食事では治せない病気の見分け方

病気を治すには、食生活の見直しをすることが大切なのは人間もペットも同じです。食事の乱れが体調不良を招く可能性がありますので、食べるものを切り替えることで、病気の症状が改善されるわけです。

ところが、世の中のすべての病気が、食事で治せるというわけではありません。食事だけでペットの健康を維持できるなら、動物病院の先生は必要ありませんよね。ここでは食事で治すことの出来ないペットの病気と、その見分け方について説明します。

食事で治せない病気の種類

食事で治すことができないペットの病気で、代表的なものは下記の3つです。

・脳障害
・認知症
・内分泌系疾患

もちろん、食事の改善にまったく意味がないというわけではありません。ある程度は症状を緩和してくれたり、進行を遅らせたりする効果は期待できます。それでも、根本的な治療を食事によってできるわけでないのが、この3つの病気です。それぞれの病気について、もう少し詳しく見ていきましょう。

脳障害

脳障害には先天的に発症するものと、後天的に発症するものがあります。よくある脳障害による病気は次のようなものがあります。

・てんかん
・脳腫瘍
・水頭症
・脳梗塞

このほかに肉芽腫性髄膜脳脊髄炎や壊死性髄膜脳炎などの複雑な病気も、脳神経の異常によって発症する病気です。

てんかん
脳の神経細胞が興奮状態になることで引き起こされる発作で、食事の改善ではなく、抗てんかん薬を与えることで、その治療を行います。

脳腫瘍
最近では脳腫瘍が出来てしまう猫や犬が増えています。発作を起こすような場合は抗てんかん薬を投与し、できた腫瘍がリンパ腫の場合は化学療法を行います。また腫瘍を外科手術で取り除いたり、放射線治療で腫瘍を除去したりすることもあります。

水頭症
水頭症は小型犬によくみられる脳障害で、脳が以上に溜まってしまった脳脊髄液によって圧迫されることによって発症する病気です。脳圧を下げるための薬を投与することで、対処することができますが、重度な場合は手術を行う必要があります。

脳梗塞
以前は、犬や猫が脳梗塞にかかることはないとされてきましたが、最近の研究結果によって、犬や猫でも脳梗塞にかかることがわかってきました。人間のような治療方法が確立されていないため、脳圧を下げるための薬の投与や抗てんかん薬の投与を行います。

内分泌系疾患

ペットがかかりやすい内分泌系疾患の代表的なものが下記になります。

・糖尿病
・副腎皮質機能低下症
・副腎皮質機能亢進症

内分泌系疾患というのは、ホルモンバランスの崩れが原因の病気です。先天的にかかる病気もあれば、食事を与えすぎたことによって、体内バランスが崩れてしまったことで発症することもあります。

糖尿病
食事の食べ過ぎやストレス、感染症などが原因で発症する病気です。食べ過ぎが大きな原因のひとつですが、それ以上に遺伝的に糖尿病になりやすい犬が多いということも事実です。犬の場合は、インスリンの分泌が大幅に低下して、栄養を体に取り込めなくなります。治療は薬物療法と食事療法、そして運動療法などを用いて行います。

副腎皮質機能低下症
副腎皮質機能低下症はアジソン病とも呼ばれ、副腎皮質ホルモンの分泌量が低下する病気です。犬が何らかのストレスを感じたときに発症しやすく、急性の場合は緊急治療を行い、慢性の場合は、副腎皮質ホルモンの投与を継続して行います。

副腎皮質機能亢進症
副腎皮質機能亢進症はクックシンドロームと呼ばれる病気で、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌される病気です。副腎皮質ホルモンを過剰に摂取すると発症します。発症すると薬の投与によって、副腎皮質ホルモンの分泌を抑制します。

認知症

ペットの認知症は防ぐことがとても難しい病気のひとつです。どんなに健康的な犬や猫でも、長生きしていると、体のあちこちにトラブルを抱えてしまいますし、物覚えも悪くなります。ある調査では、11~16歳までの犬の62%が認知症だったという結果が報告されています。

認知症にはDHAがよいとされていますが、正確にどれくらいの効果があるかはわかりません。予防に役立ち、進行を遅らせることができたとしても、認知症を食事だけで治すことはできません。

ペットの認知症についての研究はまだ始まったばかりで、その原因などもはっきりしたことが分かっていません。獣医さんでも一部の人は「歳をとったら仕方がない」と考えているケースもあります。

原因はまだ分かっていないものの、遺伝による影響が大きいということがわかり、なおかつ食生活の影響もあるとされています。現段階では、食事では治せないペットの病気のひとつですが、将来的には食事によって劇的な改善が期待できるかもしない病気でもあります。

ただし、認知症は治療よりも予防のほうが効果の高い病気です。食生活や飼育環境の改善などを行って、認知症予防を行うことも重要であることを頭に入れておきましょう。

食事で治せない病気の症状

どのような病気が食事で治せないのかについて紹介してきましたが、次にそれらの病気になったときに見られる症状について紹介します。いずれも早期発見早期治療で悪化することを防ぐことができますので、気になる症状があれば、すぐに動物病院に連れて行ってください。

脳障害

・手足がしびれて、震える
・発作が起こる
・痛みを感じなくなる
・眼球が左右に細かく揺れる
・声をかけても無反応になったり、反応が遅れたりする
・何に対しても臆病になってしまう

内分泌系疾患

・筋肉が萎縮してしまう
・お腹が膨れる
・カラダがぐったりとする
・腹部や脇腹の毛が大量に抜ける
・水をたくさん飲むようになる

認知症

・口の締まりがなくなりヨダレをたらし始める
・就寝時間に眠らなくなる
・落ち着きがなくなり部屋の中を歩き回る
・ちょっとしたことですぐに吠える
・迷子になる
・食欲の低下・増加

症状が見られたときにまずすべきこと

上記のような症状が見られたとき、飼い主としてはどのような対処をすべきなのでしょうか。まずは様子見をするのか、それともすぐに動物病院に連れて行くべきか悩みますよね。ペットに病気の気配がある場合は次のような対処を行いましょう。

ペットの体調が急に悪化したら

ペットが急に痛がったり苦しがったりした場合は、すぐに動物病院に連れていきましょう。これは上記の病気だけでなく、骨折や脱臼などの緊急性の高いケガや病気も含めての対処方法です。痛がっているのに、様子見をしている間に体調が一気に悪化することもあります。

緊急性が高いと判断したら、まずは何を差し置いてでも、ペットを動物病院に連れて行くことを最優先してください。

ゆっくりと症状が進んでいったら

急性ではなく、ゆっくりと症状が進行しているようでしたら、まずは獣医さんに相談することから始めましょう。最近では24時間電話での相談を受け付けてくれるサービスがあります主治医が決まっていない場合は、それらのサービスを利用してみましょう。

主治医がいる場合でも、いきなり病院に駆け込むのではなく、主治医に相談することから始めてください。症状がゆっくりと進んでいる場合は、その後急激に悪化する可能性は低いため、適切な処置方法を主治医に聞いた上で、次の行動を決めましょう。

ただし、すぐに悪化しないからといって、電話を先送りするのはNGです。気になったときが相談をするタイミングです。後になればなるほど治療方法が限られてしまいますので、すぐに相談の電話をしてください。

食事で治せない病気の治療方法

治療方法は病気の種類によって違います。担当医の方針によっても違いますが、多くの場合は薬を投与して、症状の進行を遅らせたり、症状を和らげたりします。病気の種類によっては、治療方法がないということもあります。

また薬の投与にしても長期戦になることが考えられます。人間のように保険が適用されるわけではありませんので、どうしても治療費が高くなってしまいます。治療費を払いきれずに治療を諦めるということもよくあります。

もし、将来の病気が不安だという人は、ペットが若いうちに保険に加入しておきましょう。歳をとってからでは保険に加入できないケースなどもあります。掛け捨てですので、お金が無駄になる可能性もありますが、高額な治療費で悩まされないようにするためにも、保険加入をおすすめします。

病気になってしまうと、食事を見直さなくてはいけません。食事で病気を治すことができなくても、食事によって栄養管理をし、少しでも体をいい状態に保つことが可能です。一般的には獣医が処方した療法食を食べたり、手作りの食事に切り替えたりしていきます。

また、食事による治療は難しいのですが、予防はそれほど難しくはありません。次に、その予防方法について説明します。

食事で治せない病気を予防する

病気が発症すると、最新の医療でも治すことができない病気もあります。そうなると手の打ちようがなくなるのですが、予防であれば飼い主の努力次第で、病気にさせないことも可能です。ここでは、そんな病気の予防方法について紹介します。

ストレスを与えない

まず重要なことは、ペットにストレスを与えないということです。犬や猫でもストレスに強い種類とストレスに弱い種類があります。また個体差もありますので、基本的にはいかにしてペットのストレスを減らすかについて考えながら、生活環境を整えてあげましょう。

犬や猫を飼うときは室内飼いに徹することや、毎日しっかりとコミュニケーションをとることなど、飼い主にできることはいくつもあります。猫などは環境の変化がとても大きなストレスになり、それがきっかけで病気になることもあります。

ペットの病気を予防するには、ストレスをできるだけ与えないよう注意してください。

適度な運動を行う

ストレス対策でもありますが、ペットには適度な運動をさせるようにしましょう。犬であれば毎日散歩をして、猫の場合は毎日一緒に遊ぶ時間を確保しましょう。人間でも運動をしている人はとても健康的ですよね。

ペットとはいえ、犬や猫はそもそも自然界で生きてきた動物です。狩りの本能などを持っていますので、それらの本能を目覚めさせてあげることで、心も体も強くすることができます。

運動をすることで肥満になるのも避けられます。肥満は万病の元ですから、ペットが肥大化しないように、きちんと運動できるようにしてあげましょう。

体にいいペットフードを与える

ペットフードで治療はできなくても、ペットフードで予防はできます。栄養価が高いだけでなく、安心して使うことのできるペットフードを与えることで、病気を避けることができます。市販品の安いペットフードには添加物がたくさん含まれていますが、これらを口にしないだけでも健康維持にはとてもプラスに働きます。

また、食事によって感染症を防ぐこともできると言われています。特に重要なのがビタミンAです。病気になりにくい体づくりをするために、普段の食事からビタミンAを積極的に取るようにしてください。もちろん偏った食事もNGですので、ビタミンA以外にもしっかりと栄養を摂れるようにしてあげましょう。

いい食事と運動があれば、多くの病気を防ぐことができます。どうしても避けられない病気もありますが、食事で予防できるなら、それらの食事を積極的に取り入れたいですよね。無添加で安全性が高く、ビタミンAが多く含まれているペットを利用してください。

推奨したいペットフード

病気の予防には食事の見直しが重要だと説明しましたが、どんなペットフードが適しているのか分からないという人のために、推奨したいフードについて紹介します。

犬用ドライフード/プレートスリー

ドライフードに魚のアジを使用。しっぽから頭までアジ全体を練りこんであるので、DHA、EPAが豊富に含まれています。このDHA、EPAは体内から病原体を排除するのに有効です。血行をよくし、動脈硬化を防ぐのにも役立ちます。

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缶詰/チキンレバーブロック

ビタミンAやミネラルを豊富に含んだ栄養バランスの良いおかずです。粘膜を強くします。

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缶詰/カツオレバーベジ

チキンレバーブロックと同様に、こちらもビタミンAを多量に含んでいる缶詰です。カツオを豊富に含んでいるので、猫に大人気のおかず缶詰です。

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