せないようにすると思われていますが、実は姿を消すのには他の理由があることは意外と知られていません。猫は死んだ姿を見せたくないから消えてしまうのではなく、少しでも長く生きるために消えてしまいます。

実際には消えてしまうというよりも、より安全な場所に身を置くことで、弱ってきた自分を外敵から守ろうとする本能が働きます。より安全な場所は、人間にも他の動物にも見つかりにくい場所ですから、飼い主であっても簡単には見つけることができません。

もし元気に回復してきたら、また同じように生活を送ることができるのですが、そのまま最期を迎えてしまったときは、誰にも知られないまま、消えてしまったかのようにいなくなってしまうのです。

老年の猫は交通事故などにあう可能性も高いため、お葬式をすることもなく別れを迎えてしまうこともあります。飼い猫の最期を看取りたいと思うのであれば、歳をとってきたら室外には出さずに、室内飼いに徹することをおすすめします。

猫が死んだらまず葬儀までの準備をする

死んですぐに葬儀というわけにはいかないのは人間も猫も同じことです。ただし人間の場合は細かなことはすべて葬儀屋さんが行なってくれますが、猫の場合はすべて飼い主が準備しなくてはいけません。

ここでは猫が死んでから葬儀をおこなうまでの手順について紹介します。

猫を安置するための棺を用意する

猫の遺体はそのままにしておくと腐敗が進んでしまいます。遺体を冷やすための棺を用意してください。これは特別なものではなく、ダンボールや木箱で十分です。ただし、ダンボールは濡れてしまうと破れることがありますので、できれば木箱がおすすめです。

棺の底にタオルや新聞紙などの、水滴を吸い取るものを詰めて、その上に保冷剤や袋に入れた氷、タオルに包んだドライアイスなどを敷いて、さらにその上にバスタオルを敷いて、あとは猫の遺体をその上に寝かせてあげてください。

すぐにお葬式ができないときは、腹部をしっかりと冷やすように心がけてください。バスタオルの下に敷くだけでなく、タオルに包んだドライアイスを直接お腹に当ててあげましょう。そうすることで、遺体が傷むのを遅らせることができます。

また猫も人間と同じように死後数時間で硬直します。死んだままの姿勢ですと棺桶に入らなくなってしまうこともあります。そのままの姿勢で置いておくのではなく、棺桶の準備ができるまで、できるだけ自然な姿勢にしてあげましょう。

葬儀業者に連絡をする

葬儀業者の選び方や、葬儀方法などは後述しますが、まずすべきことは葬儀業者に連絡をすることです。葬儀の日取りによってその後にすべきことが変わってきますので、悲しい気持ちもあると思いますが、葬儀業者を選んでお葬式の内容やスケジュールを決めてください。

このとき決めておくべきことは、ペット霊園でお葬式を行うのか、自宅で行うのかということです。これを決めておかないと、業者選びから悩むことになります。いざという時にスムーズに動けるように、お葬式の方法をあらかじめ決めておき、できれば依頼する業者も2,3社に絞っておきましょう。

火葬するものを決めておく

お葬式の準備が整ったら、あとはできるだけそばにいてあげるだけですが、できれば猫と一緒に火葬するものを決めておきましょう。生前に好きだったおもちゃやキャットフードなどを用意してください。

プラスチック製品は火葬することが出来ませんので、一緒に火葬するものは燃えるものだけにしてください。プラスチックのおもちゃや、キャットフードが入っているビニールの袋などはNGです。キャットフードは紙皿に出しておくなどして、燃やすことができる状態にしましょう。

ペット葬儀の方法

ペットを見送るための方法はいくつかあるのですが、ここでは一般的に行われる葬儀の方法についてその特徴を紹介します。

火葬

最も一般的な葬儀方法がペット霊園での火葬です。火葬についてもいくつかの方法がありますので、詳しくは後ほど紹介しますが、人間と同じように仮装で見送るというケースがほとんどです。地方自治体で合同葬儀を行ってもらえることもありますが、基本的には専門業者に依頼します。

土葬

以前はペットが死んだあとは、そのまま家の敷地内に埋めるということが一般的でしたが、自分の敷地内でも、自由に埋めていいというわけではありません。あまり浅い場所に埋めてしまうと、他の動物が掘り返したり、腐敗臭がしたりすることもありますので、1m以上の深い穴を掘って埋める必要があります。

このため、土葬は手間がかかりますので、自分の敷地内で埋めるにしても、一度火葬を行ってから埋めるのが一般的です。

土葬の方法については別記事がありますので、そちらをご参照ください。

別記事:埋めるのはOK?NG?犬や猫を土葬するときに知っておくべき基礎知識

地方自治体による処理

こちらは「葬儀」とは違いますが、法律によりペットの遺体は一般廃棄物として地方自治体が回収をしてくれます。一般廃棄物ですので、専用の焼却炉で火葬したあとはそのまま他の廃棄物と一緒に埋められてしまいます。

ほとんど「ゴミ」としての扱いになってしまいますので、大切な家族を見送る方法としてはあまりおすすめできません。どうしようもないというようなときに、利用する方法だと考えてください。

飼い猫の火葬はどうすればいい?

それではもっとも一般的な、飼い猫の火葬方法について紹介します。葬儀業者の選び方も火葬方法によって変わってきますので、自分の要望に合った火葬方法を選ぶようにしましょう。

立会個別葬儀

家族同然の愛猫の葬儀は、家族を見送るのと同じように行いたい。そういう人のための葬儀方法が立会葬儀です。ペット霊園で行われることが多く、最期のお別れから人間の葬儀と同じように個別に立ち会いやお骨上げをすることができます。もちろん返骨もしてもらえます。

個別対応ですので、費用は多めにかかってしまいますが、希望通りに進めてもらいやすいという特徴があります。できることならこの形でのお別れが理想です。

一任個別葬儀

立会を行わず、すべての葬儀を業者に任せてしまう葬儀方法です。立会個別葬儀よりも費用が安くなり、しかも返骨をしてもらうことができるため、忙しくて葬儀のタイミングに時間を確保できないというケースで利用します。

合同葬儀

他のペットと一緒に火葬する葬儀です。骨がすべて混ざってしまうため、返骨をしてもらうことはできません。埋葬や納骨も合同で行われるため、とても費用が安い葬儀方法になります。骨という形で手元にいなくても、記憶として飼い猫のことをしっかり留めている。そういう人におすすめの葬儀方法です。

訪問葬儀

最近はペット霊園に行くことなく、すべて自宅で葬儀をすることができる訪問葬儀が注目されています。火葬車が自宅まで来てくれますので、お葬式から火葬までを短時間に、しかも自分たちの思い通りに行うことができます。

新しい形態ですので、まだ業者によってしっかりしている業者や、トラブルが発生しやすい業者など、様々な業者が入り混じっているのが訪問葬儀です。訪問葬儀を行う場合には、慎重な業者選びが必要になります。

ペット葬儀業者の選び方

ペットの葬儀に関しては特に法律があるわけではないため、葬儀業者は玉石混交となり、安心して任すことのできる業者選びがとても難しい状態です。ここではそんな安心して任すことのできる葬儀業者の選び方について紹介します。

ペット霊園と葬儀専門業者

ペット葬儀を行っているのは、ペット霊園もしくは葬儀の専門業者です。ペット霊園は火葬のあと、埋葬や納骨をその霊園で行うのが一般的ですが、返骨してもらうことも可能です。葬儀にも慣れていますので、安心して葬儀を依頼することができます。

それに対して霊園をもたない葬儀専門の業者もあります。火葬社で自宅まで来てくれる業者もあれば、霊園との仲介を行っているだけの業者もあります。もちろん、きちんとした葬儀業者も多数ありますが、トラブルに発展しやすいのが霊園を持たない葬儀業者です。

どちらが正解ということはありませんが、よりきっちりとした葬儀を望む場合は、ペット霊園での葬儀を選ぶようにしましょう。自宅ですべて終わらせたいという場合は、専門業者に依頼するようにしましょう。



信頼できる業者を選ぶ

ペット霊園で依頼するにしても、専門業者に依頼するにしても、大切なのは信頼できる業者かどうかということです。そのためのチェックポイントは下記の2点です。

1.費用が明朗会計になっているか
2.相談をした時の対応が丁寧かどうか

費用は猫のサイズでも変わりますので、必ずしも価格が明確になっていなくてもいいのですが、ホームページなどで、ある程度の費用を把握できる業者を選ぶようにしましょう。葬儀の費用を安く見せておいて、位牌やメモリル写真などを売りつけてくる業者もいますので注意してください。

そして信頼できる業者かどうかを知るためには、やはり直接話しをした時の対応の良さが決め手になります。業者によっては上からものをいうような高圧的な業者もいます。飼い猫を失った悲しさをしっかりと受け止めてくれる業者もいます。

業者選びは、そのようなコミュニケーションの中で、「この業者になら任すことができる」と確信できた業者を選ぶようにしましょう。自宅から近いというだけで選んだり、値段が安いからという理由だけで選んだりしないことが大切です。

まずは自分が疑問に思っていることなどを質問してみましょう。その上で、丁寧に回答をしてくれる業者に葬儀の依頼をするようにしてください。特に霊園を持たない専門業者の場合は、遺体を不法投棄することもあります。そういう業者に当たらないようにするためにも、コミュニケーションによって、信頼できるかどうかを見極めるようにしてください。

葬儀にかかる費用に関しては別記事で詳しくご紹介していますので、下記リンク先をご確認ください。

どれくらい必要?ペットの葬儀にかかる費用相場

まとめ

大好きな飼い猫との別れはとても悲しいものですが、だからこそきちんと見送りをしてあげたいところです。でも飼い猫が死んでしまったあとにはショックで頭が回らないという状態になってしまいますので、猫のお葬式については生前からきちんと学んでおきましょう。

きちんと最期を見守りたいのであれば、ある程度の年齢になったら外に出さないようにするなどして、猫が姿を消してしまわないように注意してください。猫は体が弱ってきたときに、誰にも見つからない場所に移動して体を休めるという本能がありますので、外出できるようにしていると、人知れずそのまま死んでしまうようなこともあります。

猫が死んでしまったら、遺体の安置を行って、すぐに葬儀の手配を行いましょう。この段階で依頼する業者が決まっていると慌てなくて済みます。どのようなお別れをしたいのかによって、それに応じた業者を選ぶようにしましょう。

特に希望がないのであれば、ペット霊園での葬儀がトラブルも少なくおすすめです。自宅で火葬をしてくれる業者など、新しいスタイルの葬儀業者が増えていますが、きちんと業者選びをしないと、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。葬儀業者選びは出来る限り慎重に行ってください。

大好きな飼い猫との最期の時間ですから、できるだけ妥協せずに自分の理想のお別れをするようにしましょう。そのためには事前準備がとても大切ですので、しっかり情報収集をおこなって、理想の葬儀を手伝ってくれる業者や霊園に依頼するようにしましょう。


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