ビタミンEで抗酸化

老化防止に効果のあるビタミンとして近年注目されているのが、ビタミンEです。ビタミンEは脂質を酸化させる前の活性酸素と結びつき、強力な抗酸化酸素で活性酸素を無害化すると言われています。他にも様々な効果があるビタミンE。

ここではそんなビタミンEを活用して、ペットの健康を維持するためのポイントをご紹介します。ワンちゃんやニャンちゃんに少しでも長く健康でいてもらいたい。そう願う飼い主さんは、ぜひ知識としてビタミンEの効果を覚えておきましょう。

ビタミンEの基礎知識と魅力

 

それではまず、ビタミンEとは何なのかについて説明していきましょう。分かっているようで分かっていないのが栄養素ですが、その中でもビタミンEについて理解している人はかなり少ないと思います。できるだけ難しい言葉を使わずに分かりやすく説明しますので、挫けずについてきてくださいね。

ビタミンEの種類

ビタミンEはトコフェロールやトコトリエノールとも呼ばれる栄養素のひとつで、植物や藻などの光合成によって作られます。自然界には下記のような8種類が存在します。

α-トコフェロール
β-トコフェロール
γ-トコフェロール
δ-トコフェロール
α-トコトリエノール
β-トコトリエノール
γ-トコトリエノール
δ-トコトリエノール

トコトリエノールはトコフェロールに比べると強い抗酸化作用があるとされていますが、米ぬか油やパーム油などにしか含まれていないので、「そういうものがある」くらいに覚えておきましょう。トコフェロールもそのほとんどがα-トコフェロールです。例えば西洋かぼちゃに含まれるトコフェロールは次のようになります。

西洋かぼちゃ(100g)
α-トコフェロール:4.9mg
β-トコフェロール:0.1mg
γ-トコフェロール:1.3mg
δ-トコフェロール:0.0mg

圧倒的にα-トコフェロールの値が多いのが分かりますよね。食べ物に含まれているビタミンEの90%がα-トコフェロールだと覚えておきましょう。

ビタミンEの特性

ビタミンEは脂溶性ビタミンですので、油脂には溶けやすいのですが、水には解けないという特性があります。さらに光や熱、酸素によって壊されやすいビタミンでもあります。脂溶性があるため、体内の細胞膜に入り込むことができるため、抗酸化作用を発揮しやすいと言われています。

ビタミンEの効果

詳しい説明は後ほど行いますが、一般的に言われているビタミンEの効果についても見ていきましょう。ビタミンEを摂取することでどのような効果が期待できるのでしょう?

  • 老化防止
  • 抗がん作用
  • 血行改善
  • 不妊を解消する

ビタミンEの効果で最も注目されているのが、老化防止と抗がん作用ではないでしょうか。その仕組みは後述するとして、ビタミンEを摂取することで細胞などが酸化防止され、いつまでも若々しい体でいられるとされています。また酸化防止効果によって前立腺がんや胃がん、食道がんの予防効果もあると言われています。

さらに毛細血管を拡張させる効果もあり、それにより血行改善が期待できます。血行が良くなると、肩こりや頭痛などが解消され、さらには新陳代謝もアップしますので、皮膚のトラブルにも改善効果が期待できます。

ビタミンEのトコフェロールには「子どもを産ませる」という意味があります。ビタミンEは動物の不妊を解消できるビタミンとして知られていました。副腎や卵巣に蓄えられることで、女性ホルモンの分泌をコントロールすることができるため、ワンちゃんやニャンちゃんなどの不妊にも効果が期待できます。

老化防止効果と抗酸化作用の関係

ビタミンEには老化防止効果があるとか、抗酸化作用があるとか言われても、正直なんのことだか分かりませんよね。なぜビタミンEに抗酸化作用があり、その抗酸化作用がどうして老化防止効果につながるかについて説明していきます。

ビタミンEの抗酸化作用

私たち人間だけでなく動物も、酸素を体内に取り込んでエネルギーを作り出します。その過程で作り出されるのが活性酸素です。活性酸素の名前くらいは聞いたことあるかもしれませんが、とても酸化力の強い酸素だと考えてください。

鉄などを屋外に放置していると、サビが発生しますよね。それが「酸化」と呼ばれるもので、同じことが体内の細胞でも行われています。活性酸素が発生すると、手当たり次第体内にあるものを酸化させて、細胞や血管などを傷つけます。

そこに抗酸化作用のあるビタミンEを投入すると、活性酸素は細胞ではなくビタミンEに吸着します。その結果として、細胞や血管などが酸化されず、健康な状態を維持できるというわけです。

活性酸素による老化現象

活性酸素についてもう少し詳しく説明しておきます。活性酸素は呼吸だけではなく、紫外線や化学物質、激しい運動、強いストレスなどでも発生します。ワンちゃんやニャンちゃんの場合は、ストレスが強いほど寿命が短くなると言われていますが、それも活性酸素が原因のひとつと考えられています。

「でも若いうちはストレスがあっても、激しい運動があっても老化しないよ。」そう言う人もいると思います。そもそも私たち人間や犬や猫などの動物は、活性酸素を減らす抗酸化酵素を体内で作ることができます。これが加齢とともに減少してしまいます。

このため、歳を取ると疲れやすくなったり、肌のシミやシワが増えたりするというわけです。足りない分は食べて補えば老化は進みません。それを可能にするのがビタミンEなのです。もちろん他にも抗酸化作用の強い食べ物はたくさんありますが、ビタミンEは身の回りにある食べ物に多く含まれているため、活用しやすいというメリットがあります。

ビタミンEが不足するとどうなる?

ビタミンEが不足すると次のような症状が見られます。

  • 貧血
  • 動脈硬化
  • 食欲不振
  • 筋肉の萎縮
  • 皮膚炎

ビタミンEが不足している状態というのは、活性酸素が次々と細胞を錆びさせている状態だと考えてください。細胞の中でも血液中で酸素を運ぶ役割を担っている赤血球が壊されてしまうと、体内に酸素が送られなくなり貧血の症状が見られるようになります。

血管そのものも傷めつけますので、コレステロールなどが血管に付着して、動脈硬化を引き起こすこともあります。血の巡りが悪くなりますので、高血圧なども引き起こします。

赤血球や血管の損傷により酸素のめぐりが悪くなると、筋肉や皮膚にも悪い影響を与えます。筋肉の萎縮や皮膚炎など、日常生活にも支障をきたすようなケースもあります。人間であれば「調子が悪いな」と思う程度かもしれませんが、ワンちゃんやニャンちゃんの場合は、食欲が一気に減ってしまうこともあります。

ビタミンEが多く含まれるフード

それではいったいどのような食材にビタミンEが多く含まれているのでしょう?100gあたりに含まれているビタミンEの多い食材をご紹介します。後ろの値はα-トコフェロールの値になります。

ひまわり油:38.7mg
ヘーゼルナッツ:17.8mg
イクラ:9.1mg
パセリ:7.2mg
かぼちゃ:4.9mg
アボカド:3.3mg
モロヘイヤ:6.5mg
鮎:1.2mg
イワシ:1.6mg

ビタミンEは油脂に溶ける脂溶性ビタミンですので、脂質が多い食材に含まれています。ひまわり油のようなサラダオイルや、脂質の高いナッツ類がその代表的な食材になります。この他に青魚や、西洋かぼちゃ、アボカド、モロヘイヤなどの野菜にも多く含まれています。

煎茶やアーモンドなどにも多くのビタミンEが含まれていますが、アーモンドはワンちゃんの体内で消化できませんし、煎茶にはカフェインが含まれているため、基本的には与えてはいけない飲み物のひとつです。

単純にビタミンEが多く含まれている食品を与えればいいというわけではないのが、ビタミンEを活用するときの難しさです。人間にとって安全なものでも、ワンちゃんやニャンちゃんにとっては毒になるものもありますので、利用するときには口にしていいものなのか、きちんと調べてから与えましょう。

ビタミンEを与えるときの注意点

それでは実際に、ビタミンEを食事などで与えるときの注意点について説明します。与え方を間違えると効果が出なかったり、マイナスの効果になることもあります。安易にビタミンEを与えるのではなく、より安全で効率のいい与え方を覚えておきましょう。

サプリメントでは与えない

ビタミンEを食事で与えているうちは、過剰摂取になることはまず考えられませんが、手っ取り早く与えようと思って錠剤などのサプリメントで与えてしまうと、死亡リスクが高まってしまう可能性があります。たくさん摂れば摂るほど活性酸素が消えていきますが、「過ぎたるは及ばざるが如し」です。

そもそもある程度の活性酸素は体内においてとても重要な役割を果たします。過剰にビタミンEを与えてしまうと、その役割も果たせなくなります。基本的には安全な栄養素ですが、必要以上に錠剤などのサプリメントなどで与えないようにしましょう。ビタミンEが多く含まれる食事を与えるだけで十分に摂取できます。

ビタミンCやビタミンAと一緒に摂る

ビタミンCやビタミンAはビタミンEと合わせて「ビタミンACE」と呼ばれるほど、相性のいい栄養素です。それぞれ抗酸化作用を持ち、ビタミンEと同時に摂取することで、より効果的に活性酸素を減らすことができます。

ビタミンAは細胞膜を守る効果があり、ビタミンCは体液中に留まり、活性酸素を取り込んで酸化したビタミンEを再生する効果があります。このため、ビタミンEで老化防止を行いたいのであれば、ビタミンCも一緒に摂ることが理想です。

それぞれに持ち場や役割が違いますので、すべてをバランスよく摂ることを心がけてください。これらのビタミンは野菜に多く含まれていますので、ビタミンEと一緒に緑黄色野菜を積極的に摂取しましょう。

飼い主は喫煙を避ける

ビタミンEはニコチンとの相性が良くないため、タバコの副流煙などをペットが吸うとビタミンEが破壊されてしまいます。せっかくフードでビタミンEを補給しても、タバコの煙でビタミンEを壊していたのでは何にもなりませんよね。飼い主はペットの居るところでの喫煙は避けてください。

ペットとは関係ありませんが、大量の飲酒もビタミンEを減らしてしまいます。私たちも健康を維持したいのであれば、飲酒や喫煙はほどほどに抑えておきましょう。

推奨したいフード

ビタミンEの効果を聞くと、自分たちの食事にも取り入れたくなるくらい魅力的ですが、いざワンちゃんやニャンちゃんに与えるとなると、どのような食材を与えればいいのか考えるのが難しいですよね。できればそれに適したペットフードを使いたいところです。

ここではそんな人のために、当店で扱っているビタミンEが豊富に含まれているフードをご紹介します。好き嫌いもあると思いますので、最初はいくつか購入されて、食いつきのいいものを継続して与えるようにしてあげましょう。

缶詰/チキンミール

離乳食、仔犬、老犬、産前産後、病中病後、それぞれの状態に応じて使えるよう、栄養のバランスを考えつくっております。カルシウム、ビタミンA、ビタミンB3、ビタミンEなどを効率的に摂取できます。国産雛鶏と大豆がミックスされており、見た目がよく食いつきもよくなるよう、おいしく作られています。

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缶詰/チキンレバーブロック

レバーには鉄分やビタミンが豊富に含まれていることは有名ですよね。このチキンレバーブロックは、免疫力を高め、貧血が気になる場合に最もおすすめできるおかずです。新鮮な国産雛鳥レバーを使っていますので、安全性もばっちりです。

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乾燥野菜/スイートベジタ3

ビタミンEをたくさん含むかぼちゃを含んでおり、野菜の甘さが活かされたフードです。様々な栄養が摂れるうえにカロリーが控えめですので、ダイエット食にもおすすめです。野菜なのに食いつきがいいというのもスイートベジタ3の特徴です。

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サプリメント/えごまオイル

えごまオイルにはγ-トコフェロールが多く含まれています。さらにロズマリン酸と呼ばれるポリフェノールも含まれていますので、とても強い抗酸化作用が期待できます。オメガ3脂肪酸なども含まれているため、様々な病気を防ぐ効果も期待できます。普段のフードに混ぜて利用でき、使い切りですので、常に新鮮なオイルを摂取できます。

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