ペットにも起こる白内障

白内障と聞くと、人間の病気を思うかもしれませんが、実は犬や猫などのペットも人間と同じように白内障になります。目が見えなくなることや、他の病気を併発している可能性のあるペットの白内障。そんな白内障について、ここではわかりやすく説明します。ペットの白内障が気になる飼い主は、ぜひ参考にしてください。

白内障ってどんな病気?

白内障とは目の水晶体が白く濁る病気で、悪化するとどんどん視力が落ちていきます。視力障害が進むにつれ、何かにぶつかる危険性が高まります。ペットは自分で「見えない」「見えにくい」と言いませんので、飼い主の多くはペットが何かにぶつかるようになって、初めて白内障に気づきます。

白内障の原因

白内障になる原因は、目の中のたんぱく質が変化して正常に機能しなくなることによりおこります。この症状は加齢によるものが大半ですが、糖尿病により発症する場合もあります。白内障になる主な原因は下記のようなものがあります。

・遺伝
・他の病気が引き起こす
・有害物質

この他にも病院などで治療するときに使う放射線や、眼球を傷つけてしまうような外傷なども、白内障に繋がることもありますが、ほとんどのケースがこの3つです。

犬の場合は、遺伝的に白内障になりやすいということがあります。どのような犬が白内障になりやすいかについては後ほど紹介しますが、「常染色体性劣性遺伝」と呼ばれる遺伝子の問題で、白内障になりやすい犬の種類があります。

すでに紹介しましたように、糖尿病が白内障を引き起こすこともあります。この他にも緑内障やブドウ膜炎といった他の病気によっても、ペットの白内障が誘発されることもあります。

白内障は薬や毒物によって引き起こされることもあります。除草剤に含まれているジニトロフェノールや、防虫剤に含まれているナフタリンを口にしてしまうと、犬や猫などのペットが白内障になることもあります。

白内障の進行ステージ

白内障は症状の進行よって治療方法が違うと説明しましたが、白内障は進行によって4つのステージに分けられます。それぞれのステージの目安と、処置の方法について紹介します。

ステージ1:初発白内障
目は見えている状態ですが、白内障の症状が少し発生してる状態です。濁りが少ししかないため、目薬をして瞳孔を広げてみないと気づかないこともあります。この段階では、進行を遅らせるための治療を行います。

ステージ2:未熟白内障
ステージ2でも、まだ目は見えている状態ですが、白濁は目全体に広がっていきます。進行を遅らせるための治療をするのが一般的です。遺伝的に白内障になりやすい若い犬の場合は、手術の成功率が高いとされるこの段階で、手術をしてしまうこともあります。

ステージ3:成熟白内障
目がほとんど見えていない状態になるとステージ3です。ほとんどの飼い主は、このステージ3になるまで白内障に気づきません。この段階では進行を遅らせても無駄ですので、手術をするか、目の炎症を抑えるための消炎治療を行います。

ステージ4:過熟白内障
成熟白内障の状態がさらに進行すると、ぶどう膜炎や緑内障、網膜剥離などを併発している可能性があります。可能であれば手術を行いますが、併発している病気によっては手術ができず、消炎治療のみの対応になることもあります。

白内障の治療

白内障がそれほど進行していない場合は、薬物療法での治療が中心でとなります。点眼薬をつかって病状の進行を抑えます。犬はもともと視覚だけに頼って生活していないので、初期の段階ならそれほど支障はありません。このため、これ以上の進行が進まないようにするための治療を行います。

重症になると濁った水晶体を摘出して、透明なものに交換するといった人間同様の手術も行われる場合もあります。手術が成功すれば、犬は以前の視力を取り戻すことができます。

白内障の種類とかかりやすい種類

白内障は先天性で発生するものと、後天性で発生するものに分類されます。それぞれで発症しやすい種類が違いますので、その分類と種類について把握しておきましょう。

先天性白内障

生まれながら発症している白内障です。生まれたときから水晶体が白く濁り、まったく目が見えないというようなケースもあります。

先天性白内障にかかりやすい犬種
・ラブラドールレトリバー
・チャウチャウ
・ボストンテリア
・ミニチュアシュナウザー
・アメリカンコッカースパニエル
・ビークル

先天性白内障にかかりやすい猫種
・ペルシャ
・ハーマン
・ヒマラヤン

後天性白内障

後天性白内障は、生まれてから発症する白内障です。発症する年齢によって、下記のように分類されます。

若年性白内障:0~2歳
壮年性白内障:3~6歳
老年性白内障:7~8歳

老年性白内障は遺伝に関係なく、どのような犬や猫でも発症する可能性があります。若年性白内障や壮年性白内障は猫ではあまり発症しにくいと言われています。

後天性白内障にかかりやすい犬種
・アメリカンコッカースパニエル
・ゴールデンレトリバー
・シベリアンハスキー
・ビークル
・プードル
・パグ
・ミニチュアシュナウザー
・ラブラドールレトリバー

白内障でみられる症状

ペットの白内障は、早期発見・早期治療が必要です。できるだけ早くに白内障に気づいてあげる必要がありますので、どのような症状が見られたら白内障を疑うべきかについて紹介します。

視覚障害による症状

もっとも分かりやすい症状が、椅子やテーブルなどにぶつかるようになるということです。また、目が見えにくくなっているため、本能的に壁伝いに歩くようになります。白内障の初期段階では、薄暗い夜中にだけこのような行動を示します。

ただし犬や猫は住み慣れた場所の場合、視覚に頼らずに移動することができます。そのため、症状が行動に見られるようになるときには、すでに白内障の進行がかなり進んでいる可能性があります。

また見えないことに対しての不安から、飼い主に対して攻撃的になることもあります。同じく不安から、夜鳴きをすることもありますので、これまで見られなかったそのような行動が増えてきたら、白内障を疑ってみましょう。

目に現れる症状

白内障は水晶体が白く濁る病気ですので、目をチェックするとその症状を確認することができます。目が白く濁っていたら、動物病院でチェックしてもらいましょう。また、瞳孔がずっと開いているというのも白内障の特徴です。これは光を多く取り込もうとするためです。

白内障は老化によって、どんな犬や猫でも発症する可能性があります。7歳以上になったら、毎日目のチェックをしてあげましょう。

白内障と糖尿病の関係

ペットに白内障の症状が見られるようになったとき、白内障の治療を始めることも重要なのですが、白内障の原因をきちんと掴んでおくことも重要です。遺伝性のものであれば、白内障の治療をするだけですが、白内障は糖尿病を併発している可能性が高く、そちらも注意が必要です。

正確には糖尿病が白内障を引き起こします。糖尿病はかなり進行が進まないと、発症していることになかなか気づけません。ところが白内障を誘発している場合は、白内障の発症によって糖尿病の発見につながることもあります。

反対に糖尿病と診断されたときには、白内障を併発していないか確認する必要があります。糖尿病を発症した犬の50%が半年以内に白内障も併発し、1年半以内では80%もの犬が白内障になると言われています。

白内障の予防方法

白内障は遺伝的にかかることもありますので、絶対に防ぐことの出来る予防方法というものはありません。このため白内障に対しては「できるだけ進行を遅らせる」ことを前提とした予防を行います。代表的な予防方法について見ていきましょう。

目薬による予防

白内障に効果が期待できる目薬が市販されています。この目薬は治療のための目薬ではなく、進行を遅らせるためのものです。ただし、ペットの白内障を遅らせることができるかどうかについては、様々な議論があります。

獣医によっても、目薬による白内障への有効性についての考え方が違います。犬によって向き不向きもあります。目薬で白内障予防を行いたい飼い主は、かかりつけの獣医に相談をして、目薬を使うかどうかを決めましょう。

サプリメントによる予防

ペットの白内障予防のために、サプリメントを活用するという方法もあります。白内障予防のためのサプリメントは、様々なメーカーから発売されていますので、とても入手性が高いという特徴があります。

サプリメントはプロポリスやアスタキサンチン、ブルーベリーなど、目に効果があると言われている成分や、それらが多く含まれている食品を使用しています。

サプリメント類の難点は、価格が高いということにあります。それで効果が出て、ペットの白内障の進行を遅らせたり、発症を確実に防げるのであれば決して高い買い物ではありません。それでも実際に使ってみないと、相性も含めてわかりづらいため、なかなか手を出しづらいかもしれません。

それでも、サプリメントによって進行を遅らせることができたケースもありますので、白内障をなんとかしたいと考えている人は、サプリメントでの予防も検討しましょう。

白内障を食事で予防するという考え方

白内障予防のためには、目薬やサプリメントという方法もあるのですが、もっと根本的なところで、ペットの食事を見直すことで、白内障の発症を抑えようという考え方もあります。日頃の食事で、白内障にならないような工夫を取り入れるのです。

そのためのポイントは日頃から必要な栄養素をしっかり摂ることです。昔の老人の多くがが白内障にかかっていたといわれているのは、摂取すべき栄養素が不足していたからだと言われています。白内障にならないように、ここで紹介するような栄養素を与えるようにしましょう。

ビタミンC

特に目に良いといわれているものとして、まずビタミンCがあげられます。犬は自分の体内でビタミンCを作ることができるのですが、それでもビタミンC不足になることがあります。パセリやブロッコリのようなビタミンCが多めに含まれている野菜を積極的に摂りましょう。

ビタミンE

ビタミンEには、抗酸化作用があると言われています。血液の循環もよくなりますので、ペットの老化そのものを抑えることができます。老化しなければ白内障の発症も抑えやすくなりますので、ビタミンCと一緒にビタミンEも与えましょう。ビタミンEはモロヘイヤやかぼちゃ、アーモンドなどに多く含まれています。

アスタキサンチン

白内障対策のサプリメントによく含まれている成分が、アスタキサンチンです。アスタキサンチンは人間の老化を遅らすことができることでも注目されています。アスタキサンチンが多く含まれている食品として、エビや鮭といったものが挙げられます。

DHA

視力の低下を防ぎことができるとされている成分のひとつがDHAです。痴呆症にも効果があるとされていますので、視力の回復だけでなく、老化を防ぐことも期待できます。DHAは魚に多く含まれていますので、魚を使ったドッグフードなども食べさせてあげましょう。

ビタミンA(βカロテン)

人参やほうれん草などに多く含まれているビタミンA も、白内障予防を期待できる成分のひとつです。ドライアイなどに対しても効果があり、目の健康のために積極的に摂取しておきたい栄養成分です。

推奨したいフード

白内障予防にはフード選びが大切です。症状の緩和や予防に推奨したいフードを紹介します。

レトルト/チキンオカラベジ

野菜がたっぷり含まれており、かつ低カロリーで嗜好性のあるフード。高質で厳選された国産鶏肉を使っており、また、にんじん・グリーンピースといったビタミン豊富なおかずがたくさん入っています。「食べやすさ」を追求しそぼろ状に調理しています。

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乾燥野菜/スイートベジタ3

野菜にも白内障に症状緩和・予防効果があるものはたくさんあります。抗酸化物質を積極的に取り入れることで、進行を遅らせてあげることが出来ます。生野菜をあまり食べてくれないペットに食感のいい乾燥野菜がおすすめです。

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サプリメント/パーフェクトノニDX150

直接目に効くとは言えませんが、総合的に栄養素が摂取できるのでおすすめできるサプリメントです。このノニで必須アミノ酸9種類を含む150種類以上の栄養素が摂取できます。

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