ペットの老化。その時のケアとは??
今は元気なワンちゃんやニャンちゃんでも、いずれ歳をとって老化が始まります。人間の何倍ものスピードで年老いてしまうペットたち。その過程を温かく見守っていくのも飼い主さんの役割ですが、少しでも老化を遅らせるケアを行うのも飼い主さんが行うべきことのひとつです。
完全に防ぐことのできないペットの老化。どのようにケアをすればいいのか、そもそも老化するとどのような状態になるのか、ペットの老化とそのケアの基本についてここではご紹介していきます。
目次
老化ってどういう状態?
「老化」は当たり前のように使っている言葉ですが「じゃあ具体的にどういう状態なの?」と聞かれるとなかなか答えるのが難しいですよね。ものすごくシンプルに答えるなら「体の機能が低下すること」というのが老化です。
これまでと同じような時間の散歩ができなくなったり、飛び上がっていた場所に登れなくなったり、見えていたものが見えなくなったり。これまで難なくできていたことが、ゆっくりとできなくなっていくのが老化です。
最も分かりやすいのが筋力の低下です。人間でも筋力は20代が最も高く、トレーニングを行わないと、そこから加齢とともに低下していきます。子どもの運動会などで、若い頃を思い出して走ったら、足がもつれて転んでしまったというのも老化による筋力低下が原因です。
犬の老化:7歳から9歳
猫の老化:11歳から12歳
一般的に犬と猫の老化が見られるのがこれくらいの年齢からです。実際には個体差がとても大きく、10歳になっても元気なワンちゃんもいれば、11歳になる前から老化のサインが出ているニャンちゃんもいます。ただ、目安としては老化が目に見えて分かるのがこれくらいだと覚えておきましょう。
犬は見た目が明らかにお年寄りになるのに対して、猫は成猫になってしまうと年齢の変化があまり分からないという特徴があります。そもそも活動量も犬よりも少ないため、飼い主さんが老化に気づかないというケースもよくあります。
気づかないと、どんどん老化が進んでいきますので、飼い主さんはそのサインだけでも知っておきたいところです。老化にはどのようなサインがあるのか次章で詳しく説明します。
老化のサインを見抜こう
それでは実際には、犬や猫が老化していくとどのような変化が見られるのか、その老化のサインについてご紹介します。
犬の老化サイン
- 白髪が増えた
- 被毛のツヤが減ってきた
- 目が白濁してきた
- 抜け毛が増えた
- 他の犬と遊ばなくなった
- 寝ている時間が増えた
- 名前に反応しなくなった
- 食べ物に興味を示さなくなった
- トイレの失敗が増えた
- 階段や段差で躊躇するようになった
他にもいろいろなサインがありますが、犬の老化サインは大きく分けて2種類あります。ひとつは見た目の変化で、もうひとつが行動の変化です。
毎日接していると、見た目の変化にはなかなか気づきにくいのですが、人間と同じように白髪が増えたり、被毛にハリツヤがなくなってしまいます。抜け毛も増えますし、皮膚のハリも失われていきます。目が白く濁り始めたときも老化のサインです。
行動の変化は「意欲の喪失」と「思うように動かない体」の2点で変化が見られます。人間でも歳をとっていくとガツガツしなくなって、丸くなりますよね。ワンちゃんでも同じように、遊びたい欲や食欲というものがゆっくりと失われていきます。
また、トイレに失敗したり段差を躊躇したりするといった、体力の低下も見られるようになります。ただし、単純な老化だけでなく病気にかかっている可能性もあります。単なる老化ではなく、病気のサインということもありますので、老化と決めつけないことも大切です。
猫の老化サイン
- 被毛のツヤがなくなった
- お腹がたるんできた
- 白髪が増えた
- 歯が黄ばんできた
- ほとんどの時間寝ていて同じ場所から動かなくなった
- 高いところに登らなくなった
- 遊びにのってくれなくなった
- 食事量が減った
- トイレに何度も行くようになった
- トイレの失敗が増えた
- 爪とぎをしなくなった
猫の場合は、上記のような変化が見られますが、実際には変化の幅がとても緩やかですので、老化に気づかない飼い主さんがほとんどです。成猫になると、子猫の頃のように活発に動き回らなくなるため、そこから老化が進んでもあまり変化が分かりません。ゆっくりと運動量が減っていき、気がつけばほとんど動かなくなります。
猫の老化サインとして分かりやすいのは歯の変化です。老化が進むと歯の色が黄ばんだり茶色くなったりします。見た目はほとんど変わらなくても、歯に老化サインが出てきますので、高齢になってきたら、定期的に歯をチェックしましょう。
また老化が進行すると、トイレの回数が増えたり失敗したりします。ただし、猫は泌尿器系の病気にかかりやすいため、その場合でもトイレの回数が増えることもあります。これまでと少し違うなと感じたら、おしっこの臭いを確認して、これまでと少し違うようであれば、病院で診てもらう必要があります。
老化したときのケアの基本
老犬・老猫になると体力が衰え、病気にかかりやすくなります。免疫力を高めていき健康を維持していくことが必要になってきます。といっても気を遣いすぎるのもあまりよくありません。「年寄りだから散歩は短めにしよう」とか「ご飯はやわらかくしてあげなくては」と気を回すと、愛犬・愛猫は急激に体力・気力を失っていくものなのです。
それでは老化を感じたときには、どのようなケアをすればいいのか見ていきましょう。
心地いい環境を整える
犬でも猫でも高齢になると、人間と同じように思うように体を動かせなくなります。床材がフローリングの場合は、マットを敷くなどして体に負担の掛からない、心地いい環境を整えるようにしましょう。大きな段差にはスロープを付けることも有効です。
老化すると視力が低下しますので、床面にはできるだけ物を置かないようにしてください。また、家具のレイアウト変更をすると、ペットが混乱してしまう可能性があります。高齢になってから部屋の模様替えなどは避けるようにしましょう。
運動不足にならないように注意する
犬の場合は散歩すれば運動になりますが、猫の場合は散歩をしませんので、老化が始まるとどんどん運動不足になり、最終的にはほとんど動かなくなります。動きたくないのではなく、筋力が衰えて、動くのが面倒になってしまうためです。
このため老化に気づいたら、少しでも一緒に遊んであげるようにしましょう。キャットフードをいつもよりも少し高いところに置くなどの工夫で、プラスアルファの運動も期待できます。猫の場合は、フードの場所を何箇所かに分けて、探させるというのも老化防止に有効です。
犬の場合は、散歩の時間をゆっくり取るようにしましょう。1回で動ける距離が短くなってきたと感じたなら、複数回に分けて散歩させるのもおすすめです。いつもと違うコースを歩かせて、刺激を与えることで、筋肉だけでなく脳にも刺激を与えることができます。
定期検診を受ける
どんなに元気に見えても老犬・老猫になると最低限年1回、できれば半年に1回の健康診断は受けさせたいものです。ペットの状態をよく確認して(病気のシグナルをだしている場合も多い!)、気になる点を獣医師にきちんと伝えてください。
また、定期検診でなくても、体に異変を感じたときには、早めに動物病院に連れていきましょう。病気は早期発見早期治療が基本です。これは老化したワンちゃんやニャンちゃんでも変わりません。「もうお年寄りだから仕方ない」と決めつけずに、きちんと病院で診てもらいましょう。
食事で老化を食い止めよう
「老犬・老猫になると消化能力が落ちる」といわれる事もありますが、実際は死の直前までほとんど変わらないことが多いんです。確かに年齢とともに食事量は減っていきますが、それは単純に食欲が低下しているだけで、消化能力とは関係ありません。
年をとると衰える体の免疫力や酵素反応を正常に保つには、ビタミンやミネラルを積極的に摂取することをおすすめします。特に白内障予防のためには、ビタミンCが豊富な野菜や果物を毎日の手作り食に積極的に取り入れましょう。また、きのこ類も免疫力を高めてくれます。
とはいえ、野菜や果物ばかりのバランスを偏った手作り食にしないようにしましょう。筋肉を落とさないためにも、肉や魚も食べさせてください。年齢とともに皮膚が乾燥しやすくなるので、適量の油脂類も欠かせません。
要は、体が不自由で寝たきりになったとしても、できるだけ今までどおりの食事を与えることです。フードプロセッサーですりつぶすのも、特別なことがない限り必要ありません。無理のない範囲で従来と同じ生活を続けてください。
ただし、メインのフードとなるドライフードは、年齢に合ったものを選ぶようにしましょう。正確には年齢に合ったものというよりは、自分のペットに合ったものを選んでください。
例えば、運動量が変わらないのに食べる量が減ってしまったペットと、運動量が減って食べる量が変わらないペット、同じフードでいいわけがありませんよね。前者には高カロリーフードが適していますし、後者は低カロリーフードが適しています。
単純に高齢用のフードを選ぶだけでなく、そのフードが自分のペットにマッチしたものであることを確認して、最適なペットフードを与えるようにしましょう。
それでは、老犬・老猫にお勧めしたいフードを次章でご紹介しますので、結局どのようなフードを与えていいのか分からないという飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。
推奨したいフード
ペットの老化対策として、フードが重要だということは理解できたかと思います。でも実際にどのようなフードを選べばいいのか迷ってしまいますよね。そういう人のために、ここでは当店で取り扱っている、老化ケアに適した推奨フードをご紹介します。
基本的な考え方として、総合栄養食のドライフードをベースに与えて、その他のおかずやサプリメントを補助的に活用してください。
ドライフード
■成犬~老犬用ドライフード プレートツー
■成猫~老猫用ドライフード プレートキャットツー
原材料のアジに含まれているオメガ3系脂肪酸は、体内から病原体を排除するのに有益です。血行をよくして、腎臓病の要因となる動脈硬化を防ぐのにも役立ちます。また、魚に多く含まれる抗酸化物質が、体内に老廃物がたまって発生する活性酸素を抑えてくれます。
魚をベースに作られたドライフードですので、アレルギーの心配もほとんどありません。老化が始まったと感じることが多くなったら、通常のドライフードから切り替えてみましょう。
缶詰/チキンミール
離乳食、仔犬・仔猫、老犬・老猫、産前産後、病中病後、それぞれの状態に応じて使えるよう、栄養のバランスを考えて作られた缶詰です。カルシウム、ビタミンA、ビタミンB3、ビタミンE等の栄養素を効率的に摂取できます。
国産雛鶏と大豆がミックスされており、安全性の高さはもちろんのこと、見た目がよく食いつきもよくなるよう、おいしく作りました。
ふりかけ/スパイスアップササミ・チーズ
極端に食欲がなくなりやせてきた場合は、香りのひと工夫が有効です。スパイスアップを出来上がったフードにかけてみると、ワンちゃん・ニャンちゃんの好きなチーズとササミの風味で食欲倍増します。
しっかり食べることが健康の基本です。高齢になると、どうしても食欲は減ってしまいます。それは仕方のないことですが、食欲だけでなく元気までなくなるようなケースでの使用すれば、ワンちゃんやニャンちゃんの活力が戻ってきます。
サプリメント/パーフェクトノニ150DX
中年~老犬・老猫の場合、若い時よりも栄養素の吸収率が下がってしまいます。歳とともに食べる量も減り、カロリー吸収に問題が出てくる時期です。そのような時には「パーフェクトノニ」をおすすめします。このサプリメントをドライフードにまぜて与えることにより、必須アミノ酸や微量の元素が体内に取り入れられ、活力の増加が期待できます。
このサプリメントには、必須アミノ酸9種を含む150種類以上の栄養素が含まれております。ドライフードにかき混ぜてながら与えみてください。