いい関係にはしつけが大事!ストレスなしで犬をしつける方法
犬は人間とともに生きていく動物です。人間の指示に従って飼い主に喜んでもらうことが犬の喜びなのですが、最近は自由にさせることが犬の喜びという育て方をしている人も多く、しつけができていない犬も少なくありません。
ここでは犬と人間の関係をしっかりと考えた上で、犬にも人間にもストレスのないしつけのポイントを紹介します。
目次
失敗しないトイレトレーニング
家にやってきた犬に、覚えてもらわないといけないことがいくつかありますが、そのなかでもトイレのしつけは飼い主の快適な生活にも関わってくる大切なしつけです。できるだけ早く、しかも確実にトイレを覚えてもらうことで、犬との暮らしがグッと楽になります。
そんな大切なトイレのためのトレーニング。失敗せずに覚えさせるためのコツを紹介します。
なぜトイレのしつけが必要か
飼い主の中には犬のトイレは、散歩中にするものだと思っている人もいますが、よく考えてください。犬が散歩中にトイレをしてしまうのは、自分の家族が外でトイレをしているのと同じことです。
散歩中のフンはちゃんと持ち帰っているから大丈夫と言う人もいるかもしれませんが、それは飼い主の言い分であって、そこを普通に歩く人たちにとっては決して気持ちのいいものではありません。
しかも犬が散歩中にトイレをすることを覚えたら、今度は家の中でトイレをしようとしなくなります。そうすると雨が続く梅雨の時期や、台風が来ている時ですら散歩につれていかないとトイレをしなくなってしまいます。
トイレは家でするもの。犬にはそう覚えさせることが大切です。
トイレサインを見ぬいてケージに誘導する
子犬でもトイレの場所を覚えやすくするために、トイレはハウスの横に設置するようにしてください。大きめのゲージを2つに分ける方法でもかまいません。ただしそのときは、居住スペースとトイレスペースを明確に分けるように仕切りを付けてください。
最初、子犬はうまくトイレが出来ないものです。生後2,3ヶ月でトイレを覚えさせるのはとても難しいこと。失敗しても怒らないようにしましょう。
子犬のうちは自分でトイレまで移動せずに、ケージの外はどこでもトイレという感覚でトイレをしてしまいます。ですので、犬が床を嗅ぎ始めたらトイレのサインですので、犬をケージの中に連れて行きましょう。
トイレをするときに「ワンツー」や「おしっこ」などと声をかけてあげると、犬はそれを合図だと覚えますので、一緒にいるときは声掛けをするようにしてください。
ケージの中でちゃんとトイレができたら、ご褒美を上げてください。それを繰り返すことで犬は学習していきます。根気よく続ければ必ずトイレを覚えますので、失敗しても怒ることなく、淡々と後片付けをしてあげましょう。
犬が喜ぶハウスのしつけ方
家に犬がやってきたらまず覚えさせなくてはいけないこと、それがハウスです。ちゃんとハウスの指示を守れる犬になってくれるかどうか、最初が肝心です。安全な家の中で飼うのだからハウスは必要ないと思っていませんか?家で飼う場合も犬には自分だけのスペースが必要です。
犬との共同生活を続けていく上で重要な、ハウスのしつけ方についてまとめましたので、参考にしてください。
ハウスの中に入るといいことがあると覚えさせる
まずはハウスの中に入るように誘導してあげます。無理に引っ張っても犬はハウスの中には入ってくれません。最も簡単な方法は、餌をハウスに投げ入れることです。犬は餌につられてハウスに入ります。
これを何度か繰り返したら、犬はハウスの中に入れば餌が食べられると覚えます。次は「ハウス」という言葉を覚えさせる必要がありますから、餌でハウス前までおびき寄せて、ハウスの中に餌を入れる前に「ハウス」と言ってから、中に餌を入れましょう。
うまくハウスに入れたら、ちゃんとほめてあげてくださいね。慣れてきたら、餌を投げずに、ハウスの中を指差して「ハウス」と言ってみましょう。犬は餌があると思って中に入ります。実際には餌がありませんので、今度は出てこようとしたときに餌をあげるようにしましょう。
ここまでできたら、ごほうびの回数を徐々に減らしてください。1回とハウストレーニングは10~15分です。いきなり全部はできませんので、ゆっくりと時間をかけてハウスを覚えてもらいましょう。
ハウスを覚えさせるということは犬を犬らしくさせること
犬はそもそも狭い巣穴の中で暮らしている生き物でした。ですのでハウスのような空間は本来犬が好む場所のひとつなのです。
人間の感覚では「狭いところに押し込めて」と思うかもしれませんが、犬がリラックスするためには、1日の中でハウスを利用してくつろげる時間が必要になります。犬にとってハウスは自分だけの安全な巣穴なのです。
ですので可哀想だからと大きめのハウスを買ったり、扉を閉めたりするることが出来ないハウスを買うこともできるだけ避けてください。完全に覆われているという安心感が犬にとってはストレスのない状態だと覚えておきましょう。
マナーを守って散歩をするためのしつけ
犬と暮らしていると必ずするのが散歩です。散歩をしなければ犬はストレスが溜まりますし、運動不足にもなってしまいます。でも散歩も犬が自由に歩くのではなく、きちんとしたマナーを守ることが大切です。
また飼い主との関係性をしっかり築くためにも散歩のしつけは重要になりますので、ここでは犬の散歩でのしつけについて紹介します。
散歩の基本はリーダーウォーク
犬の散歩をしているのを見ると、ほとんどの人が犬に引っ張られる形で歩いています。これは犬が主で人が従になり主従関係が逆転している状態です。犬は上下関係を重視する動物ですので、散歩で主人を引っ張ることは本来あってはいけないことです。
散歩は犬が人を引っ張らないリーダーウォークが基本になります。リーダーウォークは飼い主に犬がついて歩くように習慣づけることが重要です。そのため、飼い主よりも犬が後ろを歩くことが基本スタイルになります。
犬が自分の行きたい方向にリードを引っ張ったら、飼い主はそこでついていかずに止まるようにしてください。するとリードがピンと張って、犬に不快感を与えます。これを繰り返すことによって、犬は勝手に好きな方向には進まなくなります。
この状態ですとまだ犬は飼い主から離れていますので、名前を呼んで近くに呼び寄せるようにしましょう。ちゃんと近づいてきたら褒めてあげたり、ご褒美をあげたりしてください。そうすることで、飼い主から離れずに歩くことの大切さを犬が学ぶことになります。
散歩中は排泄させない
トイレマナーのところで少し紹介しましたが、散歩中の排泄はマナー違反です。マーキングのための排泄は犬にとって必要な行為だと考える人もいますが、人間でも立ちションは良くないこととなっているのに、犬だから許されるわけはありません。
散歩での排泄が習慣になってしまうと、犬は散歩に行かないと排泄しなくなります。大雪が積もって外に出られない日は、犬はトイレを我慢します。台風や大雨でも同じです。かわいそうだと思って散歩に連れて行く飼い主もいるようですが、非常に危険です。
それを考えると散歩中には排泄をさせないためのしつけが必要になります。まずは散歩前にトイレに行く習慣をつけさせましょう。トイレに行ったら散歩に行けるのだと覚えて実行すれば犬は散歩中に排泄しにくくなります。散歩前には犬をトイレに誘導して、排泄を促してください。
散歩中にマーキングしそうになったらリードを引いてください。慣れると犬の動きでわかるようになります。このときにリーダーウォークができていれば、そもそも犬がマーキングのために勝手な動きをすることはなくなります。
散歩から帰ってきたらまたトイレに誘導してあげましょう。犬はどのタイミングで排泄を許可されたのかわかりませんので、トイレに連れて行って「もう排泄してもいいんだよ」ということを教えてあげるようにしてください。
これを繰り返すことで犬は散歩中の排泄をしなくなります。
他の犬に対して吠えないようにするしつけ
犬の性格にもよりますが、散歩中に知らない犬を見かけると吠えてしまう犬がいます。飼い主にしてみると困った状態のひとつです。他の犬を見て吠えるのは犬が怯えている状態にあります。自分や飼い主が危険な状態になってしまうかもしれないという怖れから犬は吠えてしまいます。
この場合に重要なのは、まず飼い主と犬との主従関係をしっかりさせることです。犬が主人になっている状態ですと、犬は弱い飼い主を守るために吠え続けます。反対に飼い主がきちんと主人になっている場合は、飼い主が怯えたりしなければ吠えることはほとんどありません。ですので、ここでもリーダーウォークが重要になります。
他の犬に吠えなくするには、小さなうちから犬の社会性を築いておく必要があります。生後3ヶ月までにできるだけ多くの犬と触れ合うことで、人間でいう人見知りしない犬になりやすい傾向があります。
他の犬に対して吠えないようにするためのしつけとしては、アイコンタクトがあります。名前を呼んだら飼い主の目を見るようにしつけることで、他の犬が近づいたときにアイコンタクトをさせて、他の犬に注意が向かないようにします。
それでも基本は、やはり飼い主の気持ちです。飼い主が他の犬を怖がったり身構えたりすると、犬も釣られて怖がったり、飼い主を守ろうとしたりします。「全然平気だよ」というような気持ちを持って、他の犬と向き合うようにしましょう。
拾い食い防止のための食事のしつけ
犬が食事をする前に「待て」のしつけをすることがありますが、何のためにしているのかあまり理解していない人もいるかもしれません。待てを覚えないと犬は何でもすぐに食べてしまいます。危険なものや、散歩の途中で拾い食いしてしまうことがあります。
待てを覚えさせるのには、本能で食べてしまうのではなく、きちんと飼い主の許可を取って食べるという習慣を身に着けておく必要があります。ここでは飼い主の許可のあるものだけを食べるように躾ける方法について紹介します。
食事の「待て」を覚えさせるには、まず食べたいのに食べられない状況を作ります。犬にリードを付けて固定し、ぎりぎり届かないところに餌を置いたり、食器を飼い主が手で持って、犬が食べられない環境を作ったりします。
犬は一生懸命「食べさせて」のアピールをしてきますが、すべて無視してください。吠えてきても飛んできても無視しましょう。犬も次第に疲れてきて、動くのをやめます。このときに飼い主を見て「どうすればいいの?」という顔をしてくれるとベストです。
そのタイミングで「待て」と言い、しっかり「待て」をしてくれたら餌をあげるようにしましょう。まずは「待て」のしつけが出来ていることが前提ですが、待つことで餌をもらえるということを覚えさせることが、食事における「待て」の基本になります。
これを繰り返すことで、犬は勝手に道に落ちているものを食べなくなります。何かを食べるときは必ず飼い主の許可を取ってから食べるようしつけてください。食事における「待て」に対して「犬がかわいそう」という人もいますが、待てを覚えずに体に悪い物を口にして病気になる方がかわいそうです。
犬の健康を思うなら、食事における「待て」は必ず身に着けさせるようにしてください。主従関係をしっかりさせるのにも有効ですので、コミュニケーションのひとつだと思って、食事における「待て」のしつけを行いましょう。
まとめ
しつけは犬を思い通りに操るためにあるのではなく、犬を守るために必要なものになります。犬の自由を奪うのはかわいそうなのではなく、主従関係をきちんと築けない犬のほうが長い目で見たときにかわいそうなのだという認識を持ちましょう。
犬を飼うときには様々なしつけがありますが、ここではトイレ・ハウス・散歩・食事といった日常生活の基本となることについてのしつけを紹介しました。どれが大事ということはなく、犬が安全に暮らすためにはすべて必要なしつけになります。
散歩などで家の外に出たときに勝手な行動を取らせないというしつけは、犬がいきなり道路に飛び出したりすることを防ぐことができ、他の犬とケンカをしないようにして、より暮らしやすい環境を作り出すことができます。
しつけをきちんとせずにいきなり道路に飛び出したり、他の犬に攻撃をしたりする犬に育って、何かあったらそれは飼い主の責任です。しつけがかわいそうだからと自由に育てた結果、犬が道路から飛び出して車にはねられたとしたらどうしますか。
しつけはすべて犬の安全、犬の健康のために行うものになります。決して人間の言いなりに育てたいわけではありません。人間の子どもにしつけが必要なように、犬だってしつけをして社会の中でのルールを身につける必要があります。愛犬が不幸にならないようにするためにも、きちんとしつけを行うようにしてください。
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